毎月多くの新車ディーラーを回り、「生」の新車情報を届けてくれる流通ジャーナリストの遠藤徹氏。今回は三菱、ホンダ、スズキ、スバルの各ディーラーを回り、販売店の幹部クラスが各メーカー関係者から受けた新車計画説明会等から聞いた情報をお伝えします。
文:遠藤徹
■デリカD:5は5月にビッグマイナーチェンジ
三菱自動車は今年5月の連休明けに、デリカD:5をビッグマイナーチェンジする見込みです。全国の三菱ディーラー幹部に通達し、見込み客に対して通知を進めているとのこと。
三菱デリカD:5は連休明けにマイナーチェンジ
チェンジの内容はフロントデザインを中心に内外装のデザイン変更、カラーリングの再編、車種整理、安全対策強化など。
パワーユニットは売れ筋の2.3Lクリーンディーゼルに1本化し、現行型に用意されているガソリン2Lと2.4L車は販売不振のため取りやめるものと思われます。
デリカD:5の発売は2007年1月で、今年に入って丸11年を経過しました。数年前の計画では今年あたりにフルモデルチェンジする予定でしたが、今年はエクリプスクロスの日本発売があること、資本提携した日産とのラインアップ&車種調整があることなどから、2018年はマイナーチェンジに留め、開発が進んでいる次期型は来年以降のデビューとなったもようです。
■ホンダは1.5Lハイブリッドを近い将来2モーター方式に切り替えか
ホンダは現在フィットやフリードに搭載している1.5Lハイブリッドを、現行の1モーター2クラッチ方式から、アコードなど2Lハイブリッド車と同じ2モーター方式に切り替える方向で開発を進めているようです。
現行搭載モデルより燃費&性能を同時に向上させ、トヨタのライバルモデル(アクアやシエンタ)を凌ぐには同じ2モーター方式のほうが優位という考え方によるものと思われます。
この新開発ユニットは今秋登場のハイブリッド専用モデル(「インサイト」)に投入されそうですが、ほぼ同じ頃シビックセダンにも搭載される可能性があります。1モーター&2クラッチよりも2モーターのほうがコスト高になりますが、量産効果によるコストダウンで1モーター&2クラッチ並みに価格を抑えることができると見ているようです。
2018年1月の米デトロイトショーに出品され、今夏北米発売、日本導入は今年末になる新型インサイト
従来のフィット、シャトル、グレイス、ヴェゼル、フリードに搭載している同一排気量の1.5L&1モーター2クラッチ方式も、今後のフル&マイナーチェンジ時に順次2モーターへと切り替えられてゆく可能性があります。
■スバルのHV、PHV、EV第1弾はレヴォーグ&レガシィか?
スバルは2020年に向けてハイブリッド、プラグインHV、EVなど電動車両の実用化を目指し開発を急いでいます。そして、その第1弾は同年の春から秋にかけて世代交代するレヴォーグかレガシィのどちらかになりそうです。
両シリーズはともに(モデルサイクルを見ると)2019~2020年がフルモデルチェンジのタイミングとなり、一部の量販グレードにプラグインHVや電気自動車を設定。
現行レヴォーグのデビューは2014年6月。モデルサイクルを考えるとフルモデルチェンジは2019~2020年頃
いっぽうハイブリッド車は2021年にも一新する次期型インプレッサに採用するスケジュールが有力になっています。
また上記とは別に、「2018年のうちに、北米市場の既存モデルへトヨタ製プラグインHV仕様をそのまま搭載して発売する」という情報も入ってきています。こちらはやや情報が錯綜しているので、証言を確認して随時お伝えしてゆきます。
■スズキは軽自動車にもフルハイブリッドを導入へ
スズキは2020年までに軽自動車にも1モーター&リチウムイオンバッテリー方式によるフルハイブリッド搭載モデルを投入する方向で開発を進めているようです。
現行ワゴンR、スペーシアではモーターアシスト方式によるマイルドハイブリッドを採用しており、EV走行は始動時の数秒にとどまっています。
そのいっぽうで小型車のソリオやスイフトには1.2Lの1モーター&リチウムイオンバッテリー方式によるフルハイブリッドも設定しています。
2017年12月に2代目へと切り替わったスズキ・スペーシアにも(マイルド版の)ハイブリッド車が設定されている。スイフトでやったように、この先「ストロング版」のハイブリッド車が追加されるパターンも充分ありうる
これを660ccの軽自動車にも応用することは技術的に可能ですが、コストやバッテリー&モーターユニットを配置するスペース確保が課題になっています。
このため比較的余裕のあるワゴンRやスペーシアのハイト系モデルの2WD車を中心に設定する方向で開発を進めています。
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