ゆっくり過ぎる加速は自分自身にも社会全体でもエコじゃない
最近はガソリン価格が比較的安値で安定していることもあり燃費への関心は薄れているように感じるものの、それでも一時期のガソリン高騰の記憶もあり、アクセルワークを代表とするエコな走り方をする人は多い。
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エコな走り方は同乗者に不快感を与えないスムースな運転や安全につながることもあり、基本的には歓迎すべきことなのだが、やり過ぎたり、考えなく行うと周りの迷惑になることも多々ある。そこで今回は「本当にエコなアクセルの踏み方」を場面ごとに考えてみたい。大前提となるのは「周りの様子を見ながら」ということだ。
●暖気
クルマはエンジンを代表にそれぞれのパーツやオイルなどに適温がある機械だけに、暖気運転が必要だ。その暖気運転、インジェクション(電子制御燃料噴射)になっている現代のクルマであれば寒い時期でもアイドリングは安定しているため、停止したままでのアイドリングは不要だ。
しかし始動直後、とくにその日一発目のクルマは人間で言えば寝起きであるため、朝のランニング前の準備体操のような意味での暖気運転は必要だ。具体的には水温計があるクルマなら水温計が動き出すまで、ない車なら青いエンジンが冷えていることを伝える冷間マークが消えるまでは全体的に丁寧かつユックリ動かし、水温計があるクルマなら真ん中になったら、ないクルマなら青いマークが消えてしばらく、何となくでも動きが軽くなってきたら普通に走ってOKといったところだろうか。
●加速
燃費向上のため一時期ふんわりアクセルというノンビリとした加速が推奨された名残なのか、今でもあまりにユックリと加速する人がたまにいるが、これは間違え。理由はあまりにユックリとした加速は仮に自分の燃費は良くなっても、一回の青信号で通過できるクルマの台数が減るなど、社会的にトータルで考えたら決して低燃費と言えないし、そもそも交通の流れを乱すから。
それにあまりにユックリとダラダラと加速するのは自分の燃費も良くならないケースが多い。では適正な加速を具体的に表現すると、不快な加速Gを防ぐ意味も含めアクセルをガバっとではなくジワっと踏み、50キロ、60キロといった目標とする巡航スピードまでスパッと加速すること。どんな場面でもポイントになるのはルームミラーやドアミラーで後続車をマメに見て、車間を詰められるなど、後続車がイライラしていないかを頻繁に確認することだ。
巡航時の目安はトップギヤに入る最低スピードの維持
●巡航
高速道路などの巡航で燃費を上げるためには巡航スピードを控えめにしたい。しかし、それも後続車や流れとの関係で限度がある。一般的に燃費ベストと言われる巡航スピードはトップギヤに入る最低スピードと言われており、そのスピードを維持すれば自ずと燃費よく走れるが、それもクルマによって違いがある。
といった点や周りの流れも加味すると、エコな巡航スピード、走り方を大雑把にいうと80km/hくらいで、流れを乱さないように左車線を走ることだろうか。
しかし現代の7速以上のギアがあるAT車は80km/hくらいでDレンジのままだとトップギヤに入らないケースも多々あるので、そういったクルマの場合はパドルやMTモードを使って自分でトップギヤに入れてしまう、パドルやMTモードでトップギヤに入るスピードまでスピードを合法的な範囲で上げてしまうといった工夫も必要だ。
●減速
減速はエンジン車であれば燃料カットが働いて燃料消費ゼロで減速しながらクルマを進められる、ハイブリッドカーや電気自動車であれば減速しながらバッテリーに電気が貯まる回生制動を使いながらのアクセル全閉を積極的に使いたい。
アクセル全閉を使ってフットブレーキを使う頻度が減れば、ブレーキパッドが減らないという意味でもエコだ。しかしそれも時と場合により、深夜早朝などに後続車のいない空いた道であれば自分の自由に行っていいとしても、後続車が迫っていたり、多い時だと流れを乱す原因になりひんしゅくを買う。
そのため後続車がいるなかでアクセル全閉を使って減速したいなら少しだけ加速して後続車との間隔を開けるなどして、後続車のイライラを防ぎながら行いたい。
なお回生制動はハイブリッドカーの燃費向上、電気自動車の航続距離延長のための重要なテクニックであり、フットブレーキを使いながら回生制動を行う際には出力計やインジゲーターがチャージ(減速)側に振り切れてしまわないように、なるべく長い距離でジンワリとしフットブレーキを踏むと多くの電気をバッテリーに貯められる。
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