輸入車の新車登録 7月は全体では減
text:Naojiro Onuki(大貫直次郎)
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輸入車の新車販売は、新型コロナウイルス感染拡大の余波から次第に回復しつつあるようだ。
7月の外国メーカー車の新規登録台数は、前年同月比17.8%減の1万8451台と、10か月連続で前年実績を下回った(日本自動車輸入組合:JAIAまとめ)。それでも、5月の同46.4%減、6月の同31.9%減と比べて、マイナス幅は縮小している。
また、日本メーカー車を含んだ結果でも、同22.5%減の2万841台と10か月連続でのマイナスとなったが、やはり5月の同45.0%減、6月の同28.9%減と比べてマイナス幅は小さくなった。
輸入車市場の動向についてJAIA関係者は、「7月期の外国メーカー車の新車販売は、前2か月に比べてマイナス幅が縮小し、新型コロナウイルスの影響による最悪の状況から脱しつつある。とくに、7月以降はディーラーへの客足が戻り、また一部ブランドが展開するオンライン販売も徐々に成果を上げ始めている」と指摘する。
今後の展開に関しては、「新型車や特別仕様車の発売、販売キャンペーンの展開など、今後いっそう積極化される予定なので、回復基調が続く可能性は十分にある」と期待を示す。
一方で、「止まらない新型コロナウイルスの感染拡大、そして一部ブランドでの需給ギャップなどは注視していく必要がある」と分析した。
ギャップをなくせ コロナ禍の需給
外国メーカー車の7月期のブランド別成績では、メルセデス・ベンツが前年同月比10.4%減ながら唯一4000台オーバーの4623台の新規登録を記録。65か月連続でのトップに輝く。
続く第2位には、同28.4%減(2537台)を記録したフォルクスワーゲンが、前月から1ランクアップで位置。前月第2位のBMWは、同27.1%減(2498台)で第3位に陥落した。
そして第4位には、同7.5%の1桁減(1670台)に抑えたBMWミニがランクイン。前月第4位のアウディは、前年の数字が悪かったこともあって同3.7%増を達成したものの、登録台数自体は1476台にとどまって第5位に甘んじた。
トップ5以外の外国メーカー車の7月期成績では、大半が前年同月比で2桁減を記録。
好調を維持していたスポーツカーブランドのポルシェ、フェラーリ、ランボルギーニなども、新型コロナウイルス感染拡大の影響でマイナスに転じる。
そのなかで健闘したのが、需給状況がうまくかみ合ったボルボとフィアット、そして高級車ブランドのロールス・ロイスだ。
フィアットは前年比10%増
ボルボは前年同月比1.2%増(1310台)、フィアットは同10.4%増(393台)をともに記録。
ロールス・ロイスは、同20.0%増の18台という前年実績超えを成し遂げる。
また、ジープは同7.4%減(1000台)、シトロエンは同7.4%減(352台)、ベントレーは同4.0%減(48台)と、1桁減に抑えた。
ここ数か月は比較的好調だった日本メーカーの輸入車も、今月は新型コロナウイルス感染拡大の影響を大きく受ける。
最大の要因は現地工場の一時生産停止で、ホンダのシビック・タイプRのように発売スケジュールを延期するモデルもあった。
結果として日本メーカー車は、トヨタが前年同月比61.5%減(625台)、日産が同10.6%減(750台)、ホンダが同65.2%減(398台)、三菱自が同6.5%減(303台)、スズキが同37.8%減(252台)、マツダが同46.1%減(62台)と、大きく数字を落とす。
ただし、現地での生産は順次再開しており、また日産キックスなど多くの受注を抱えているモデルもあることから、8月以降は復調が期待できそうである。
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