現在位置: carview! > ニュース > カー用品 > 働く男のシート学「RECAROと2000kmを共にして」《後編》

ここから本文です

働く男のシート学「RECAROと2000kmを共にして」《後編》

掲載 更新
働く男のシート学「RECAROと2000kmを共にして」《後編》

前回は、モデル選びから装着、そして初試乗の印象をお伝えした、連載「働く男のシート学」。老舗シートメーカーRECAROがラインナップする、腰痛予防と疲労軽減を重視したエルゴノミクスシート「ERGOMED-MV」をサクシードに装着し、実際その効果を体感するという企画で開始した。今回は、その後2000kmを走行した中で感じたことをおさらいも含めてレポートしよう。

RECAROの哲学を実感!

働く男のシート学「商用車にRECAROを装着!」《前編》

 レカロに座って最初に思い知らされるのは着座姿勢だ。通常、クルマのシートに座ると出来るだけ楽なポジションを選ぶ人が多いはず。しかし、これが腰への負担を大きくする要因で、この姿勢だと背骨はほぼ前かがみの姿勢と同様となるため(逆C字形)、椎間板を圧迫し、腰痛はもちろん、最悪の場合はヘルニアを引き起こすことさえあると言われている。

 それを回避するためにデザインされているのが、レカロシート。その中でもより効果を高めているのが「ERGOMED」 シリーズだが、このシートでいつものように楽な姿勢をとろうとドライビングポジションを調整しても大体決まらない。レカロの場合は、ほぼ強制的に背骨をS字形に描くよう促すデザインを採用しているためで、これによって椎間板への圧迫を抑えている。つまり自ずと背もたれは立つ方向となり、腰の位置も奥側へと自然にもっていかれてしまう。

 この企画の主人公でもあるKカメラマンは、元々腰痛持ちで、以前にもヘルニアを経験しているとあって、着座姿勢に関しては敏感に反応した。「こうした姿勢で運転していませんでした。確かに楽かもしれません……」と、装着したばかりの頃、言っていたが、これが毎日のように仕事で乗っていると、さらなる効果を実感したという。

 まず、長時間ドライブしていても、ほとんど腰の位置に変化が見られないということ。しかもこのサクシード、マニュアル車でクラッチ操作を頻繁に行うにも関わらずに、だ。これが“レカロ マジック”とも言えるもので、実はシートクッションの深部にはラインが設けられていて、自然とヒップポイントが奥の方へと導かれ、しかも不思議なことに固定されてしまうのが理由。さらに背骨がS字を描くように促されるバックレストとの組み合わせにより、骨盤の滑りを制御していることももうひとつの要因だ。

 そもそもレカロの概念は、医学的な検知から生まれたもの。即ち、シートにおける腰痛予防対策は、綿密な体圧分布から測定した結果、「面で支える」という結論に至ったという。そこには、血流障害を防ぐことも考慮されている。この“面”をさらに分かりやすくいうと、シートバックや座面に対して身体の接地面積を広くし低圧力化を図り、さらに均一な圧力分布、そして腰椎部をしっかりと保持することにある。

 しかもレカロの優秀なところは、旋回時も含めた動的状況に加え、静止状態でもテストした結果であるうえ、数時間後の状態も含めて総合的に検証している点。さらに8000回にも及ぶ乗降テストを行うというから審査基準は極めて厳しい。実際、レカロジャパンの営業車にも日常的なテストをする意味もあって装着しているというが、5年で20万キロ走行しても、なんら問題はないというから凄い。

 今回、Kカメラマンは、前回レポートした後、2000kmにも及ぶ長距離をこなしたが、その間、腰痛の症状は一切みられなかったと語る。ノーマルシートのときは、毎日どころか、30分も連続で乗っていられないと嘆いていたが、それがレカロにしてから解消されたと喜びを隠せない。

 「以前は、だらしない格好で運転していたことが今になって分かりました(笑)。レカロを装着した後、最初はほぼ直立したシートバックに少し違和感を覚えましたが、慣れてしまうともうやめられません。普段は、だいたい移動と撮影の連続ですが、このERGOMED-MVはサポート部がやや高めなのに乗降性が良いのも気に入っています」

 元々、口数が少ないKカメラマンが、さらに言葉を重ねる。

 「それに長距離を走って思ったのは、クッションの硬さです。これは後になって感じたことですが、適度なこの硬さは絶妙です。腰もそうですが、お尻も痛くなりませんでした。だから2000km連続で走っても、それほど苦に思いませんでしたね」

 これもレカロの特異性を物語る部分だ。純正品のようなフレームとバネで支えるのではなく、レカロは「面で支える」ことを主としているため、シートバックはもちろん、座面にも特殊なウレタンパッドを開発し、採用している。さらにその座面の長さも好印象の理由だ。従来のシートと比べれば一目瞭然だが、太ももにあたる部分は長く、そして高く設定されているため、自然と常に太ももと接触しているのだが、これが楽で疲労感を少なくしているのは明らかだった。

 「そういうのもあって、全体的に身体が包まれている感じにも効果があると思いました。エアランバーサポートもその膨らみを調整できるだけでなく、位置も上下変えられるので、長時間の運転で微妙に変えたくなったときに対応できるのも良いです」

 そう聞いていると、シートとは実に奥が深いとあらためて思う。骨盤の位置も重要だが、その他の部分にも細部に渡り設計されていることに頭が下がる思いだとKカメラマンは痛感している模様。今やレカロ無しで仕事は出来ないとまで言い始めている昨今である……。

問い合わせ/レカロコール 0800-919-5881

関連タグ

【キャンペーン】マイカー・車検月の登録でガソリン・軽油7円/L引きクーポンが全員貰える!

こんな記事も読まれています

レース終盤に突然荒れ出したGT500クラス決勝。トラブル、ハプニングまとめ/第2戦富士
レース終盤に突然荒れ出したGT500クラス決勝。トラブル、ハプニングまとめ/第2戦富士
AUTOSPORT web
小暮卓史「ホッとしています」。元嶋佑弥「タイヤがプッシュに応えてくれた」【第2戦GT300決勝会見】
小暮卓史「ホッとしています」。元嶋佑弥「タイヤがプッシュに応えてくれた」【第2戦GT300決勝会見】
AUTOSPORT web
うおおお魂動デザインのピックアップ! トライトンがありならマツダBT-50も入れてくれ!
うおおお魂動デザインのピックアップ! トライトンがありならマツダBT-50も入れてくれ!
ベストカーWeb
高星明誠「これで満足しない」。三宅淳詞「流れを崩さず準備していきたい」【第2戦GT500決勝会見】
高星明誠「これで満足しない」。三宅淳詞「流れを崩さず準備していきたい」【第2戦GT500決勝会見】
AUTOSPORT web
ベントレー・ベンテイガ 詳細データテスト 上質で広い 動力性能も操縦性もハイレベル 文句なく快適
ベントレー・ベンテイガ 詳細データテスト 上質で広い 動力性能も操縦性もハイレベル 文句なく快適
AUTOCAR JAPAN
初開催「RALLY三河湾2024」は大苦戦! それでも完走できたのは「OZホイール」のおかげでした【ゴスラリ参戦記】
初開催「RALLY三河湾2024」は大苦戦! それでも完走できたのは「OZホイール」のおかげでした【ゴスラリ参戦記】
Auto Messe Web
ニスモが1-2で富士を制圧。Niterra MOTUL Zの三宅淳詞がデビュー2戦目で初優勝【第2戦GT500決勝レポート】
ニスモが1-2で富士を制圧。Niterra MOTUL Zの三宅淳詞がデビュー2戦目で初優勝【第2戦GT500決勝レポート】
AUTOSPORT web
逆襲のヨコハマがワン・ツー。JLOCランボルギーニが独走ポール・トゥ・ウイン【第2戦GT300決勝レポート】
逆襲のヨコハマがワン・ツー。JLOCランボルギーニが独走ポール・トゥ・ウイン【第2戦GT300決勝レポート】
AUTOSPORT web
前年比10パーセント増。ゴールデンウイークの富士スピードウェイ、スーパーGT第2戦に8万8000人が来場
前年比10パーセント増。ゴールデンウイークの富士スピードウェイ、スーパーGT第2戦に8万8000人が来場
AUTOSPORT web
オススメできない理由がない! 新型フォルクスワーゲン・ティグアンへ試乗 アウディに見劣りしない車内
オススメできない理由がない! 新型フォルクスワーゲン・ティグアンへ試乗 アウディに見劣りしない車内
AUTOCAR JAPAN
「プロテクションフィルム」を貼ると査定は下がる!? プロショップに聞く最新フィルム事情とは
「プロテクションフィルム」を貼ると査定は下がる!? プロショップに聞く最新フィルム事情とは
Auto Messe Web
【正式結果】2024年スーパーGT第2戦富士 決勝3時間後
【正式結果】2024年スーパーGT第2戦富士 決勝3時間後
AUTOSPORT web
アルピーヌF1、予選Q2ダブル進出。ガスリーが進歩実感の一方でオコンにエンジントラブル発生「決勝は大丈夫なはず」
アルピーヌF1、予選Q2ダブル進出。ガスリーが進歩実感の一方でオコンにエンジントラブル発生「決勝は大丈夫なはず」
motorsport.com 日本版
メルセデス、2台がSQ2で敗退「実験のせいでなくこれが実力」「アップデートが機能していない」F1第6戦スプリント予選
メルセデス、2台がSQ2で敗退「実験のせいでなくこれが実力」「アップデートが機能していない」F1第6戦スプリント予選
AUTOSPORT web
【速報!マイアミGP予選 】F1第6戦、角田裕毅は10番グリッドから決勝にのぞむ、ポールポジションはフェルスタッペン
【速報!マイアミGP予選 】F1第6戦、角田裕毅は10番グリッドから決勝にのぞむ、ポールポジションはフェルスタッペン
Webモーターマガジン
FP1をスピンで失ったルクレールがスプリント予選2番手「シングルラップ改善の努力が報われた」フェラーリ/F1第6戦
FP1をスピンで失ったルクレールがスプリント予選2番手「シングルラップ改善の努力が報われた」フェラーリ/F1第6戦
AUTOSPORT web
「異端児」の有終の美 TVR T 400R トップギアの映像で内装を再現 ナンバー付きGT1ル・マン・マシン(2)
「異端児」の有終の美 TVR T 400R トップギアの映像で内装を再現 ナンバー付きGT1ル・マン・マシン(2)
AUTOCAR JAPAN
ちょっと「度を超えた」挑戦? TVR T 400R 346km/hのタスカン ナンバー付きGT1マシン(1)
ちょっと「度を超えた」挑戦? TVR T 400R 346km/hのタスカン ナンバー付きGT1マシン(1)
AUTOCAR JAPAN

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

150.0185.3万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

35.8175.0万円

中古車を検索
サクシードの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

150.0185.3万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

35.8175.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村