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タイヤのローテーション、「長持ちする」のはなぜ? 乗り心地にも影響するその理由

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タイヤのローテーション、「長持ちする」のはなぜ? 乗り心地にも影響するその理由

摩耗の偏りをなくすことで、より長く使える

 クルマのタイヤは「定期的にローテーションした方が長持ちする」といわれます。ここで言う「ローテーション」とはクルマの前後のタイヤを入れ替えたり、左右の配置を入れ替えたりすることですが、なぜそうすることでタイヤが長持ちするのでしょうか。

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 ブリヂストンによると、ローテーションを行う目的は、4つのタイヤが摩耗する度合いを均一化させることだといいます。

「タイヤは装着する位置によって摩耗の仕方や摩耗のしやすさが変わります。タイヤのローテーションを長期間行わなかった場合、たとえば後輪では溝が残っているのに、前輪では摩耗が進んでスリップサインが出てしまうということが起こり、ローテーションを実施した場合よりも早く交換することになってしまいます。ローテーションを行うことで、4本すべてのタイヤで摩耗のかたよりがなくなり、結果的にタイヤをより長く使うことができるようになるのです」(ブリヂストン 広報担当)

 逆に、ローテーションを行わない状態が長く続くと、摩耗がさらにかたよって乗り心地まで悪くなる可能性があるそうです。

「長期にわたってローテーションが行われないと、『ヒール&トゥ摩耗』という異常な摩耗が発生する可能性があります。これはタイヤを真横から見た時にギザギザ状にすり減っている状態で、発生するとタイヤの滑らな回転が妨げられ、振動や騒音などが現れる可能性が高くなります」(ブリヂストン 広報担当)

 では、ローテーションはどのくらいの頻度で行うのがよいのでしょうか。ブリヂストンは5000kmの走行を目安に定期的に行い、クルマの取扱説明書に記載がある場合はそれに従うことを推奨していますが、「定期的にタイヤの摩耗状況を点検し、摩耗のかたよりが見つかったら早めにローテーションを実施いただくのが最も効果的です」(ブリヂストン 広報担当)といいます。

タイヤの位置はどう入れ替える?

 ローテーションにおける配置の変え方は、二輪駆動と四輪駆動の場合で異なります。ブリヂストンによると、二輪駆動の場合は基本的に「駆動輪と駆動輪でないタイヤを交換する」「回転方向を逆にする」という作業を行います。実際には、タイヤの前後の位置を入れ替え、駆動輪でない方のタイヤについては左右の位置を入れ替えて回転方向を逆にします。

 こうしたローテーションを3回行うと、ひとつのタイヤが前後左右全ての位置に装着されることになります。このことによって、摩耗の度合いを均一にしていくというわけです。

 ただし、メーカーによって回転方向が指定されているタイヤの場合は、左右の入れ替えを行わないなどの例外もあります。また、四輪駆動車やスペアタイヤ(応急用のタイヤでないもの)を搭載しているクルマの場合は、クルマの取扱説明書などに従って実施する必要があり、タイヤのサイズが前後で異なる車種は、そもそもローテーションができない場合もあるそうです。

 ところで、ローテーション作業は自力でも簡単にできるのでしょうか。ブリヂストンの担当者は「タイヤ交換に慣れていない方には販売店や専門店などへの依頼をおすすめします。特に、タイヤ装着時にしっかりとナットが締め付けられていないと、走行中に振動が出たり、最悪の場合タイヤが外れる可能性もあります」と話します。

「ローテーションとあわせてタイヤの点検もお店に依頼することで、空気圧が適正かどうか、キズやひび割れがないかどうか、タイヤの摩耗に異常がないかについても確認でき、走行中の突発的な事故を予防することにもつながります」(ブリヂストン 広報担当)

 なお、タイヤの摩耗のかたよりは空気圧が適正に保たれていないことによっても起きやすいため、ブリヂストンでは定期的なローテーションとあわせて、空気圧のチェックや調整を日常的に行うよう呼びかけています。



【写真】乗り心地にも影響、タイヤの「ヒール&トゥ摩耗」

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