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業界ニュース 2018.8.23

日産GT-Rが「スカイライン」を捨てたワケ

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 近年のスカイラインとは目指す方向性が異なった

 日産が世界に誇るハイパフォーマンスカー、GT-R。歴代GT-Rでも、5代目のR34までは、スカイラインの高性能バージョンという位置づけで「スカイラインGT-R」という車名だったが、R35は「スカイライン」と決別し「日産GT-R」と名乗るようになった。R35GT-Rは、なぜ「スカイライン」ではなくなったのか。

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 真相はカルロス・ゴーン氏にインタビューでもさせてもらわないと語れないが、おおよそ次のような理由が考えられる。

 1)GT-Rをグローバル展開したかったから

 2)クオリティの高いセダンと、スーパースポーツのパフォーマンスを両立できなくなってきたから

 ご存じのとおり、「スカイライン」はR34まで、基本的に国内専用車種で、輸出はされていなかった。世界戦略を考えると、ローカルネームの「スカイライン」ではなく、日産のフラッグシップとして、その名もずばり「日産GT-R」にしたかったということだろう。

 また「スカイライン」の型式は、6代目=R30以降、R31、R32、R33、R34と、「R●●」を継承してきたが、11代目のV35からは、V35、V36、V37と「V」にチェンジ。独立したGT-Rは、「R35」の型式を与えられているので、必然的にスカイラインとは別の路線に……。

 ふたつ目の理由は、ポルシェなども凌駕する、国産最強のハイパフォーマンスカーを開発するには、セダン=「スカイライン」ベースであることが足かせになってきたため。歴代スカイラインGT-Rは、セダンベースの高性能車というのがアイデンティティだったわけだが、セダンにはセダンの要件があり、スーパースポーツとしてのGT-Rとの両立がいよいよ難しくなってきたと考えられる。

 セダンの場合、居住性も重要、装備、質感もライバル車に引けを取るわけにはいかないし、乗り心地、静粛性、環境性能、そして価格といったことを考えると、サーキットで世界のスポーツカーをやっつけるには、あまりにも条件が厳しくなる……。

 とくにV35スカイラインは、対米輸出車(インフィニティG35)として、アメリカでのヒットを狙ったクルマになった。R34のように強固なボディを与えてカチッとした走りを追求するのではなく、ヨーロッパ車のようにしなやかさを前面に打ち出し、あえてボディを捻るように設計。全体のしなやかさで曲がるよう設計されているので、GT-Rのようなスポーツカーが求めるボディとだいぶ方向性に隔たりがあった。

 こうした事情から、R35GT-Rは、「R●●」という形式名と、「GT-R」のネーミングだけ継承し、「スカイライン」とは切り離されることになった。個人的には、セダンベースであっても、BMWのM3やM5のように、飛び切り高性能なスポーツモデルもできるわけだし、セダンベースという制約があるからこそ、「スカイラインGT-R」の魅力は際立っていたと考えている。ベースにセダンがあるからこそ、「羊の皮をかぶった狼」という立ち位置もあったわけだが……。

 逆にいえば、スカイラインの呪縛から解放されたR35は、4人乗りにも、フロントエンジンにもこだわる必要がなかったはずで、どうせなら、ミッドシップ・4WD、エンジン縦置き、ドライサンプの2シーターで作ればよかったと思うのだが、おそらく「スカイライン」の名は取れても、「GT-R」には「GT-R」の呪縛があるのだろう。

 歴史と伝統のあるクルマを作るのは難しい。でも、それだけ愛されているのがGT-Rという存在。GT-Rらしさを継承しつつ、いつまでも世界に誇れるGT-Rであってほしいので、GT-R開発陣には、心からエールを送りたい。

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(WEB CARTOP 藤田竜太)

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