オンライン、無観客、2.5時間化など初モノだらけの大会
9月5日(土)、今年で31回目を迎える伝統あるレース「メディア対抗ロードスター4時間耐久レース」が筑波サーキットで開催された。
参加したのは全18チーム。ドライバーは、自動車メディアの編集者やジャーナリストたちだ。
新型コロナウイルス感染防止対策のため、一般来場はもちろん参加チームの会社や家族関係者もいないという初めての無観客大会となった。
そして、決勝のレース時間は4時間から2.5時間に短縮するなど、いろいろな意味で特別な大会となった今年、EDGEは昨年同様に姉妹誌カーセンサーとの合同チームで参戦した。
マシンは人馬一体感をグッと高めたNDロードスター
レースに使う車両は昨年同様、シリーズ4代目となるND型のロードスター。
市販車は軽量で素直なハンドリングが持ち味となる、世界中で人気のライトウェイトスポーツ。まさに走らせることが楽しい、EDGEが効いた国産モデルの代表選手ということで異議なし!
それをさらに軽量化して足回りを固めた仕様ともなれば、実際に乗ったドライバーが口を揃えて「扱いやすい」と言うのもうなずける。
そして、すべてのチーム車両がまったく同じ仕様。つまり、戦略とドライバーの腕の差がそのまま順位の差となって現れることになるのだ。
―競技車両の主な仕様―・マツダ製専用ロールバー・ビルシュタイン製車高調整機構付きダンパー・エンドレス製専用ブレーキパッド・ブリッド製専用フルバケットシート(助手席レス)・CUSCO製レーシングハーネス6points FHR(HANS専用)・ブリヂストン製タイヤ「POTENZA Adrenalin RE004」(195/50R16)
今年も暑い、そして熱い戦いが繰り広げられた
給油なしの2.5時間耐久となろうともわがカーセンサー/EDGEチームの戦略は昨年同様、まったくブレない無欲な「完走」である。
周りが勝手に自滅してくれれば、自動的に順位が上がるという他力本願な戦略はいつものとおり。
完走プランは、第2走者までは5000回転以内で周回し続ける低燃費走行、第3走者は周りの状況合わせのなりゆきとしておき、最後の第4走者で燃料残と相談しながら勝負をかけるというもの。
というか、圧倒的に速いドライバーもいなければ、経験値が飛び抜けているベテランもいないメンバー構成では、作戦らしい作戦が立てられないと言った方が正解だろう。
予選もバカッ速い他チームのエース相手ではまったく歯が立たず、ビリ。 18チーム中、18番手というプレッシャーの全くかからない位置からの優雅なスタートとなったものの、レースが始まると上位陣から下位に向けて、さみだれ式に目まぐるしく順位は入れ替わっていった。
前半の周回タイムは、飛ばし気味のチームで1分14秒前後、抑えて走っているチームで1分18秒前後といった感じでバラけていたが、そのうち各チーム1分16秒前後に収まっていくようなレース展開となった。
初の2.5時間耐久いうことで、上位入賞を狙うチームはペースを上げたり下げたりしながらライバルの出方や反応を見ている様子がうかがえる。
そんな高等な駆け引きが繰り出されている中、淡々と無策で走り続けるカーセンサー/EDGEチームは、着実に順位アップしていたのだ。 ところが、第3走者の時間帯に周りのチームが一斉に動き出す。
今までの周回タイムを2~3秒近く縮めてきたのだ。あれよあれよという間に順位はグングン落ちていく。さらに燃料計の針もグングン落ちていく……。
最終ドライバーがスタートする頃には、ビリから数えた方が早いといった順位に。 ただ、やはりドラマは待っていた。レース終盤に差し掛かったあたりで、上位数チームの周回タイムが劇的に遅くなってきたのだ。飛ばしすぎてしまったチームの燃料が尽きてきたのだ。
完走しなければ失格となるレースでは、順位を落としても走り切らなくてはならない。
そういった走り方に切り替えているチームが続出する中、じわじわと差を詰めていくわがカーセンサー/EDGEチーム。
とはいえ、ウチも燃料がたっぷり残っているわけではないので、走行ペースは変えられない。
あと数分でチェッカーフラッグが出るというタイミングで、ドライバーからは「何台も止まっているチームがある」「燃料警告灯が点灯している」「ヤバい、止まるかも」という矢継ぎ早な報告が入る。
もうひと踏ん張りすれば順位を上げられそうだが、それだけの燃料と時間が残っているハズもない。
ピット内では「もうアクセル全開で行けるだろ?」「いやいや、ここで踏んだらガス欠じゃね?」と意見が割れる中、ついにチェッカーフラッグが振られ、カーセンサー/EDGEチームは完走を果たした。
結果は18台中15台が完走。カーセンサー/EDGEチームは110周で15位だったが、終わってみれば同一周回数に3チーム、トップチームとも3周の差しかなかったことから、思っていた以上にかなりの接戦だったのだ。
今年は初モノづくしとなった異例の大会となったが、コロナ禍でもレース開催に向けて尽力した主催者およびマツダと協賛メーカー、そして参戦したメディア編集者たち全員によって、記憶にも記録にも残る大会となった。
―上位3チーム―1位:TIPO/Daytona NEKO RACING TEAM2位:J-WAVE J-WAVE Racing3位:carview!/みんカラ カービュー 文・写真/編集部
メディア対抗ロードスター4時間耐久レース公式HPレースレポート動画(マツダ公式HP)
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