数年前まで不可能と思えたような能力
今回のノミネート車両で、アストン マーティンDBX707は1番の重量級。車重は実に2245kgあり、モーガン・スーパー3とトヨタGR86、ケータハム・セブン 420カップの3台を合わせた数字に近い。
【画像】1番運転の楽しいクルマは? アストンDBX707 マセラティMC20 セブン 420 ほか 全136枚
トップ10の選定時に血迷ったのでは、とお感じの読者もいらっしゃるかもしれないが、試乗後のコメントは肯定的な内容が中心だった。BBDC選手権に707psのDBX707が加わったことに対して、疑問はないだろう。
「今回のノミネート車両では、特に印象的なクルマの1つ。ドライバーへの訴求力は完璧ではないかもしれませんが、運転へ夢中になれます。数年前まで不可能と思えたような能力を、実現できています」。と話すのはリチャード・レーンだ。
ジェームス・ディスデイルも圧倒された様子。「信じられません。これほど大きく背が高く、重たいSUVで、こんな走りを実現していることは理解が難しい」
マット・ソーンダースはそこまで感心しなかったようだが、しなやかなサスペンションと高いドライビングポジション、壮大なエンジンパワーという組み合わせを公道で堪能したようだ。DBX707で評価すべきは、ただ獰猛なSUVだというだけではない。
デリケートとは表現できないにしろ、路上での操縦性は想像以上に正確。この手のモデルとしては、非常に重要なポイントといえる。サーキットを攻め立てて得られる充足感は限定的ながら、今回のBBDC選手権では才能に驚かされた1台といえる。
もどかしい思いにさせられたマセラティMC20
対照的に、もどかしい思いになったのがマセラティMC20だ。決してクルマの仕上がりが悪いわけではない。もう少し全体を磨き込めば、一層素晴らしい実力を発揮できるであろうことが、われわれへ伝わってきたためだ。
サスペンションの減衰力特性は好ましく、ボディ剛性も高く、グリップ力は甚大。ワインディングで扱う自信を高めてくれる、しなやかな乗り心地も得ている。しかも、630psの3.0L V6ネットウーノ・エンジンはダイナマイトのように鮮烈だった。
しかし、開発コンセプトや動力性能、価格では接近するマクラーレン・アルトゥーラと、獲得点で開きが出てしまった。マット・ソーンダースが、サーキットでの印象をヒトコトでまとめた。「本当にワイルド。ですが、限界領域では挙動が予想しにくいかな」
ポルシェ911 GT3やマクラーレン・アルトゥーラ、フェラーリ296 GTBなどと比較すると、MC20のステアリングは軽すぎる。入力に対する反応の正確性や手のひらへ伝わる感触で、並ぶことができていない。
ブレーキペダルを踏み込んだ時の感触も乏しい。足へ伝わる情報量が少なく、実際に求めた減速が始まるまで戸惑う場面もあった。穏やかに運転している時は、特段気にならないのだけれど。結果として、今回は8位に留まっている。
何時間でもサーキットを走っていたい
ケータハム・セブン 420カップは7位。過去にはピュアでスイートなケータハムを敢えて除外していた時期もあったが、近年のBBDC選手権も、自動車を取り巻く世界も変化した。一般道での評価のされ方も変わってきている。今回は、久々のノミネートとなる。
ところが、最新のセブン 420カップはレース用シャシーでグリップが非常に高く、213psのエンジンではパワー不足が否めなかった。ターボ付きのエンジンでシャシーの能力を完璧に引き出すか、少し穏やかなシャシーチューニングが必要そうだ。
それならバランスが整うだろう。通常のセブン 420は同じエンジンを搭載し、シャシーは優しい。フロントガラスも装備され、ソフトトップを閉めれば雨風を防げる。それで2000ポンド(約33万円)お手頃なのだから、より魅力的に映ってしまう。
お高いセブン 420カップの追加費用の大部分は、シーケンシャル・トランスミッションに充てられている。公道ではスムーズな変速が難しいものの、少なくともサーキットではその性能がいかんなく発揮されていた。
特に気に入っていたのはマット・ソーンダースだ。「トランスミッションが最高。勢いよく吹け上がり、盛大なエグゾーストノートを奏でる4気筒も素晴らしい。シャシーのバランスを発揮させるべく、運転で歩み寄るスタイルも好きですね」
「もう少しグリップ力が弱ければ、もっと楽しめたでしょう。それでも、何時間でもサーキットを走っていたいと思わせるクルマです。疲れ果てるまで」
セブンにはより良い仕様が存在する
マット・プライヤーも基本的には好感触だった。「走る環境を問わず、セブン 420カップが好きになりました。ケータハムとして、完璧な仕様なのかは悩ましいですが」
「エンジンは素晴らしい。トランスミッションも素晴らしい。しかし、公道を攻めると、ハードエッジで少し気まぐれなところがあります。サーキットでも、数周は走り込まなければ個性を掴みきれません」
420カップは、多くのドライバーから愛されてきたブランドによる、最新のチューニング・セブンではある。だが、より良い仕様が他に存在することをわれわれは以前から知っている。今回はどっちつかずの結果に終わった。
さて、今回は非常に高価なレストモッド・モデルもノミネートしている。1950年代末のフェラーリ250 SWBに強い影響を受けた、RLMショートホイールベースだ。その仕上がりに、審査員全員が称賛の声を止めることができなかった。
偽りなく、いつまでも運転を楽しんでいたいと思わせるクルマだ。英国価格は162万ポンド(約2億6892万円)もするし、ベース車両がフェラーリだとはいえ、25年ほど前の550マラネロではあるけれど。
公道へ設定が振られた柔らかめのサスペンションと、ハードコンパウンドなピレリ・タイヤという組み合わせで、絶対的なスピードはそこまででもない。それでも絶え間ない喜びで、不満が湧き上がるスキはまったくなかった。
この続きは(4)にて。
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