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アクセラがエレガント&スポーティに“深化”した!──マツダ 3(日本名:アクセラ)海外試乗記

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アクセラがエレガント&スポーティに“深化”した!──マツダ 3(日本名:アクセラ)海外試乗記

予想通り、自然光の下で見たマツダの新型「3」(日本名:「アクセラ」)のエクステリアは美しい。とくにセダンの側面が、光のあたり方によって輝きが変わりエレガントだった。

”世界初試乗”という触れ込みでおこなわれた試乗会の場所は、アメリカ・ハリウッドだった。こちらのダウンタウンには、厳ついフロントマスクやスタイルのセダンが溢れかえっているため、マツダ3のようなエレガントなクルマは埋没するのでは? と、危惧したが、決してそんなことはなかった。むしろ、ほかの車を凌駕する存在感があった。

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ハッチバックのデザインもエレガントだ。また、リアに向かうにしたがい、滑らかに下降するルーフデザインがスポーティでもある。信号待ちで、斜め前に止まったハッチバックを見たとき、自然と「カッコイイ……」と、声が漏れたほどだ。

マツダ3は、Cセグメント(全長約4.3~4.7m)に属する。このクラスは世界の巨人ともいうべきフォルクスワーゲンの「ゴルフ」、トヨタの「カローラ」などきわめて強力なライバルがいるほか、近年はキアやヒュンダイといった韓国勢も台頭する、超激戦区である。

したがって、生き抜くためには何らかの存在感が必要だ。この点、新型マツダ3はデザインで抜きん出た存在感を示していると思う。ただし、デザインが優れているだけでは、目の肥えた消費者は振り向かない。操縦性や乗り味、居住性やクオリティ、コストなどトータルバランスがいかに優れているのかが重要である。新型マツダ3はどうか? マツダは、「トータルバランスにおいても、世界のライバルに対しリードしていると思います」と、言う。期待に胸を膨らませ、早速試乗車に乗り込んだ。

素直な操縦安定性

今回はセダンとハッチバック、ふたつのボディ形状の試乗車が用意された。セダンは北米仕様で、2.5リッターのガソリンエンジンを搭載する。ハッチバックは欧州仕様で、2.0リッターのガソリンエンジン+モーターを搭載するマイルドハイブリッド仕様だった。試乗コースはハリウッドの目抜き通りを走り、フリーウエイから、欧米メーカーもテストする山岳路「アンジェリース・クレスト・ハイウェイ」へ向かい、そして来た道を戻る往復2時間のコースだった。

まず往路は、北米仕様のセダンを試乗した。ハリウッドの目ぬき通りは、メジャー通りにもかかわらず、舗装路面状況は芳しくない。しかし新型マツダ3は、サスペンション、タイヤ、ボディが衝撃をスムーズに吸収・緩和しながら進む。

マツダらしい、と思ったのはアクセルの踏み始めだ。発進時、とにかく滑らかに進み始める。少しの踏み込み量にもかかわらず飛び出すクルマが多いなか、新型マツダ3の自然な動き出しはさすがだ。ただし優秀なアクセルに対し、ブレーキはなじめなかった。ブレーキペダルの踏み込み量に対し、減速感に乏しいのだ。マツダの担当者に聞くと「北米の好みに合わせています」とのこと。日本仕様は異なるチューニングになるそうだ。

フリーウエイへの合流時、アクセルひと踏みで十分に加速する。2.4リッター直列4気筒自然吸気エンジンは189ps/252Nmのスペックを誇る。組み合わせるトランスミッションは6速ATである。エンジンはややおとなしい印象だ。ファイナルのギア比を高めて回転を落とし、高速巡航の燃費を高めるためかもしれない。

フリーウエイを約80mph(128km/h)で走行する。しかし、ノーズが左右にチョロチョロと動くため、ステアリングを微修整する必要に迫られる。ただし、フリーウエイにはアメリカの舗装に独特の縦溝が刻まれ、直進性に影響を及ぼすことも考慮しなくてはいけない。しかも、試乗車はオールシーズンタイヤを装着する。サマータイヤで走ると印象は大きく変わりそうだ。

フリーウエイはまた、路面の継ぎ目が等間隔で延々と続く。継ぎ目を通過するときは上下動が起り、タイヤから“パタンパタン”と空洞音が響くが、室内はエンジン音も含め実に静かだ。静粛性の高さはCセグを超えていると思う。

中~高速コーナーが連続するアンジェリース・クレストを60~80mphで走る。タイヤはスキール音を発するグリップ限界ギリギリの状態だったが、ステア操作に対しノーズは正確にインを向き、リアサスペンションは横Gに耐えて踏ん張り、姿勢を安定させる。こうした素直な操縦安定性を、オールシーズンタイヤにもかかわらず実現しているのは素晴らしい。

新型は室内やラゲッジルームのスペース拡大のため、リアサスペンションをトーションビームに変更した。1本の棒の左右にタイヤが付いた、ベーシックなメカニズムのサスペンションだ。しかし、上手くチューニングすればマルチリンクサスペンション並みの接地安定性を生み出せるといういい見本である。

帰路は欧州仕様のハッチバックだった。2.0リッター直列4気筒自然吸気エンジンは、122ps/213Nmとスペックは控えめであるものの、マイルドハイブリッド仕様のためモーターによるアシストがくわわり加速はスムーズだ。しかも試乗車は6速MTだったから、各ギアを6500rpmのリミットまで引っ張ればそれなりに速かった。しかも、シフトの際にクラッチをラフにつないでもギクシャク感やショックが少ないという良さもある。

欧州仕様は操作に対する動きが明確で判りやすい。サマータイヤとサスペンションの組み合わせが、ステアリングの動きをより正確に路面に伝え、ロールやピッチングが抑えられたスポーティな走行を生み出す。

北米仕様のセダンで走ったコーナーを逆走するが、ステアリングの操作量、つまり舵角はあきらかに少なくて済むし、かつより速い旋回速度で通過できる。ブレーキも、欧州仕様はペダル踏力と踏み込み量に対し、忠実に減速が立ち上がるのがナチュラルでよい。

フリーウエイでの直進性は往路のセダンと異なった印象を受けた。縦溝の影響を受ける場面も少なからずあるものの、接地感の確かさにくわえ優れた直進安定性を体感出来た。サスペンションのチューニングもさることながら、サマータイヤを装着していたのが大きな要因だろう。ちなみに日本仕様は、試乗した欧州仕様に近いものになるらしい。操縦安定性と乗り味に不満はなかったから、日本で試乗するのが楽しみである。

日本市場への導入時期は未定だ。名称も、これまでとおなじ「アクセラ」になるかどうか未定という。また、圧縮着火技術を採用した新エンジン「スカイアクティブ-X」搭載モデルも、いつラインナップにくわわるか未定だ。なぞの多い新型マツダ3ではある。なお、日本にまず導入されるモデルは、ガソリンエンジンが1.5リッターと2.0リッター、ディーゼルエンジンが1.8リッターになる模様だ。

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