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新型ジムニーの主役は軽だけじゃない! シエラがもう“脇役”ではない理由

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新型ジムニーの主役は軽だけじゃない! シエラがもう“脇役”ではない理由

 今度のジムニーは「シエラ」に注目! 2018年7月5日に新型となったジムニーは、軽自動車版と合わせて登録車版のシエラも同日発売された。これまでもジムニーシエラは発売されていたが、実は今回の新型、従来型以上に軽ジムニーとの違いが明確になっている。

――もうシエラは“脇役”ではない。軽ジムニーとシエラ、そして従来型との違いとは?

地震発生!! もし運転中だったらどう対処する?

文:片岡英明


写真:平野学、池之平昌信

軽ジムニーと「シエラ」は何が違う?

 先日まで発売されていた3代目ジムニーは20年の長きにわたって第一線で活躍を続けてきた。

 その間、真摯に性能アップに取り組んできたが、基本設計は変わっていない。セダンやスポーツモデルのジャンルでは考えられないことだ。

 クロスカントリー4WDの世界でタフな走りを披露したジムニーと兄貴分のジムニーシエラは、2018年7月5日に4代目(シエラは3代目)にバトンタッチしている。

 ベールを脱いだ4代目は予想を大きく上回る出来栄えだった。押しの強いデザインで、走りの実力も高い。

 エクステリアは、キープコンセプトのデザインだが、3代目よりもワイルドなルックスだ。ストレート基調の精悍なデザインで、遠くからでも目立つ。

 特に小型車サイズのジムニーシエラは、存在感が際立っている。ジムニーは制約の多い軽自動車の枠のなかに収めているが、シエラは登録車だからボディサイズや排気量の制約がない。

 だからバンパーを大型化し、オーバーフェンダーを被せて全幅を170mm、トレッドを130mm広げた。タイヤサイズもジムニーが175/80R16であるのに対し、195/80R15となっている。見た目の安定感はシエラが大きくリードだ。

エンジンも大型化で軽ジムニーとの違い引き立つ

 自慢のメカニズムは、軽ジムニーと基本は同じで、伝統のラダーフレーム、2WDと4H(ハイ)/4L(ロー)切り替え式の副変速機を備えたパートタイム4WD、3リンク式のリジッドアクスル・サスペンションなどを採用する。

 が、いずれも新設計だ。前後にクロスメンバー、中央部にはXメンバーを追加し、ねじり剛性を1.5倍も高めたラダーフレームを採用し、電子制御ブレーキLSDやヒルディセントコントロール、ヒルホールドも標準装備する。

 大きく違うのはパワーユニットだ。ジムニーは658ccの直列3気筒DOHC 4バルブターボエンジン(R06A型)、ジムニーシエラは1.3Lエンジン(M13A型)に代えて1.5L(1460cc)の直列4気筒DOHCエンジン(K15B型)を搭載する。

 スペックもジムニーの64ps/9.8kg-mに対し、102ps/13.3kg-mと優位に立つ。トランスミッションは、5速MTとロックアップ機構付きの4速ATを設定した。

 車重はジムニーシエラのほうが60kg重いが、実際に走らせてみると余裕を感じるのはシエラのほうだ。

 自然吸気エンジンだから高回転まで軽やかに回り、ターボのように過給するまで我慢を強いられることもない。パワーとトルクが素直に盛り上がり、数値そのものも上回っているから加速も冴えている。

 遮音材はどちらも同じ量だが、静粛性も違う。ジムニーも静粛性は向上しているが、同じスピードなら静粛性は一歩上をいく。とくに高速道路では差をつけるだろう。


 タイヤが太く、トレッドも広いから、高速走行時やコーナリング時の安定性もシエラがリードする。コーナーでの踏ん張り感や舵の正確性も上を行く。

 直進安定性だけでなくコーナリング性能も大きく向上した。コーナーではロールが抑えられ、接地フィールもジムニーの上のレベルにある。コントロールできる領域が広く、乗り心地も良好だ。

脇役から“主役”へと躍り出たシエラの高い実力

 オフロードは未走行だが、実力はジムニーに勝るとも劣らないはずである。

 最新のジムニーシエラは、軽ジムニーと同じように荒れた路面でステアリングを取られるキックバックを低減するためにステアリングダンパーを追加し、ヒルホールドやヒルディセントコントロール、ブレーキLSDも標準装備した。

 ストロークを十分に確保したサスペンションと相まって悪路走行は得意種目である。

 アプローチアングルはジムニーの41度に対し36度だが、これはフロントのオーバーハングが違うためだ。

 実際にはライバルと比べても優れた数値で、走破性能は超のつく一級である。アップダウンのある林道コースではジムニーを凌ぐ走りを見せるはずである。

 また、安全装備も充実させ、6つのエアバッグを標準装備し、レーダーと単眼カメラで障害物を検知する先進安全技術、スズキセーフティサポートも設定する。デュアルセンサーブレーキサポートは最新仕様だ。基本機能と基本性能は両車とも大差ない。

 ジムニーと比べると17万円ほど価格は張る。が、オーバーフェンダーやワイドタイヤなどを装備し、エンジンも余裕の1.5L、しかも4気筒だ。

 長く乗り続けたい人やロングランの多い人、快適性を重視する人はジムニーシエラのほうが魅力的と感じるはずである。

 納期はジムニーより長くなるようだし、購入後の維持費も軽自動車のジムニーよりかさむ。

 だが、トータルで見るとジムニーシエラの買い得感、購入後の満足感が際立ってくる。最新のジムニーシエラは、ジムニーの脇役ではなく、主役になった。

◆新型ジムニー シエラ(JL)主要諸元


・全長×全幅×全高:3550×1645×1730mm


・ホイールベース:2250mm


・トレッド(前/後):1395/1405mm


・エンジン:直4 DOHC、1460cc


・最高出力:102ps/6000rpm


・最大トルク:13.3kgm/4000rpm


・WLTCモード燃費:15.0km/L


・価格:180万2520円(※セーフティサポート装着車、5MT)

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