スバルテクニカインターナショナル(STI)が4月2日に創業30周年を迎えた。STIはモータースポーツ活動や高性能モデルおよびパーツの開発を行うスバルの子会社。1988年の創業以来、世界ラリー選手権で47勝をあげ、3度のシリーズチャンピオンに輝いている。
またドイツの有名な長距離サーキット、ニュルブルクリンク(北コース)では高性能車の開発を行うとともに、タイムアタックを実施。2017年にはWRX STI Type RA NBRにて6分57秒5のタイムを叩き出し、セダン最速の称号を獲得した。また、同サーキットで開催される24時間耐久レースでは4回のクラス優勝を成し遂げている。
こうした世界規模での数々の記録は、同社の挑戦心に溢れる社風が強く影響しているといえるだろう。
創業まもない1989年にリリースした最初のSTIモデル「レガシィRS RA」は、足回りをはじめ、ブレーキの強化、エンジンの高出力化(220hp)など、いわゆるトータルチューニングを行い、クルマ好きの注目を集めた。
翌1989年には、レガシィターボにてアリゾナのサーキットを走行。平均速度138マイル(平均時速約222km/h)で20日間・10万キロを走り切り、FIAワールド・スピード・エンデュランス・レコードを達成。これにより高性能化に伴う耐久性に関する顧客の不安を払拭した。
こうしたモータースポーツで培った技術をダイレクトに市販車に注ぎ込むことができるのは、スバルのモータースポーツ活動全般を担当し、また市販モデルの開発も並行して行なっている会社ならでは。挑戦が記録を残し、その技術でクルマを鍛えるという連鎖反応を生み出すことができるのだ。
なおSTIは今年のニューヨークショーで30周年記念ロゴを発表した。「30th ANNIVERSARY STI Est. 1988」の文字をおなじみの「月桂冠」で取り囲んだデザインは、レースのチャンピオンを想起させるもの。戦い続ける挑戦への意欲を感じ取ることができる。
STIの直近の戦いとしては、5月に開催されるニュル24時間がある。30周年を機に5勝目を目指すSTIの戦いぶりに注目だ。
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