家にいながらにして、あらゆるものが翌日には手に入る、流通革命を起こしたAmazon。我々はその便利さを享受するいっぽうで、リアル店舗が減少してしまった弊害も感じている。北米のAmazonのWebサイトで2024年から新車が購入できるようになるという。その第一弾はヒョンデ。まだ海の向こうの話であるが、もし日本でそうなったらどうなってしまうのだろうか?
文/ベストカーWeb編集部、写真/Amazon HYNDAI MOTORS、ベストカーWeb編集部
ネットでクルマが買える! 北米アマゾンがヒョンデの新車販売開始! 日本はどうなる? 新車ディーラーはなくなっちゃうの?
■Amazonがヒョンデと提携しWebサイトから新車が購入できるようになる
Amazonが新車を販売するのは自動車メーカーにとって脅威になるはずがヒョンデは正面から提携の道を選んだ
2023年11月16日、ロサンゼルスオートオートショーにおいて、Amazonと現代自動車(ヒョンデ)は広範な戦略的パートナーシップを発表した。この提携により、AmazonのWebサイトからオンラインでヒョンデ車の新車を注文し、地元のディーラーから受け取るか、配送してもらうことができる、というものだ。
Amazonが新車販売をするポイントは、自動車メーカー系列の新車ディーラーや営業マンのいるリアル店舗がいらないということを意味する。ただ、クルマの場合は、物品と違い、ナンバー登録、車検、整備など簡単にはいかないのはご承知のとおり。さて、新車を購入する方法や、その後はどうなるのか、発表された内容を見ていきたい。
ヒョンデのグローバル最高執行責任者でヒョンデとジェネシス・モーター・ノースアメリカの社長兼最高経営責任者(CEO)を務めるホセ・ムニョス氏と、Amazonのワールドワイドビジネスおよび企業開発担当副社長のマーティ・マリック氏は、3つの重要な部分を明らかにした。この発表について知っておくべき3つの重要な点は以下のとおり。
1/2024年に初めてAmazonの米国店舗で車両を販売できるようになり、顧客が購入できる最初のブランドはヒョンデになる。この新しいデジタルショッピングエクスペリエンスにより、顧客はオンラインで新車を簡単に購入し、自分にとって最適な時間に地元のディーラーで新車を受け取るか、配送してもらうことができる。
顧客は、モデル、トリム、色、機能などのさまざまな好みに基づいて、Amazonで自分の地域で利用可能な車両を検索し、好みのクルマを選択。 そして、支払い方法と融資のオプションをオンラインでチェックアウト。これらはすべてAmazon のエクスペリエンス内で行われる。
2/ヒョンデは、コンピューティング、ストレージ、データベース、分析から人工知能 (生成 AI) やモノのインターネットに至るまで、業界をリードする広範なAWS(アマゾンウェブサービス)機能を使用してデジタル変革を加速するため、クラウドプロバイダーとしてAWSを選択し、研究、製品エンジニアリング、顧客エンゲージメントなどすべてをAWSに移行する。
3/2025年からヒョンデを購入する顧客は、自宅でも車内でもハンズフリーのAlexa(Amazonが開発したバーチャルアシスタントAI技術)エクスペリエンスにアクセスできるようになり、ドライバーは、Alexaに簡単に音楽、ポッドキャスト、オーディオブックの再生、リマインダーの設定、ToDoリストの更新、カレンダーの確認を依頼できるようになる。
また、帰宅途中に家を暖めるように依頼したり、ドアがロックされているかを再確認したり、スマート照明やAlexaルーティンを管理したりするなど、外出先からスマートホームを制御できるようになる。
ドライバーは、Alexaに最新の交通情報や天気予報を尋ねたり、車載メディア プレーヤーやナビゲーションを音声で制御したりすることもでき、インターネット接続が断続的または利用できない場合でも、特定の Alexa機能にアクセスできるという。
ヒョンデは日本においてBEV「IONIQ5」とFCVの「NEXO」をオンライン販売のみ
■クルマは家電とは違うのでAmazonは日本には馴じまない?
Amazonがこうした提携を自動車メーカーと手を結ぶのはもちろん初めてのことだが、はたしてうまくいくのだろうか?
たしかに新車をオンラインで販売する動きは、コロナ禍によるロックダウンやEVの攻勢によって加速していく予兆がある。自動車メーカー自身もオンライン販売を模索している。
例えば日産では2021年からアリアの一部グレードのオンライン販売を実施したほか、2023年3月から約3カ月間の試験運用となるが、メタバースによる仮想店舗「HYPE LAB」を作り、バーチャルな空間で新車販売を行っていた。
日産が試験運用したバーチャル店舗「HYPE LAB」
既存の自動車ディーラー以外で新車を買える動きは、実は日本でもすでにある。ヨドバシカメラでは2021年から小型EVを販売しているし、ヤマダ電機は2010年から三菱アイミーブを販売、2023年7月からはekクロスEVとミニキャブミーブを法人向けに販売している。ヤマダ電機は、EV=家電として捉えており、今後はオンライン販売の動きが加速していけばほかの車種を扱っていくことも考えられる。
なるべく人を介さないでオンラインがメインの販売方式をとるテスラでも実車を見ることができるテスラストア(10拠点)を構えている
テスラにしても、テスラストアと呼ばれる実車を見ることができるショールームはあるが、注文はあくまでもオンライン。支払いを済ませた後は、登録に必要な書類を揃えて返送し、登録しナンバーが付いたら、デリバリーセンターに引き取りに行く。あとは整備や故障などはテスラアプリからサービスの予約を行うだけ。終始、テスラのサイトにあるマイアカウントでさまざまな情報をやりとりする。
実際にテスラを購入したオーナーに聞いたが、購入前も購入後も人があまり介在せずオンラインで行うのでまるでカメラやPCを買った感覚、なのだそうだ。
ヒョンデの場合はまったく店舗を持たず、売買契約と決済までオンラインで完結するという、完全オンライン販売となる。購入した後、新車は購入者の自宅など購入者の指定する場所に納車され、メンテナンスについても全国の協力整備工場が対応する体制を整えている。
つまり、あらゆる場面で人が介在する既存の新車ディーラーとは一線を画す仕組みになっており、あわよくばリアル店舗はなくてもいい、という感覚だ。実車を見ないと買う気がおきない、疑問があるとすぐ電話で聞いてしまう昭和のアナログおじさんにとっては違和感があるのではないだろうか。
もしAmazonが日本で新車販売を行うことになったら、既存の新車ディーラーはどうなるのだろうか? Amazonがこれだけ日本人に浸透していることを考えるとたしかに脅威だが、そううまくはいかないとみる。
筆者も欧米の新車ディーラーを取材したことがあるが、日本の新車ディーラーの営業マンは欧米とは違う。クルマはお店から買う、人から買うという言葉があるように、顧客と営業マンの信頼関係、結びつきが強いからだ。
こうした新車販売の慣習もEV全盛時代になってくれば減っていくことを想像に難くない。まして昨今の人手不足の状況を考えると、Amazonの台頭により、新車ディーラーがなくなってしまう、ということも充分ありえるのだ。写真のように新車が入ったAmazonの巨大な箱が自宅に送られてくる、そんな時代はそう遠くはないのかもしれない。
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