タイヤの構造「カーカス」を斜めに配置したタイヤ
バイアスタイヤは、空気入りタイヤが普及し始めたころに開発された、タイヤの構造=バイアス構造を採用しているタイヤのこと。「バイアスがかかる」という言葉があるとおり、「バイアス」には、「偏り、偏見、傾向、斜め、」 という意味がある。
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タイヤの場合も、タイヤの骨格=「カーカス」を斜め(BIAS)に配置する構造のことを「バイアス構造」という。バイアスタイヤは、この斜めのカーカスを互い違いに複数重ね、カーカスがねじれないようにして、ブレーカーで締め付けていて、バイアスプライタイヤあるいはクロスプライタイヤとも呼ばれている。
このバイアスタイヤのメリットは 1 比較的製造方法が容易
2 低速、悪路走行での乗り心地が良い となる。
そのほか以下のような性能はラジアルタイヤに軍配が上がる。 ・操縦性、安定性
・発熱の少なさ
・転がり抵抗の少なさ=燃費性能
・耐摩耗性
・スリップの少なさ、けん引力の大きさ
・高速での乗り心地 というわけで、バイク用タイヤや、産業車両用タイヤ、建築車両タイヤ、農業機械用タイヤを除き、乗用車用のタイヤはほとんどラジアルタイヤオンリーとなっている。パフォーマンスの低いタイヤの代名詞=「タクシータイヤ」は、性能よりもランニングコストを優先し、わりと最近まで、バイアスタイヤが多かった。
ちなみにラジアルタイヤとは、タイヤの骨格=「カーカス」が、タイヤの中心から放射状(RADIAL)に配置されていて、それをベルトで締め付ける「ラジアル構造」のタイヤのこと。
カーカスの素材もバイアスタイヤが主にナイロンなのに対し、ラジアルタイヤは主にポリアステルと素材も違う。ラジアルタイヤは1913年に考案され、1946年に開発されたミシュラン「X」の製品化で普及がはじまり、今日のラジアル全盛期を迎える流れとなった。1964年に開通した、東京モノレールもミシュランXを装着している。
国産乗用車にラジアルタイヤが取り入れられるようになったのは、1970年代半ばから。60年代は高速道路もほとんどなく(名神高速の一部開通が1964年)、未舗装路も多かったので、低速、悪路での乗り心地のいいバイアスタイヤが好まれ、欧州よりラジアルタイヤの普及が鈍かった。
モータースポーツでも、意外にラジアルタイヤの歴史は浅く、F1ではターボ時代のはじまりの1970年代後半から。国内では1980年代に入って、ブリヂストン、ダンロップ、横浜ゴムの3社による、激しいタイヤ戦争が勃発し、一気にラジアルタイヤの開発が加速したという経緯がある。
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