もともとは屋根付き貨物車という意味の「キャラバン」が語源
ミニバンでは残っているが、それ意外ではあまり聞かれなくなったのがバンという言葉。昔はライトバンというカテゴリーのクルマが数多く存在していたため、よく耳にしたものだ。そもそもバンというのはなんなのだろうか?
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バンは世界的に使われているが、もとは略語だ。屋根付きの貨物車のことを指す、「キャラバン」のバンが語源だ。今はNV350となってしまったが、日産のキャラバンはいい例だろう。そうなると、商用車がメインではあるのだが、海外では意外に曖昧で、馬車が古くからあったヨーロッパではバンは日本のように商用車を指すことが多い。
一方のアメリカはというと厳密ではなくて、商用車をバンと呼ぶことは多いが、箱型をしていればバンと呼ぶことがあったり、ワゴンのように後ろだけ箱型でもバンと呼ぶ。ステーションワゴンという言葉があるかと思えば、エステートバンという言葉もある。フルサイズが多かった国だけに、人も荷物も大量に積めればいいわけで、ちまちまとこれがワゴン、あっちがバンと区別しないことも。
ミニバンというのも、バンとはいえ商用車というよりも乗用車であることに合点はいく。ミニバンはアメリカ発祥のもので、ラムバンやダッジバンのことを指す。日本人の目からすると、これらはミニではなく、ビッグだが、アメリカの基準でいくと、もともとエコノラインのようなトラックベースの大きなものがバン。それより小回りが利いて扱いやすいサイズが「ミニなバン」として発売しヒットしたことで、ミニバンと呼ばれるようになった。
そして我が国、日本はというと、ライトバンのバンは商用車を指す。これは物を積むから、などの使用目的もあるが、税制上の分類による。4ナンバー登録になるのが目印だったりするが、税金が安くなる分、後席が固定されるなどの規定がある。じつは道路を走る際にも違いがあって、1960年代にはバンは路面電車の線路の上を走ってはダメという規定があった。滑って危険というのが理由だろうか。
高度経済成長時のバンが日本の発展を支えたのは事実で、その昔はハコスカなどでもワゴンとバンがあったし、バンのメリットをうまく利用して大ヒットになったのが初代アルトで、ボンバンというカテゴリーだった。ボンバンとは、ボンネットバンの略で、つまり乗用車タイプだけど、バンという扱いがヒットの理由だった。つまり、維持費を安くすることで、幅広いユーザーが買えるようにしたわけだ。
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