■懐かしの軽スポーツ5選
いま日本で一番売れているクルマは軽自動車です。2018年の乗用車ブランド別販売台数ランキングではトップ10のうち7台が軽自動車となっています。
軽自動車販売トップのホンダ「N-BOX」と2位スズキ「スペーシア」 燃費から装備まで徹底比較
軽自動車のなかでも、ホンダ「N-BOX」やスズキ「スペーシア」といったハイトワゴンがとくに売れています。
そうした背景もあり、軽自動車のラインナップはワゴン、ハイトワゴンが大多数となり、スポーツ系はホンダ「S660」、ダイハツ「コペン」、スズキ「アルトワークス」くらいになってしまいました。
かつてはスポーツ系の軽自動車を各社ラインナップして、お互い競っていた状況も。そこで、すでに販売を終了した軽スポーツのなかから5車種をピックアップして紹介します。
●マツダ「AZ-1」
1989年に設立されたマツダの販売チャネル「オートザム」で販売された軽スポーツが「AZ-1」。1992年に発売された2シーターのクーペで、「AZ-1」最大の特長といえばガルウイングドアです。
ルーフ部分にヒンジがありドアを真上に跳ね上げるタイプの、まさに「カモメの翼」のような開き方をします。
エンジンはスズキ製のDOHC直列3気筒ターボで、これをリアミッドシップに搭載。出力は軽自動車上限の64馬力で、車体の外板の多くをFRPとして軽量化を施し車重は720kgとなっており操縦性は、かなり尖っていて「ジャジャ馬」という表現がぴったりのクルマでした。
バリエーションは、1グレードのみでしたが「マツダスピードバージョン」が特別仕様車として追加されています。また、「AZ-1」はスズキにも供給され「キャラ」という車名でも販売されました。
バブル景気も終了し、価格が149万8000円と当時としては高額だったため、わずか3年という期間で生産を終了。いまでは中古車市場でプレミアム価格となり、高値で取引されています。
●ホンダ「ビート」
ホンダ「ビート」は、1991年に発売されたオープン2シーターです。ルーフは、樹脂コーティングされた布製の幌を採用して手軽にオープンにでき、内装のデザインもゼブラ柄のシートとするなど、ポップなイメージとなっていました。
エンジンは、「アクティ」や「トゥデイ」で実績のあったSOHC直列3気筒をリアミッドシップに搭載。自然吸気ながらライバルと同様に64馬力を発揮し、3連スロットルにより優れたアクセルレスポンスを誇りました。
また、ブレーキのタッチや、シフトフィーリングも秀逸で、当時のホンダのエンジニアいわく「ビートは軽自動車ではない」と、中身は軽自動車の水準を大きく超えていた作りになっています。
ATこそなかったものの、特別仕様として「バージョンF」「バージョンC」「バージョンZ」を発売するなど、バリエーションは豊富。
1996年まで生産され現在でも現存数は多く、2017年にはホンダが純正部品の再生産を始めたことが話題になりました。
■軽自動車の枠を超えた作りだった「カプチーノ」
●スズキ「カプチーノ」
ホンダ「ビート」と同じ1991年に発売されたスズキ「カプチーノ」。ルーフ上部は、3ピース構造で取り外すことができ、リアウィンドウ部分も格納できたので、フルオープンやTトップなど4形態のルーフが楽しめます。
エンジンは、DOHC直列3気筒ターボで、これをフロントに縦置きに搭載してリアを駆動するFRとなっていました。
また、ルーフやボンネット、リアフェンダーなどをアルミ製として軽量化を図り、車重は700kgと軽さも特徴です。
さらに足回りでは、前後ダブルウイッシュボーンとするなど、当時の軽自動車とは一線を画するメカニズムで、運動性能も高く、「ビート」がマイルドな操縦性なのに対し「カプチーノ」はFRスポーツとして振り回す楽しさが味わえました。
生産は、1998年までの7年間と長く「ビート」と同様に現存数も多く、中古車でも手に入れやすいモデルとなっています。
●スズキ「フロンテクーペ」
1960年代に軽自動車市場ではホンダ「N360」の発売に端を発したパワー競争が勃発していました。当時の軽自動車は360ccという排気量で、「N360」は31馬力を発揮。それに追いつけ追い越せと、各社一気にパワーアップを図りました。
そして、360ccで36馬力から40馬力が標準になると今度はスペシャルティカーが登場して、ライバルに対して差別化を推し進めます。
そうした背景のなか、スズキは1971年に2ボックスタイプの「フロンテ」をベースに、「フロンテクーペ」を発売。
ベースの「フロンテ」同様にリアに2サイクル3気筒エンジンを搭載しリアを駆動するRRに。出力は37馬力を誇ります。
500kg弱という軽量な2+2もしくは2シーターボディに、ハイパワーなエンジンを搭載していたことで、見た目も走りも本格的な軽スポーツカーとなっていました。
1976年に軽自動車規格の改定があり、車体寸法の大型化と排気量が550ccになるのに合わせて「フロンテクーペ」は生産を終了しますが、デザインを踏襲した「セルボ」にバトンタッチすることになります。
■発売されなかった幻のモデルホンダ「スポーツ360」
●ホンダ「スポーツ360」
1962年の「第9回全日本自動車ショー」のホンダブースに真っ赤で小さなオープンカーが展示されていました。車名は「スポーツ360」で、来場者の目を釘付けにしたといいます。
同ショーでは、他に軽トラックの「T360」と「スポーツ500」が展示され、このどれかがホンダ初の4輪車になることが決まっていました。結果、「T360」がホンダ初の4輪車として発売され、続いて「S500」を発売し、「スポーツ360」は発売には至りませんでした。
その理由は、クルマの輸入自由化を1963年の春をめどとし、国際競争力強化のために自動車会社の再編を行ない、統廃合や新規参入の制限をするという法案(特定産業振興臨時措置法案:特振法)の施行が迫っていたため、ホンダは早急に普通乗用車を発売するしかなかったということです。
結局、特振法は廃案となりますが、「スポーツ360」は発売されることなく幻のモデルになってしまいます。
その後の「スポーツ360」は廃棄されたのか行方不明となり、ホンダも所蔵していませんでした。そこで、ホンダの有志により「スポーツ360」の復刻プロジェクトが立ち上がり、東京モーターショー2013での展示に向け動きました。
復刻にあたり図面も一部が失われたなか、写真やOBの証言など断片的なものをつなぎ合わせ完成に至り、エンジンは「T360」のDOHC直列4気筒を流用し、ボディも一部残っていたパーツ以外は新規で制作したといいます。
こうして復刻した「スポーツ360」は東京モーターショー2013のホンダブースで「S660コンセプト」と共に壇上に展示され、再び来場者の注目を浴びることになりました。
※ ※ ※
今では希少となった軽スポーツカー。今でも一部のクルマ好きでは、「AZ-1」、「ビート」、「カプチーノ」の頭文字を取って「ABCトリオ」と呼ばれるほど人気のクルマたち。今後も軽くて楽しい愛される軽スポーツが出ることに期待したいところです。
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