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SUV王者に黄色信号!? トヨタ「C-HR」前年比7割 マイチェン経ても復活しないワケ

掲載 更新 30
SUV王者に黄色信号!? トヨタ「C-HR」前年比7割 マイチェン経ても復活しないワケ

■奇抜なデザインで話題となった「C-HR」も世代交代の時期か

 近年、日本のSUV市場ではコンパクトSUVのトヨタ「C-HR」が販売好調でした。しかし、直近の販売状況ではかつてほどの勢いが見られません。登場時には奇抜なデザインで話題となったC-HRに何が起こったのでしょうか。

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 日本自動車販売協会連合会が公表した2019年度(2019年4月から2020年3月)の登録車販売台数において、C-HRは全体16位の4万8940台(前年比68%)を記録しています。

 注目したいのは、前年比68%という数字です。この数字は、車種によって異なるものの売れ筋SUVとしては低いといえます。

 とくに、C-HRは2019年10月にマイナーチェンジを実施。外観デザインの変更や安全・快適装備の充実などのほかに、1.2リッターターボ車に6速MTの追加や、スポーティモデルとして「GR SPORT」を新設定するなど、商品力を向上させているのです。

 このマイナーチェンジは、C-HR最大のライバルとされるホンダ「ヴェゼル」が、2019年1月に走りを意識した新グレードとなる1.5リッターターボ車「TOURING・Honda SENSING」を追加したことが影響していると思われます。

 さらに、トヨタのSUVとして2019年4月に発売されたミドルサイズSUV「RAV4」の発売による影響を考慮したものと見られていました。

 しかし、実際にはマイナーチェンジの翌月にダイハツ「ロッキー」のOEMとして発売されたトヨタ「ライズ」の登場を前に、C-HRの商品力にテコ入れしたいという思惑もあったのではないでしょうか。

 ライズは、C-HRよりも小さな全長4m以下かつ1リッター車という扱い易いサイズに加えて、販売好調なRAV4のアクティブなデザインに寄せたモデルです。

 その結果、発売の11月に7484台で登録車4位を皮切りに、翌12月には登録車2位となる9117台、2020年1月(1万220台)、2月(9979台)と2か月連続で登録車1位を記録するほどの好調ぶりを見せました。

 これにより、冒頭の2019年度の販売台数ではC-HRに迫る全体17位の4万8809台を記録。なお、RAV4は同年度で全体12位の7万1539台を記録し、SUVジャンルで首位になっています。

 そのため、C-HRは同じトヨタのRAV4とライズの登場によって大きな影響を受けたのです。

 トヨタの全SUVを扱う都内の販売店スタッフは、次のように話します。

「現在、トヨタにはライズ、C-HR、RAV4、ハリアー、ハイラックス、ランドクルーザープラド、ランドクルーザーという多彩なSUVラインナップがあります。

 これまで、C-HRはトヨタのSUVをけん引するモデルとして存在していました。しかし、東京地区では2019年4月から全店舗で全車種が扱えることになり、同時期に新型RAV4が登場したことで、RAV4に販売が注力されました。

 そして、11月に扱いやすいサイズ感とウケの良いデザインで登場したライズが出てきたことで、販売現場ではこの2車種を押す形となりました。

 お客さまも2016年登場のC-HRと2019年登場の2車種を比較するとやはりモデルが新しい方をご希望されます。また、先日には今後発売が予定される新型ハリアーも発表されたことで、少なからずC-HRの販売に影響が出そうです」

■C-HRは「走り」を好む人に向いている?

 C-HRは、2014年9月に開催されたパリモーターショーにて、コンセプトモデルとなる「TOYOTA C-HR Concept」が公開されました。

 このモデルは、新世代コンパクトクロスオーバーのデザインスタディモデルとして、軽快さと力強さが大胆に融合したスタイリングを具現化したものです。

 2016年12月に量産モデルのC-HRが発売。従来、SUVといえば、悪路走破性や四輪駆動システム、オフロード感をイメージさせるデザインが求められていました。

 しかし、C-HRは世界のさまざまな道での走行テストや、欧州の一般道路でのハンドリングやショックアブソーバーのチューニングなどの走行性能にこだわり、開発コンセプトの「我が意の走り」を追求しています。

 また、C-HRの個性的なデザインについて、トヨタは次のように説明しています。

「コンパクトSUV市場は、他の市場に比べ内外装デザインを重視するお客さまが多いため、デザインにも徹底的にこだわっています。

 とくに、外観デザインは、デザイナーの想いをそのままの形で実現することを目指して開発。『センシュアル スピード-クロス』をキーワードに、スピード感あるキャビン形状・彫刻的な面造形・ダイヤモンドをモチーフに強く絞り込んだボディと大きく張り出したホイールフレアの対比など、独創的なスタイルを追求しているのです」

 このように、C-HRは激化するSUV市場において個性と需要のバランスを上手く保ったモデルとして登場していることがわかります。

 前出の販売店スタッフは、C-HRの魅力について次のように話します。

「C-HRは、RAV4やライズ、そして新型ハリアーなど後発の同社SUVに押されているのは事実だと思います。そのため、かつてほどの販売台数は厳しいかもしれませんが、C-HRには2019年のマイナーチェンジで追加されたMT車やGRスポーツなど、走りを意識したモデルが揃っています。

 元々、ほかのSUVとは違うコンセプトということもあり、C-HRが一定数の支持を受けていることには変わりはありません。

 実際、RAV4やライズを見に来られてC-HRに興味を持たれたお客さまもおりますので、トヨタのSUVラインナップで比較検討頂ければ、販売側としては嬉しい限りです」

※ ※ ※

 トヨタのSUVをけん引してきたC-HRですが、後発として新型モデルやフルモデルチェンジによる世代交代が起こっています。

 C-HRも近い将来にフルモデルチェンジをすることで、また最前線に返り咲くかもしれません。

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みんなのコメント

30件
  • 欲しい人に行き渡ったから、だろ
    メーカーもそれが分かってるから、
    前期型みたいに若者向けの訴求ではなく、
    後期型では熟年カップル向けみたいな
    訴求をしている
  • そんなにたくさん走って欲しい車でもない。あの顔ばかり走っててもお腹いっぱいになる。もう十分売れたでしょ。別に王者でなくてもいいんだよ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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