現在位置: carview! > ニュース > スポーツ > モータースポーツのオリンピック競技化は可能か? スーパーGT坂東代表に私見を聞く「道具の占める役割があまりにも大きい」

ここから本文です

モータースポーツのオリンピック競技化は可能か? スーパーGT坂東代表に私見を聞く「道具の占める役割があまりにも大きい」

掲載 2
モータースポーツのオリンピック競技化は可能か? スーパーGT坂東代表に私見を聞く「道具の占める役割があまりにも大きい」

 モータースポーツが公式なオリンピック競技になる日は来るのか——。これはオリンピックイヤーになると度々議論されるテーマでもある。これについては国内外の様々なレース関係者が私見を述べているが、スーパーGTのプロモーターであるGTアソシエイション(GTA)の坂東正明代表にも意見を聞いた。

 100年以上の歴史を誇るオリンピックの中で、モータースポーツ競技が行なわれた例はないわけではないが、公式に正確な記録が残っているものはなく、事実上公式競技として採用されたことはないと言っても差し支えないだろう。そんな中で、モータースポーツをオリンピック競技とすることは可能かどうか、もしくは競技化すべきかどうかという議論は、意見が分かれている印象だ。

■「やる方は大変だが、お客さんが見て面白い。それが重要」スーパーGT坂東代表が真冬の鈴鹿決戦を語る。タイヤウォーマー使用可否などは検討中

 オリンピック競技化に肯定的な意見としては、「モータースポーツを“スポーツ”として世界的に認識させられる」という業界全体を大局的に見た意見や、「いちドライバーとして国を代表して戦いたい」などの意見が聞かれる。一方でネックだと言えるのは、モータースポーツが機械を使った競技だという点だ。

 スポーツは程度の差こそあれど、球技をはじめとして何らかの“道具”を使うものが多い。しかしその中でもモータースポーツは、自動車という機械にそれぞれが乗って競技をするため、競技における“道具”の占める割合が大きいと考える者も多い。仮に車両を全車統一のワンメイクにしたとして、そのメンテナンスやセットアップは誰がどう行なうのか? 工業製品に避けられない個体差によるパフォーマンスの有利不利をどう受け入れるのか? など、公平・公正な競技実施に向けて課題となる点は多いだろう。

 坂東代表も、まさにそういった点を懸念していることから、現在ではモータースポーツのオリンピック競技化は難しいと考えているようだ。

 先月行なわれた第6戦SUGOでのGTA定例記者会見の中で、モータースポーツのオリンピック的な立ち位置で国別対抗戦を開催する“FIAモータースポーツ・ゲームズ”のF4部門に森山冬星を派遣することが発表された。それにちなんで、モータースポーツのオリンピック競技化に関する意見を坂東代表に尋ねると、彼は次のように答えた。

「レーシングドライバーを“アスリート”と捉えることはできると思いますが、モータースポーツは道具を使っている中で、あまりにも道具が占める割合が大きくなってしまいます」

「道具の良し悪しもありますし、そこには(サプライヤーとして)企業がついているという状態です。その中でイコールを見出してオリンピックをやるというのはなかなか……クオリティの高い状態でやるのなら尚更です」

「自分も昔は(モータースポーツによるオリンピック競技が)できるかなと思っていました。ただ、こうやって(GTA代表として)15年ほどやってきた中で考えると、自分たちの作った規則の中で誰が速いかというイベントはできるけども、それが諸外国から選手が集まってのものになるかと言われると、なかなか難しいと思います」

 それに補足する形で坂東代表は、以前から野望として口にしているスーパーGT車両による“世界戦”の構想を語った。オリンピックやワールドカップのような世界戦実施は難しくとも、スーパーGTという枠組みの中でアジア圏の猛者が競い合うようなフォーマットを作ることが理想だという。

「ワールドカップのような競技を我々が作った規則でやるとなると、欧州の競合自動車メーカーとやっていくのがかなり難しいです」

「であれば、東南アジアでイコールの規則を作り、それぞれの国々でスーパーGTシリーズをやっていただき、そこから勝ち上がってきた者同士で戦う……ということはやれると思っているので、最近はそういったことを考えています」

関連タグ

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

新型[ハリアー]は大変身!? 新開発エンジンでボンネットが超低く!! 1.5Lターボ搭載のハイブリッドで登場なるか
新型[ハリアー]は大変身!? 新開発エンジンでボンネットが超低く!! 1.5Lターボ搭載のハイブリッドで登場なるか
ベストカーWeb
地球の自転を感じながら南へまっすぐ1000キロ走破! 赤土のアウトバックを時速120キロで爆走…受付閉鎖3分前にギリギリセーフ!!【豪州釣りキャンの旅_14】
地球の自転を感じながら南へまっすぐ1000キロ走破! 赤土のアウトバックを時速120キロで爆走…受付閉鎖3分前にギリギリセーフ!!【豪州釣りキャンの旅_14】
Auto Messe Web
ハジャルの起用は“育成プログラムのコンセプトの証明”。RB代表は「アイザックと裕毅は素晴らしいチームになる」と期待
ハジャルの起用は“育成プログラムのコンセプトの証明”。RB代表は「アイザックと裕毅は素晴らしいチームになる」と期待
AUTOSPORT web
アイザック・ハジャルがF1昇格。RBが2025年の起用を発表「チームのためにベストを尽くす準備はできている」
アイザック・ハジャルがF1昇格。RBが2025年の起用を発表「チームのためにベストを尽くす準備はできている」
AUTOSPORT web
計29サイズ! ブリヂストンが新型タイヤ「REGNO GR-X III TYPE RV」を発売へ! ミニバン・コンパクトSUV向けに深みを増したタイヤとは!?
計29サイズ! ブリヂストンが新型タイヤ「REGNO GR-X III TYPE RV」を発売へ! ミニバン・コンパクトSUV向けに深みを増したタイヤとは!?
くるまのニュース
ヤリス・クロスの韓製ライバルの実力は? ヒョンデ・バイヨンに試乗 6速MTで軽快な走り!
ヤリス・クロスの韓製ライバルの実力は? ヒョンデ・バイヨンに試乗 6速MTで軽快な走り!
AUTOCAR JAPAN
メルセデスAMG本社へはドイツ版新幹線「ICE」の1等車で! 優雅な旅を堪能できるかと思いきや、元気なオバサマたちに邪魔をされ…【みどり独乙通信】
メルセデスAMG本社へはドイツ版新幹線「ICE」の1等車で! 優雅な旅を堪能できるかと思いきや、元気なオバサマたちに邪魔をされ…【みどり独乙通信】
Auto Messe Web
ホンダ「0シリーズ」SUVが来月初公開へ 米CES 2025でプロトタイプ2車種を出展
ホンダ「0シリーズ」SUVが来月初公開へ 米CES 2025でプロトタイプ2車種を出展
AUTOCAR JAPAN
大人好みに進化したアウトランダーPHEV【九島辰也】
大人好みに進化したアウトランダーPHEV【九島辰也】
グーネット
“トヨタのなかでトップレベルで戦えるドライバー”平川亮のF1テストは「コースをはみ出すことすらなかった」と中嶋TGR-E副会長が評価
“トヨタのなかでトップレベルで戦えるドライバー”平川亮のF1テストは「コースをはみ出すことすらなかった」と中嶋TGR-E副会長が評価
AUTOSPORT web
2025年始動、世界初の水素燃料ワンメイク競技『エクストリームH』がFIAのワールドカップ格式を取得へ
2025年始動、世界初の水素燃料ワンメイク競技『エクストリームH』がFIAのワールドカップ格式を取得へ
AUTOSPORT web
【ドイツ】プリウス顔な新型「ハイパークーペ」がスゴイ! 5リッター「V8」搭載のナラン・オートモーティブの新モデルとは
【ドイツ】プリウス顔な新型「ハイパークーペ」がスゴイ! 5リッター「V8」搭載のナラン・オートモーティブの新モデルとは
くるまのニュース
上海汽車傘下のMG、「半固体電池」搭載EVを2025年発売 コスパ強調
上海汽車傘下のMG、「半固体電池」搭載EVを2025年発売 コスパ強調
AUTOCAR JAPAN
国産最高級ミニバン『アルファード』『ヴェルファイア』に初のPHEVが登場。1065万円から
国産最高級ミニバン『アルファード』『ヴェルファイア』に初のPHEVが登場。1065万円から
AUTOSPORT web
新SUV時代に挑むトヨタ、ミツビシ、シボレーの全15チームに対し異例の“ドラフト制”で布陣が確定/SCB
新SUV時代に挑むトヨタ、ミツビシ、シボレーの全15チームに対し異例の“ドラフト制”で布陣が確定/SCB
AUTOSPORT web
日本の道路事情にピッタンコ!? 旧型「ミニ」生産終了から四半世紀 なぜ高値安定なのか?
日本の道路事情にピッタンコ!? 旧型「ミニ」生産終了から四半世紀 なぜ高値安定なのか?
乗りものニュース
【メキシコ】日産の新型「キックス」が人気スギ!? 8年ぶり全面刷新で“大胆顔”に!全長4.3m級ボディ&「クラス超え上質内装」の「小さな高級車」が売れてる
【メキシコ】日産の新型「キックス」が人気スギ!? 8年ぶり全面刷新で“大胆顔”に!全長4.3m級ボディ&「クラス超え上質内装」の「小さな高級車」が売れてる
くるまのニュース
ホンダが大型スクーターの「X-ADV」をアップデート! 新型ヘッドライトや先進装備の採用で「カッコよさ&快適性」が大幅アップ
ホンダが大型スクーターの「X-ADV」をアップデート! 新型ヘッドライトや先進装備の採用で「カッコよさ&快適性」が大幅アップ
VAGUE

みんなのコメント

2件
  • タマゴ888
    質問がくだらな過ぎてワロタ。
    坂東さんの言う通り。
  • やふたろう
    広い駐車場に簡易コースを設置して、カートをイコールコンディションで走らせるならオリンピック競技として成り立つかもしれないけど、それに価値を見いだせるかは難しいだろうね。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村