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24kWhのバッテリー搭載 BMW X5 xドライブ45eに試乗 PHEV 一歩EVへ近づいたX5

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24kWhのバッテリー搭載 BMW X5 xドライブ45eに試乗 PHEV 一歩EVへ近づいたX5

14.8kWhも容量が増えたバッテリー

text:Greg Kable( グレッグ・ケーブル)

【画像】BMW X5、X6とQ7 全136枚

translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)


ここに来て急増傾向にあるBMW製プラグイン・ハイブリッド(PHEV)の最新モデルが、X5 xドライブ45e。すでに英国での販売が始まっており、価格は6万5760ポンド(920万円)となっている。

高級なプラグイン・ハイブリッドSUVとして、従来のX5 xドライブ40eと交代するかたちで登場した。パワーが増強され、走行性能も向上している。だが重要なのは、二酸化炭素の排出量の減少と、EVとしての走行可能距離が伸ばされた方だろう。

新しいX5 45eの心臓となるのは、745eに搭載されているものと同じ。BMW製の直列6気筒ガソリン・ターボエンジンは、最高出力286psと最大トルク45.8kg-mを発生。112psと26.9kg-mを発生する電気モーターは、トランスミッションと一体になっている。

システム総合として機能する最高出力は394psで、最大トルクは60.9kg-m。トランスミッションは8速ATで、BMW自慢のxドライブと呼ばれる4輪駆動システムを介して、4本すべてのタイヤを駆動する。

先代のX5 xドライブ40eと比較すると、システム総合で78psと13.8kg-mの増強となる。40eの方は2.0Lの4気筒ターボエンジンと電気モーターとの組み合わせだった。

45eの電気モーターのエネルギー源となるのは、荷室の床下に搭載された24kWhのリチウムイオン・バッテリー。40eに搭載されていたバッテリーの容量は9.2kWhしかなかったから、容量は14.8kWhも増えたことになる。

気付かれないように加勢するエンジン

その結果、WLTP値でのEVとして走行可能な距離は最大で87kmへと大きく伸びている。燃費もそのぶん良くなり、WLTP値で52.6km/Lから83.3km/Lの間と、かなり良くなった。二酸化炭素の排出量も、公称値では44g/kmから27g/kmに留まる。

BMW X5 xドライブ40eからX5 xドライブ45eの進歩の度合いは、かなり大きい。増強されたパワーによって、走行性能も引き上げられ、EVとして走行可能な距離も大幅に伸ばされているだけでなく、クルマとしての上質さも大きく高まった。

EVモードとなるeドライブモードを選択すれば、可能な限り電気モーターだけの力で走ろうと努力してくれる。深くアクセルペダルを踏み込まなければ、市街地ではかなりの距離をガソリンを燃やさず走行できる。

トランスミッションの前方に挟み込まれた電気モーターは、即時的に力強いトルクを発揮し、条件が許す限り静かにX5を進める。6気筒エンジンは、アクセルペダルを深めに踏み込んで、より力強いパワーが必要な時以外目覚めない。

3.0Lの直列6気筒エンジンは、従来の4気筒ガソリンエンジンと比べると、非常に滑らかで上質なフィーリングなことがわかる。必要になればそっとエンジンが始動しシームレスに駆動力を加えるが、必要がなくなれば、気づかれることなくエンジンは停止する。

リラックスしてeモードで走らせる

電気モーターとエンジンは高次元で調律が取られている。低速中心の市街地では、モーターとエンジンのどちらがクルマを進めているのか、ほとんど気づかないほど。郊外の速度域が高い道では、回転域を問わず滑らかさを増したエンジンに、自然な形でモーターがアシスト。安楽に望むペースを保って走ることができる。

ただし、スペック表の0-100km/h加速5.6秒という鋭さを実感するほど、X5 xドライブ45eが速いクルマにも思えないことは事実。その理由は、バッテリーが増えたことで車重が2435kgもあることが関係しているだろう。

静止状態からのスタートダッシュは、低回転域から強力なトルクが立ち上がる電気モーターが手伝い、かなり機敏に加速していく。しかしある程度から上の伸びは、少々苦しそうだ。

もしバッテリーの充電量に余裕があるなら、マックスeモードを選択し、135km/hまでの速度域をEV状態で走らせることも可能。以前より14km/hほど許容速度は高められた。ただし、高速域では電気の消費量は急激に早くなる。エンジンから一切のノイズも立たないから、サイドミラー周辺の風切り音がかなり目立つようになってしまう。

結果として、eモードを選択し、モーターとエンジンをバランス良く動かしながら、リラックスして走らせるのが一番このクルマに向いている。この状態なら、ほとんどのドライバーにとって不足のない最適な走行性能を、自動的に得ることができるだろう。

条件が許せばEVモードで毎日の通勤も可能

試乗車は、アダプティブダンパーに、オプションとなるエアサスペンションを装備。今回のテストコースになったのはドイツの綺麗な路面だったこともあり、車重の増えたxドライブ45eであっても、X5らしい振る舞いだった。

車重と寸法の大きさを考えれば、SUVとして素晴らしい俊敏性と姿勢制御を実現している。ステアリングに伝わってくる感触は、はかなり淡白だけれど。

従来のxドライブ40eから、大幅なアップデートを受けたX5 xドライブ45e。EVモードでの航続距離も伸ばされ、一般的な通勤距離なら、まさにEVのように走行することも難しくはないだろう。

xドライブ45eがベストなX5かどうかは、走行パターンに依存する。主に都市部でクルマに乗り、急速充電器が身近に利用できるのなら、xドライブ45eは間違いなく候補に加えるべきだ。二酸化炭素の排出量も少なく、英国では税金面でも有利な点もメリットとなるはず。

BMW X5 xドライブ45eのスペック

価格:6万5760ポンド(920万円)
全長:4922mm
全幅:2004mm
全高:1745mm
最高速度:234km/h
0-100km/h加速:5.6秒
燃費:52.6-83.3km/L
CO2排出量:22-44g/km
乾燥重量:2435kg
パワートレイン:直列6気筒2998ccターボチャージャー+電気モーター
使用燃料:ガソリン
最高出力:394ps(システム総合)
最大トルク:60.9kg-m(システム総合)
ギアボックス:8速オートマティック

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