この記事をまとめると
■世界一生産された「ふたり乗り小型オープンスポーツカー」であるマツダ・ロードスター
マツダの名車を生むテストコースは数々の名勝負を魅せたサーキットだった! 美祢試験場の前身MINEサーキットとは
■初代のNAロードスターは高い人気を誇りいまだ評価も高い
■ドライビングフィールやデザインなどどの面を取ってもライバルを寄せ付けない魅力がある
いつの時代もNAロードスターは大人気
2011年に累計生産台数が90万台を達成し、「ふたり乗り小型オープンスポーツカー」として、ギネス世界記録に認定生産累計世界一に認定され、2024年現在、すでに120万台を突破。現在進行形で記録を更新し続けているマツダ・ロードスター。
現行車のND型は、NA、NB、NCに続く4代目になるが、いまでも歴代ロードスターでは初代のNAが1番というファンが多い。
技術の進歩が著しいクルマの世界では、「最新モデルが最良」とならなければおかしいのかもしれないが、ロードスターはNAの評価がひときわ高い。
それはいったいなぜなのか。
平成元年モデルのNAユーザーの筆者と、ロードスターのスペシャリストである某ショップの代表といろいろ語り合ったところ、NAにはNAにしかない次のようなよさがあることが確認できた。
●スタイリング
強面のオラオラ顔のクルマが多い昨今だが、NAロードスターは全体的にツルっとしていて愛嬌がある。誰が見てもニコっとなるような、「ハッピースマイル」なスタイリングは、無比無類の存在といっていい。
リトラクタブルヘッドライトも大事なアイデンティティになっているが、ライトを上げても閉じても愛嬌があるのはNAならでは。
また、もともとコンパクトなボディを小さく見せるデザインになっているので、ソリッドカラーがよく似合うのも大きな特徴。
クルマを実サイズより大きく見せようとするデザインにすると、赤や黄色などは似合わなくなるが、NAロードスターはどんなボディカラーでもよく似合う。
こんなクルマは、国産車だけでなく、世界中を見渡してもかなりまれだ。
ドライビングフィールも優秀!
●ハンドリング
国産スポーツカーの歴史を振り返っても、NAロードスター、とくにその前期モデルほどの「ニュートラルステア」をもっているクルマはほかにはない。
市販車であればスポーツカーでも弱アンダーステアにセッティングしてデリバリーされるのが普通だが、NAの初期型はほかのスポーツカーを基準にすると、「オーバーステアなのでは」と思うほど、攻め込んだセッティングになっていた。
重量バランス、ロールセンターの角度、ジオメトリ、アライメントのすべてが、その方向に仕上げてあったからだ。
オープンカーなのに、ボディ剛性がしっかりしていたのもロードスターの特筆できるところで、高剛性のサブフレームが前後に与えられていたし、パワープラントフレームも用意された。しかも四輪ダブルウイッシュボーンサスで、かなり締まった(高硬度)ブッシュが入っていたので、ダイレクト感は抜群。
よく曲がるくせに、直進安定性も優れていて、ロングドライブでも疲れない。
これはなかなか真似できないものだ。
●シフトフィールがよかった
NAロードスター、とくに初期型のMTは、ショートストロークでなおかつカチッとした剛性感があって、とってもシフトフィールがよかった。
シフトレバーの縦方向のストロークは45mm、横方向は25mmと国産車最小レベルで設計され、操作力が軽いのに、節度ある手ごたえになっている。
そのほか、ドアハンドルがスペシャルだったり、NAならではの魅力はたくさんあるけれど、NAロードスターは基本がしっかりしているので、年数が経っても魅力が陰らない。
ロードスターの開発主査だった貴島孝雄さんは、「クルマが劣化したらニュートラルに戻る」とコメントしているが、NAロードスターはデビューから30年経っても楽しいし、スポーツカーであり続けていることで、ホンモノだったことを証明し続けているといっていいだろう。
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みんなのコメント
ユーノスとアンフィニのバッチだけは現在のカモメより断然格好いい。
NAばかり注目されるけど、NB後期も良いぞ。