アヴェンタドール10年の歴史のフィナーレを飾る限定モデル
エコや環境問題が声高に叫ばれる昨今、自然吸気の大排気量マルチシリンダーエンジンは絶滅の危機に瀕している。そんな絶滅危惧種なエンジンを持つクルマの1台にランボルギーニ・アヴェンタドールがある。2011年にデビューしたアヴェンタドールは、6.5リッターの自然吸気V12をミッドシップに搭載するが、登場からすでに10年が経過し、2022年には後継モデルが登場すると言われている。そしてその後継モデルはPHEVになるというのがもっぱらの噂だ。つまり、ランボルギーニで自然吸気の大排気量マルチシリンダーエンジンを純粋に楽しみたいのであれば、アヴェンタドールが最後のチャンスなのだ。
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そしてついにその時が来た。7月7日、ランボルギーニは正式に「ランボルギーニV12自然吸気エンジン搭載ラストモデル」として、ランボルギーニ・アヴェンタドールLP780-4 Ultimaeを発表した。そう、ランボルギーニ自身が、アヴェンタドールの後継モデルは、V12を搭載する純粋なガソリンエンジン車ではないことをアナウンスしたのだ。
そんなランボルギーニ・アヴェンタドールLP780-4 Ultimaeが、7月29日、東京・六本木にある「THE LOUNGE TOKYO」で日本初お披露目された。これまでのアヴェンタドール各エディションの特徴を最終モデルとしてひとつに凝縮したようなモデルで、かつてのニュル北コース市販車最速ラップ記録保持車であるSVJさながらのパフォーマンスとアヴェンタドールSの洗練されたエレガントさを併せ持つ限定モデルとなっている。
エクステリアでもっとも特徴的なのは、これまでのモデルにあった大型のリヤウイングが、アヴェンタドールLP780-4 Ultimaeでは設定されず、ボディ本来の美しさを楽しめるシンプルな造形になっていることだろう。
ランボルギーニ・アヴェンタドールLP780-4 Ultimaeに搭載される6.5リッターV12エンジンは、最高出力780馬力、最大トルク750N・mを発揮。カーボンファイバーモノコックや広範囲にわたってカーボンファイバーの使用されたボディやインテリアにより1550kgという軽量な車両重量もあいまり、0-100km/h加速は2.8秒、最高速度は355km/hを実現している。
メカニカル面でも、アヴェンタドールSで導入された4WSを採用し、横方向の制御を最適化。低・中速域での敏捷性と高速域での安定性を両立した。また、より多くのトルクをリヤに配分するように設定されたフルタイム4WDとの組み合わせにより、歴代モデルで最高クラスのドライビングダイナミクスを実現している。
エクステリアのカラーリングは、ランボルギーニの職人が40時間以上をかけて手作業した、まるで芸術品のような仕上がり。カーボンファイバーや超軽量素材を多用したインテリアには、Y字型のモチーフが至るとことにレーザーで細かく彫り刻まれている。
ランボルギーニ・ジャパンの代表であるダビデ・スフレコラ氏は、自然吸気のV12エンジンのみを搭載するモデルが、Ultimaeで終わってしまうことに複雑な心境だとしながらも「Ultimaeはその完璧な美しさで、驚くべき成功を収めたアヴェンタドールシリーズの有終の美を飾ることでしょう」と誇らしげに語ってくれた。
ランボルギーニ・アヴェンタドールLP780-4 Ultimaeは全世界でクーペ350台、スパイダー250台の計600台が限定販売。1963年の350GTVから始まったランボルギーニV12の歴史は、このモデルでひとつの節目を迎えることになる。
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