スポーツバックとセダンを設定。主力は1リッター48VマイルドHV
最新4thアウディA3が上陸した。A3は、1996年の誕生以来、四半世紀にわたって世界で多くのユーザーの支持を集めるプレミアムコンパクトだ。
新型のラインアップはほぼ従来どおり。ボディタイプは、スポーツバックと呼ぶ5ドアハッチバックと4ドアセダンの2種。それぞれ1リッター直3(110ps)を積むFFの30TFSI、2リッター直4(190ps)を搭載した4WD(クワトロ)の40TFSI、そしてハイパワー2リッターターボ(310ps)+4WDのS3をラインアップする。
「最新モデル試乗」隠れた実力モデルという噂! 各部洗練、マイルドハイブリッドに進化したアウディQ5・40TDI
ボディサイズはスポーツバックが全長×全幅×全高4345×1815×1450mm。セダンは同4495×1815×1425mm。セダンの全長が150mm長いのは、リアのオーバーハング延長分だ。
セダンの独立したトランクスペースは「広大」という表現を使いたくなるほどの大空間。フロア部分に段差は残るが、後席シートバックを前倒しできるトランクスルー機能を備え、長尺物の積載も余裕でOKだ。なお、A3のランニングコンポーネンツは、よく知られるようにVWゴルフとほぼ共通である。
プレミアムを実感する作りと走り。すべてが気持ちいい
試乗車は、最もベーシックなパワーユニットを積む、30TFSI系。スポーツバック、セダンともに日本発売を記念して設定された1stエディションだった。事実上のフルオプション車である。
乗り込むとさすがにプレミアム感が濃厚だ。パワーユニットを見れば「3気筒エンジンの1リッター車」だが、車格をエンジン排気量や気筒数で表す時代は終わったことを実感する。
フロントフードは立派なダンパーを装備し、片手で軽々と開閉が可能。コストダウンを連想させる「つっかえ棒」へと置き換えられ、フードがあまりにも重いことに驚かされたゴルフVIIIとは違う。A3は細部まで丁寧に仕上げられている。こうした部分でもプレミアム性の違いを認識させられた。
インテリアは上質。新型の見どころのひとつだ。A3は「デジタル化」が積極的に推進され、結果としてこれまで以上にシンプルでクリーンな雰囲気にまとめられた。その一方で「光りもの」を巧みに活用。アウディ車ならではのプレミアム感を感じさせてくれる。
メーターフード両端には独立した吹き出し口がレイアウトされ、パッセンジャー側もグローブボックス上部に空調ベゼルを内蔵。顔の周辺に新鮮な空気の流れが感じられ好印象だった。
ワンタッチで操作したい空調操作系は、物理的なスイッチとしてセンターディスプレイ下に残されたのもうれしい。さまざまな機能をアイコンとして画面内に集約し、フェイスレベルの空調吹き出し口の高さが低くなったゴルフVIIIに比べると、A3はユーザーフレンドリーである。
パフォーマンスは気持ちいい。見た目とは裏腹に、スポーツバックとセダンの重量差はわずかに10kg。実際その動力性能は両車で同様である。7速DCTとのコンビネーションがもたらす微低速時からの滑らかさも含め、実用上の不満はまったくない。
0~100km/h加速が10.6秒というデータが示すように決して俊足とはいえないものの、よく走る。滑らかなサスストローク感が印象的なフットワークも、見た目の印象にふさわしい上質感を味わわせてくれた。
静粛性は総じて良好。中でも、外部からのノイズの遮断性が素晴らしく高い、と感じられた点は特筆に値する。ただし、ファーストエディションの特別アイテムとして装備する18インチタイヤが、ロードノイズに対して多少の「悪さ」をしている印象は感じた。
条件が揃えば単なるコースティングに留まらず、40~160km/hの範囲で最大40秒までエンジンを停止するという、48Vマイルドハイブリッドシステムがもたらす制御はスムーズ。端的にいって、ドライバーが「走行中のエンジン停止」を実感することは困難だろう。停車状態からのリスタート時に、ショックはもちろん、さしたるノイズもなく「プルン」と始動するアイドリングストップ機能も含め、このあたりの所作はプレミアムモデルにふさわしい完成度だった。
A3は、フルモデルチェンジで「いいモノ感」が一気に増した。新型もプレミアムコンパクト・セグメントを牽引する存在であることは間違いない。
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みんなのコメント
トランクもこっちの方が広いのは意外やね