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BMW 8シリーズ、ル・マンで発表 まずはM850i/840dを投入

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BMW 8シリーズ、ル・マンで発表 まずはM850i/840dを投入

もくじ

ー V8ガソリンと直6ディーゼルを用意
ー 911のパフォーマンスとSクーペの高級感
ー スポーツカーらしいV8サウンド
ー 筋肉質なルックス 高級な内装
ー 番外編 同じ名前、異なるミッション

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V8ガソリンと直6ディーゼルを用意

BMW8シリーズ・クーペはポルシェ911のパフォーマンスとメルセデス・ベンツSクラスの高級感を両立しているようだ。

1999年に姿を消した8シリーズという名称が復活した。これはBMWのスーパーラグジュアリー市場への参入を印象付けるモデルだ。グローバルプロダクトマネージャーのサラ・レスマンはいう。「スポーツカーのあるべき姿を定義しました。このプロジェクトはスポーティカーではなく、真のスポーツカーの開発を目的としています」

今月中に発売される8シリーズにはふたつのバージョンが用意される。上位版となるM850i xDriveには、4.4ℓV8ガソリンエンジンが搭載され、530ps、76.6kg-mを発揮する。0-100km/hの加速を3.7秒でこなし、最高速度はリミッターにより250km/hとなる。

このV8エンジンは多くの点が見直され、大型化されたツインスクロールターボなどにより今までよりも68ps増強されている。

もうひとつのバージョンは3.0ℓ直6ディーゼルを搭載する840d xDriveだ。これは320ps、69.3kg-mで、0-100km/hは4.9秒だ。

911のパフォーマンスとSクーペの高級感

両モデルともに8速オートマティックを採用し、加速性能を重視しギア比が高められている。また、4WDのxDriveシステムは後輪駆動をベースとしており、通常時はすべてのパワーが後輪に伝えられる。

BMWは、8シリーズのパフォーマンス志向はメルセデスのSクラス・クーペとポルシェ911の隙間を埋めるものだと考えている。

「8シリーズには非常に幅広い競合がいます。しかし、そのうちのひとつだけを対象とするべきではないと考えました」とレスマンはいう。

「(Sクラスと911には)大きなギャップがありますが、8シリーズは単にその中間でいるべきではないと考えました。その両者の良いところを持つのです。パフォーマンス面では911に近いものがありますが、それと同時にSクラスのラグジュアリーさを持ち合わせています」

このクルマは事実上6シリーズ・グランクーペを2ドア化して置き換えたものだ。しかし、レスマンはこのクルマはその後継でも7シリーズのクーペ版でもないと主張する。「6シリーズは5シリーズの派生版です。しかし、8シリーズはデザイン面でもパフォーマンス面でも独立したモデルとして設計しています」

「スポーツカーを定義するため、いちからの開発をおこないました」

スポーツカーらしいV8サウンド

このクルマはM8や耐久レース仕様のM8 GTEの存在を強調するため、ル・マン24時間での発表が行われた。

レースカー譲りのダブルウィッシュボーン式フロントサスや、リアには5リンク式がおごられた。M850iの20インチのホイールには専用開発のブリヂストン製タイヤ(前245/35R20、後275/30R20)を装着する。他にも、電子制御ダンパー、新xDriveシステム、可変パワーステアリング、リミテッドスリップデフなどが特徴だ。さらに、395mmのブレーキが装備される。

レスマンはV8エンジンとMスポーツ・エグゾーストシステムにより「非常にスポーティなサウンド」を発生するという。「スポーツカーらしいサウンドというだけではなく、本当のV8サウンドです。サウンドジェネレーターによるものではありません」

840dには標準で18インチのホイールが装着されるが、オプションで19または20インチも選択可能だ。アクティブクルーズコントロールなどの運転支援装置も標準で装着される。レーンキーピングアシストなどはドライビング・アシスタント・プロフェッショナルというパッケージで選択できる。

8シリーズの全長は4843mm、ホイールベースは2822mm、全幅1902mm、全高1341mmだ。荷室容量は420ℓが確保されている。このモデルのデザインにはBMWの新デザイン言語が用いられており、よりモダンかつエモーショナルなルックスを得ている。レスマンによれば、デザインの要素の一部は1970年代のスポーツカーから得られているという。

筋肉質なルックス 高級な内装

このクルマのデザインで目につくのは、大型化されたキドニーグリルやBMW車でもっともスリムなヘッドライトだろう。これに合わせテールライトも細くなっている。さらに、筋肉質な側面と、「ダブルバブル」と呼ばれるルーフのくぼみが特徴だ。大型のフロントおよびリアスポイラーにより、グリップが向上している。

車内では、8シリーズ専用のシートが与えられている。12.3インチのメーターディスプレイや、10.25インチのタッチスクリーンが標準装備される。さらに、BMW製のヘッドアップディスプレイが加わる。タッチパネル、ボイスコントロール、ジェスチャー、またはiDriveコントローラーによって操作することができる。

インテリアはクリーンなデザインで構成され、若干ドライバーの方を向いた形となっている。これは「スポーツカーには重要な特徴です」とレスマンはいう。またプレミアムカーらしい質感のため、各所に本革が使用されている。オプションでダイヤモンドカットのガラス製ギアレバーなども装着される。

BMWは追加されるエンジンについて明かしていないが、マイルドハイブリッド版が検討されているようだ。将来のモデル展開については検討中とのことだが、グランクーペやカブリオレが投入される可能性は高い。

8シリーズの価格は840dで7万6270ポンド(1121万円)から、M850iでは10万45ポンド(1470万円)からとなる。

番外編 同じ名前、異なるミッション

BMWが8シリーズという名称を使うのはこれが2度目だ。

1989年から1999年にかけて生産された初代も、プレミアムマーケット向けの最高級2ドアクーペだった。しかし、今回はその後継ではないという。

初代8シリーズはトラクションコントロールや、速度感応式パワーステアリングなどの当時の最先端技術を搭載していた。最上位の850iには5.6ℓV12を、エントリーグレードにはV8を搭載していた。しかし、10年間で3万台程度しか販売されなかったのだ。

サラ・レスマンはいう。「以前の8シリーズはスポーツカーというよりも、BMWの先端技術の見本のようなクルマでした」

この名称を使った意味は、以前の8シリーズに似せるというよりも8という数字にあるようだ。「BMWの歴史において、8というのは特別なプロジェクトに使われます。8シリーズ、Z8、i8などがあてはまります」

「8シリーズは斬新で、ラインナップの中でも何かに秀でたモデルにぴったりの名称です」

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