国内自動車メーカー9社およびトランスミッションメーカー2社を組合員とし、産学共同で駆動系の基礎研究を行う団体「自動車用動力伝達技術研究組合」(Transmission Research Association for Mobility Innovation。略称TRAMI(トラミ))が4月2日に設立。その記者会見および発足式が5月15日、ベルサール汐留(東京都港区)で開催された。
TRAMIの前田敏明理事長は、「地球規模の環境問題、エネルギーリスクを考慮すると、CO2排出量を大幅に削減する必要があり、それに伴い自動車用パワートレーンが電動化し多様化ていくことは明らかだが、いずれにおいても動力伝達系はキーコンポーネンツであり続ける。そのため、この領域の技術研究を継続・進化させていくことが非常に重要だと考えている」との見解を述べたうえで、TRAMI発足の主旨について説明。
STマイクロエレクトロニクス:安全性が重視される用途向けに無償の機能安全設計パッケージを発表
「海外に目を向けると、ドイツでは約半世紀前に技術研究組合が発足しており、中国では国家の豊富な資金力をベースに欧州エンジニアリング会社から技術の供給を受け、急成長を遂げている。だが日本は個別の大学・企業による共同研究に終始し、それらの連携がないため、研究の深掘りやつながり、広がりの障害になっている。また、内燃機関と比較し、日本の大学には駆動系の研究室がほとんどない」ことを問題点として挙げ、「TRAMIの活動により効果的な基礎・応用研究を加速させ、それらを連携させ、技術力を向上・底上げしたい」と意気込みを述べた。
また、具体的な活動内容として、「組合員11社から研究テーマを募り選定し、各大学に委託または共同研究。成果はデータベースに蓄積し、組合員企業11社が平等に活用できるようにする」ことに加え、「この研究には、将来的にエンジニアリング機能を担うことを想定し、計測器メーカーにも入ってもらう」方針を掲げている。
その後白井智也運営委員長は、各委員会および研究会に対しリーダー企業を分担して配置するTRAMIの組織構成と、同会における研究のスキームを説明した。
さらに、走行性能、燃費、静粛性、ベンチマークについて、今後の研究テーマに関する10年シナリオを設定。金属摩擦のコントロール技術については「機械摩擦・熱研究会」、気液混相のコントロール技術については「流体摩擦・熱研究会」、気泡の影響を含んだ作動油特性のコントロール技術については「流体制御研究会」、トップランナーの調査とデータ蓄積については「合同調査研究会」「計測技術研究会」が担当することを明らかにした。
そして今後、産学共同研究のネットワークを拡大。と同時に、産学TRAMIの前身にあたる自動車技術会・動力伝達システム共同研究推進委員会が実施した、複数の企業・大学によるトライアル研究が、大学研究室の活性化や学生のモチベーション向上につながったことから、「これをベースに人づくりの好循環モデルを作っていきたい」としている。
プレゼンテーション後の質疑応答では、前田理事長が「30年前はMTとATしかなかったが、現在は駆動システムの種類が増えており、個社で全部を研究するのは非常に辛い。個社ではそれぞれの得意分野で製品開発に専念してもらい、TRAMIは基礎を共同で研究する」と述べており、これが現在の駆動系開発を取り巻く困難な状況とTRAMI発足の主目的、またTRAMIが担う協調領域、個社間で争う競争領域を最も端的に示しているものと思われる。
海外メーカーの駆動システムが国内メーカーでも採用例が増えている中、日本の駆動システムが性能・採用実績の両面において国内外で今後巻き返していくのに、TRAMIの活動がどのように貢献していくのか、注目したい。
TRAMIの組合員企業は下記の通り(五十音順)。
アイシン・エイ・ダブリュ
いすゞ自動車
ジヤトコ
スズキ
SUBARU
ダイハツ工業
トヨタ自動車
日産自動車
本田技術研究所
マツダ
三菱自動車工業
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
「お金なさすぎて家賃払えなくて…」大阪出身“売れっ子芸人”が高級SUV「Gクラス」を納車! 東京で“人生初”の車購入「盛山さんがベンツ購入って感慨深い」「夢あるなー」と反響
トヨタ新型「カローラ“クロス”」発表! 「レクサス」級にカッコイイ「斬新フェイス」へ刷新! 新型「コンパクトSUV」約494万円から ブラジルに登場
史上最恐の盗難ツールとして話題の[ゲームボーイ]だが……ほぼ100%盗まれない方法は果たしてあるのか!?
アンダー150万円!? スズキ「軽バン」が凄い! 完全「爆睡仕様」に驚きの声…!? どんな人が買う? 見た目はド派手グリル採用の「スペーシア」とは
日本で大人気の「軽自動車」なんで海外で売らないの? コンパクトで「燃費・性能」もバツグン! “高評価”でもメーカーが「輸出しない」理由とは
みんなのコメント
この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?