日本のシリコンバレーからトヨタが人材募集を狙っている！？

神奈川県・川崎市を横断するJR南武線沿線には、古くからの電機メーカーやIT企業が集中しており、日本のシリコンバレーと呼ばれることもある。そんな南武線の某駅で見かけたのが、この広告。トヨタの中途採用募集ポスターだ。

広告のデザインや文言には数パターンあるようだが、いずれも「自動運転・コネクティッド技術のエンジニア募集」と書いてあるように、まさに南武線で通勤している技術者を狙い撃つ募集広告といえる。優秀なエンジニアは喉から手が出るほど欲しいといった状況を感じさせる広告で、研究開発費を潤沢に使っている印象のトヨタであっても自動運転に関する知見や人材は足りていないということなのだろうか。

トヨタといえばアメリカでMITの近くに人工知能研究の会社を設立するなど、自動車メーカーに足りない技術に対する貪欲な姿勢が見受けられる。地域に関わらず、すなわち国内でも優秀なエンジニアを欲しているわけだ。

じつはホンダも自動運転（AI技術）に関する研究所「Hondaイノベーションラボ」を東京都・赤坂に新設するなど人材を確保するための工夫をしている。その理由は同業者とのネットワークやコミュニケーション、刺激を受けるといった面で都内に拠点を置いておくことが重要だからなのだという。インターネットによりどこにいても情報のやり取りはできる時代だが、やはり物理的な距離、地域性というのは重要ということだろう。

であれば、南武線沿線で働くエンジニアを求めているトヨタも地域性を重視して、川﨑市に拠点を置くようなことがあるのかどうか。今後の動きに注目される。

（文：山本晋也）

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