とにかく大きなSUVが欲しいひとは、BMW「X7」がいい。2019年6月に日本市場に導入された3列シート・7人乗りのモデルで、全長は5165mmもある。
X7の市場導入開始19年前、BMWにとってSUV第1号の「X5」が販売開始された。そのころのBMWは、たとえどんなモデルでも「フロントグリルを隠してもBMWとわかるスタイル、目隠しして乗ってもBMWとわかる操縦性」を、重要視していた。
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【主要諸元(Design Pure Excellence)】全長×全幅×全高:5165×2000×1835mm、ホイールベース3105mm、車両重量2440kg、乗車定員7名、エンジン2992cc直列6気筒DOHCディーゼルターボ(265ps/4000rpm、620Nm/2000~2500rpm)、トランスミッション8AT、駆動方式4WD、タイヤサイズ285/45R21、価格1229万円(OP含まず)。BMW最大サイズのSUVである「X7 xDrive35d」(試乗車)に乗ったとき、私はそのことを思い出した。
米国のサッカーマム(子どもをサッカーチームに入れて、持ちまわりでチームの子供たち何人かを自車で送迎する女性)のために開発されたとも言われるX7であるが、じっさいは、誰が乗っても価値がわかる、個性あるドライブフィールを持つモデルだった。
乗員は標準が7人。オプションでセカンドシートが独立タイプの6人乗りが選べる。ボディカラーは「アークティック・グレー・ブリリアント・エフェクト」。試乗車のアルミホイールはオプションの22インチ・タイプ(24万7000円)。X7に近づくと、そのサイズに圧倒される。全長5mを超えるうえ、全高も1835mmある。ルーフの前後長はながく、最新のBMWデザインのアイコンともいえる、縦方向がやたら長い巨大な”キドニー”グリルとの組合せが目を引く。
“BMW的なかたちをしたミニバン”、というのがエクステリアを最初見た印象だった。パッケージングを優先した結果のせいか、箱のようなスタイリングは、エレガントでもないし、官能的でもない。とはいえ、キドニーグリルをかなり大きくして、無理やりにでもブランドイメージを強く打ち出そうという手法は、新しさや強さを好むひとにはいいだろう。
ボディは全長×全幅×全高:5165×2000×1835mm。ちなみに、ひとまわり小さい「X5」でもオプションで3列仕様が選べる。ただし、X7の3列シートにくらべるとサイズは小さい。静粛性の高さ&乗り心地の良さにびっくりX7 xDrive 35dに搭載されるエンジンは、2992cc直列6気筒ディーゼルターボ。195kW(265ps)の最高出力と、620Nmの最大トルクを発揮する。組み合わされる電子制御式4WDシステムは、低負荷のときは後輪駆動になる。
エンジンはスムーズにまわる。最大トルクが2000rpmから出る設定のため、2420kgの車重を意識させず、走りだしから力強い。
駆動方式は4WDのみ。搭載するエンジンは2992cc直列6気筒DOHCディーゼルターボ(265ps/4000rpm、620Nm/2000~2500rpm)。アクセルペダルの踏み込みに応じ、大きなボディをどんどん加速させていくのは特筆ものだ。静粛性が高いせいもあり、意識しないうちに、あっというまに高速域に達してしまう。これには、驚かされた。
ステアリング・ホイールを切ったときの車体の応答性もいい。コーナリング中のボディの安定性と、出口に向かって加速していくときの身のこなしのよさも特筆ものだ。
試乗車のステアリング・ホイールは、ヒーター機能付き。トランスミッションは8AT。シフト・ノブはクリスタル・ガラス製。X7 xDrive 35dは、コーナリング性能を向上させるために、ブレーキやサスペンションは電子制御によって緻密にコントロールする。とくに電子制御式エア・サスペンションは、前後・左右個別に動き、しなやかな乗り味を実現する。
高速道路の巡航時はボディがゆったり動く。試乗車はオプションの22インチ大径ホイール&扁平率40%のタイヤを履いていたものの、路面からの突き上げはほとんどなく、安逸だった。
WLTCモードの燃費は11.4km/L。メーターパネルは最新の7シリーズや8シリーズとおなじデザインのフルデジタル・タイプ。ライバルは意外なほど多いインテリアデザインはより”BMWらしさ”を強く感じる。ダッシュボードやシートの造型は、セダンやほかのSUVとほぼおなじである。
インテリア・デザインは最新の7シリーズ&8シリーズと同意匠。試乗車のウッドパネルは、オプション(8万9000円)。フロントシートは電動調整式。試乗車シートの表皮&カラーリング(2トーン)はオプション(55万6000円)。「スカイ・ラウンジ・パノラマ・ガラス・サンルーフ」と呼ばれる大型サンルーフはオプション(11万7000円)。シートは手触りのいいレザー表皮にくわえ、2トーンの色づかいが個性的だ。試乗車はアイボリーホワイト&ミッドナイトブルーだった。
2列目シートは、いわゆるキャプテンシート(BMWの呼び方では「コンフォートシート」)。アームレスト&電動調整機能付きであるうえ、専用インフォテインメントシステムも備わる。リムジンのように使うのも、おおいにありだろう。
試乗車はオプションの6人乗り(9万1000円)。2列目シートは独立した2座で、電動調整式。2列目用の専用エアコンスウィッチやカップホルダー。USB充電端子付き。3列目シートは手動調整式。カップホルダーやアームレストなどを備える。試乗車はオプションの「5ゾーン・オートマチック・エア・コンディショナー」付きのため、3列目専用のエアコンスウィッチもある(13万1000円)。全長5165mmの車体に2992cc直列6気筒ディーゼルターボ・エンジンを搭載したX7 xDrive 35dの価格は1229万円。3列シートのビッグSUVというマーケットのなかでは競合も多い。
おなじドイツ・ブランドでは、全長5140mmのボディに2986cc直列6気筒ディーゼルターボ・エンジンの組合せであるメルセデス・ベンツGLS350d 4MATIC(1261万円)、もうひとつは、全長5070mmのボディに2994ccV型6気筒ガソリンターボ・エンジンのアウディQ7 55 TFSI quattro(955万円)がある。
ラゲッジルーム容量は通常時、750リッター。ラゲッジルームのフロア下には小物入れもある。2列目&3列目のバックレストは電動格納式。操作は、ラゲッジルームサイドにあるスウィッチでも可能。リアシートはすべて格納すると容量は2120リッターに拡大する。また、全長5195mmのボディに6153ccV型8気筒ガソリン・エンジンを搭載するキャデラック「エスカレード」(1377万円)や、全長5080mmのボディに5662ccV型8気筒ガソリン・エンジンを搭載したレクサス「LX570」(1135万6481)も競合だ。
ライバルはいろいろあるけれど、誰が乗ってもBMWとわかるクルマに仕上がっているX7の存在感は、ほかのモデルに対し際立っているように思う。とくにハンドリングを重視するならX7がオススメだ。
文・小川フミオ 写真・安井宏充(Weekend.)
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みんなのコメント
いちいちそんなか書き込みするこういう人が豹変して煽りとかしそうに思うんだが。表現も極端だしね。
スペース確認して譲り合いとかしなさそう。でかい車が悪いこっちが優先だとか言って逆に身勝手な運転してそう。
大型ダンプもトレーラーも走ってるんだから、大型の乗用車くらいなんてこと無いと思うんだが…