スペインのカタルニア・サーキットでスタートした2020年のF1プレシーズンテスト。フェラーリのシャルル・ルクレールは初日の走行を終えて総合11番手に沈んだが、それはチームがテストに対するアプローチを変えたからだと明かした。
元々、初日の走行を担当するのはセバスチャン・ベッテルの予定だった。しかしベッテルは体調不良を訴え、ルクレールは朝6時45分に初日のテストを担当するよう言われたという。
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そのルクレールは1日で131周を走破したものの、タイムは11番手に沈んだ。この日のトップタイムを記録したルイス・ハミルトン(メルセデス)よりも柔らかいC3タイヤを履きながら、1.3秒以上もの差をつけられたのだ。
昨年のプレシーズンテストではベッテルがトップタイムをマークし、ルクレールも2日目にトップタイムをマークしているだけに、今季は対照的な滑り出しとなった。
ただ、プレシーズンテストで好調だったフェラーリが、そのまま昨シーズン序盤を支配したわけではない。メルセデスの後塵を拝し、シーズン初優勝はレッドブルにも先を越された。
そうした背景もあって、フェラーリは今回のテストで、意識的にパフォーマンスを抑えているとルクレールは認めた。
「もちろん、僕たちは昨年と比べてアプローチを少し変えたと思う」と、彼は話した。
「昨年はテストでは素晴らしかったけど、開幕戦では少し遅れていた」
「僕たちはいくつかの学びを得たと思う。今年は、テスト最初の数日間は自分たち自身の作業に集中してできるだけクルマのことを学び、もう少し後でパフォーマンスに関する作業に焦点を移すことにしたんだ。それが報われるかどうか見てみよう」
ルクレールは、テスト初日の作業内容が『ファクトリーでの開発とトラックでの実走データの相関関係』に関するものが多かったと明かした。彼は、エンジニアにとっては意味のある作業だったものの、ドライバーにとっては新車の競争力があまり分からなかったと付け加えた。
「僕たちはクルマをプッシュしなかったけど、僕はできる限りこのクルマをよく知ろうと自分自身を追い込んでいた」
「僕たちがそうやって多くの周回を重ねるほど、開幕戦のメルボルンに着いた時の自信が増すんだ」
「ドライビングの面では、多くのことを学んだ。今日実施した様々なテストは非常にポジティブだったと思う」
フェラーリの新車『SF1000』は昨年のSF90-Hよりもダウンフォースを重視して開発されたマシンだが、その目標を達成できているのかと訊くと、ルクレールは次のように答えた。
「現時点で、それを考えるのは非常に難しい。もちろん、コーナーでは非常に速く感じるが、違う年のマシンを比較するのは常に難しいことなんだ」
「タイヤが適切な作動温度領域に入る、開幕戦が良いベンチマークになると思う。今はまだとても寒い。ダウンフォースはタイヤに大きな影響を与えるから、タイヤを適切なウインドウに入れられるようなエアロがあるかどうかが重要だ。そして今のところ、それをちゃんと知ることはできないので、自分たち自身のことに集中する」
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