「何名で宿泊する? 駐車場に入るの?」就寝時のスペースも考えて購入したい
初めてキャンピングカーを購入しようと考えている人にとって、多数あるタイプの中で何を選んだら良いか迷うだろう。最近では各地でキャンピングカーの展示会が開催され、なかでも日本においてキャンピングカー業界を牽引する「日本RV協会(JRVA)」が開催するキャンピングカーショーなどでは、国内外のビルダー(製造・販売会社)が多数出品するので、様々なキャンピングカーを見ることができ、気に入った車種があれば、その後にビルダーごとで開催する体験試乗会に参加することが可能だ。だがキャンピングカーショーなどに行く前に心掛けたいのが、「何のためにキャンピングカーを購入するのか?」、「何名で宿泊したいのか?」、「駐車場に入るのか?」、「購入予算は?」、「移動中にパーキングやサービスエリアで宿泊するのか?」という内容。高価な買い物だけに後悔はしたくないもの。そんな意味でもチェックすべき全5項目を見ていきましょう。
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購入の目的「何のために購入するのか?」
最も重要なのが購入目的。最近の傾向として多いのは、家族旅行で宿泊場所の確保が目的というパターン。続いてテントキャンパーからの脱却やアウトドアスポーツでの宿泊場所確保となるが、近年は定年退職後に全国各地を夫婦で旅したいという購入動機も増えている。また、家族旅行を目的とするならば、2番目の項目の宿泊人数も重要課題。例えば小学生と中学生の子供がいる家庭ならば、最低でも4人が就寝できるキャンピングカーが必要だし、将来的に子供を増やす予定なら、5人就寝タイプが必要だ。この条件を満たすとなると、バンコンでも2段ベッド型かポップアップルーフに2人が就寝できるタイプとなる。
大量の荷物を収納できるキャブコン、トレーラー
また、テントキャンプで悪天候時の設営や撤収から開放されたいという方は、アウトドアグッズを大量に積載するので、車外からアクセス可能な大きな荷室のあるキャブコンかトレーラーが最適なハズ。なかには、キャンピングカーを購入しても、通勤や子供の送り迎えに使うので、いかにもキャンピングカーらしく見えると、恥ずかしいと言う人もいる。その場合には、外観がノーマル状態のバンコンやeキャンパー(ワゴンやミニバンをキャンピングカー登録しない車中泊仕様車)が最適だろう。さらに定年退職後の夫婦2人旅用なら、経費の安い軽キャンパーかトラックキャンパー(トラックの荷台にキャンピング用シェルを乗せるタイプ)が、入門用としてオススメ。また、アウトドアレジャー志向の方だと、悪路や雪道を走行するケースが多いだろうから、四輪駆動タイプがいいだろう。このように、購入目的を明確にしておけば、後になって使い勝手に適ってないとグチをこぼすことがないハズだ。
何人で宿泊するの? 就寝時のスペースも重要
そして次の項目となる、何名で宿泊するかも重要だ。正規のキャンピングカーは大人1人当たりの就寝面積が50×180cmと決まっている。ということは幅1mのベッドスペースだと就寝定員が2名となるが、実際には幅1mに2人が寝ると狭いと感じるはずだ。また、ハイエースをベースにした6人乗りバンコンのポップアップルーフ仕様で”6人就寝タイプ”があるが、これはセカンド&サードシートをフルフラットベッド化し、ルーフ内にも就寝した時の就寝定員。そうなれば、荷物はシート下に置くしかない。このように就寝定員には、数字上だけでは分からないこともあるので、シートをベッド展開するタイプならば、着座時と展開時の状態と手法を実際に見ることが必要だ。
駐車スペースや回転半径も考慮すべし
そして、購入時に問題となるのが駐車場の問題。キャンピングカーショーなどで周囲のキャブコンより小さいと思って選んだバンコンが、思ったより大きく駐車場に入りきれなかったり、途中のアクセス路で曲がりきれなかったりする。実際にハイエースのスーパーロング・ワイドボディをベースにしたバンコンは、車長が5m以上、4WD車の回転半径は6.3m。自宅周りや駐車環境によっては使いづらいと感じることもある。一方、マツダ・ボンゴトラックベースのキャブコンで6名就寝可能なモデルは、車長5m弱で4WDでも回転半径は5.0mと小回りが効く。車両サイズと回転半径のスペックを見ておくこともポイントなのだ。逆にトレーラーは運転の仕方で小回りが効き、自宅車庫に収まりきれない場合には、販売店で格安で預かるサービスがあったりするのでチェックされたし。
ちなみに、購入予算。これは上を見れば1千万円オーバーとなるが、国産のバンコンやキャブコンは新車価格が低下しており300万円代、eキャンパーが200万円代、軽自動車ベースなら100万円代からある。装備が充実した中古車をチェックするのも手だ。
車中泊では車内調理をするかどうかが重要
最後のチェック項目になるパーキングやSA泊は、移動中に車内調理をするかどうかに関わる。公共駐車場では車外での調理や椅子などを持ち出しての食事や休憩は禁止。そこで車中泊では車内で全て済まさなくてはならない。もしベッド展開時に調理台が使えなかったり、食事するスペースが狭すぎると、車内で快適に過ごせなくなってしまうので、これらの点のチェックも重要となるのだ。
(レポート:井田一徳)
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