現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > いまの価値に換算すると「軽自動車」開発の苦労がわかる! 誰もが乗れるクルマにまで成長したKカーに敬礼!!

ここから本文です

いまの価値に換算すると「軽自動車」開発の苦労がわかる! 誰もが乗れるクルマにまで成長したKカーに敬礼!!

掲載 39
いまの価値に換算すると「軽自動車」開発の苦労がわかる! 誰もが乗れるクルマにまで成長したKカーに敬礼!!

 この記事をまとめると

■昔から現在に至る軽自動車の歴史を振り返ると時代背景が見えてくる

しょせん軽……なんてバカにする時代は終わった! 新東名の120km/h区間を余裕で走れる軽自動車6選

■国民的な人気を集めた車種を挙げながらその理由を解説

■軽自動車はまさに国民の声を聞きながら進化を続けてきた

 軽自動車の進化と価格の推移がスゴイ!

 もはや死語になった印象もあるが、クルマが高額商品だった時代には「国民車」という言葉があった。その歴史を軽自動車を軸に振り返ると、クルマが身近な存在になっていく過程が明確にわかる。

■スバル360(1958年発売)

 *価格:42万5000円 *現在の価値に換算すると:約670万円

 スバル360は1958年に発売された。当時の軽自動車だから、全長は2990mm、全幅は1300mmと小さい。しかも斬新なモノコックボディにより、車両重量は385kgと軽い。当時の軽自動車は500~600kgだったから、スバル360は70%前後だ。

 その一方で丸みのあるボディは空間効率が優れ、4名乗車を可能にした。ボディが軽いために、当時の軽自動車では走行性能も優秀であった。スバル360は、クルマが急速に進歩した1960年代を通じて、フルモデルチェンジを行わずに1970年まで生産された。

 1958年に発売されたときの価格は42万5000円で(開発段階では40万円以下に抑えたかったが無理だった)、大卒初任給をベースに今の価値に換算すると670万円に達する。当時のスバル360は、今ならアルファード&ヴェルファイアハイブリッドのような価格設定であった。

 ところが1969年式スバル360スタンダードの価格は31万9000円まで下がり、今の価値に換算すると225万円だ。所得や物価の上昇と、車両価格の値下げにより、スバル360の実質価格は大幅に下がって10年少々で約3分の1になっていた。

■スズキ初代アルト(1979年発売)

 *価格:47万円 *現在の価値に換算すると:約98万円

 スバル360が発売された1950年代に比べると、1970年代はクルマが大幅に身近な存在になった。そこでスバル360の約20年後に登場した国民車的な軽自動車がスズキ初代アルトだ。2人乗りの価格は47万円(開発目標は45万円だった)で、現在の価値に換算すると約98万円になる。

 この価値は、現行アルトでもっとも安価なAの106万4800円に近い。過去のアルトの価格推移を振り返ると、ベーシックグレードは、常に「1979年の47万円」に近い価値で発展してきた。

 しかし中身は大幅に変わった。45年前に発売された47万円の初代アルトは、前述のとおり後席を装着しない2人乗りで、今日的な安全装備は一切装着されていない。パワーステアリング、エアコン、時計なども非装着だ。左側の鍵穴まで省いた。

 それが現行アルトAは、4輪ABS、横滑り防止装置、衝突被害軽減ブレーキ、運転席/助手席/サイド/カーテンエアバッグなども標準装着する。いつの時代も「1979年の47万円」の価値を保つアルトの装備内容を振り返ると、時間の経過に伴って充実度を高め、買い得度を強めてきた経緯がわかる。

 実用性を追求したクルマを安価に普及する時代に!

■スズキ初代ワゴンR(1993年)

 *価格:108万3000円(RX) *現在の価値に換算すると:約131万円

 1950年代のスバル360は軽自動車の先駆けで、その先進性により、このカテゴリーを活性化させて国民車の地位を確立させた。1970年代の初代アルトは、それまで高価だった軽自動車の価格を今と同様の水準まで引き下げて、さらなる普及を促した。

 そして1990年代の初代ワゴンRは、全高が1600mmを超える背の高いボディにより、快適に4名で乗車できる居住空間を備える。軽自動車の「安価な代わりに我慢して使う2名以内で短距離を移動するクルマ」という認識を払拭させた。

 初代ワゴンRが備える後席の背もたれを前側に倒すと座面も連動して下がり、広い荷室が得られるシートアレンジ、助手席の下側に装着された大型シートアンダーボックスなどは、現行型にも受け継がれている。

 売れ筋グレードだったRXの価格を現在の価値に換算すると約131万円だから、現行型でもっとも安価なFXの129万6900円に近い。ワゴンRはアルトと同様、初代モデルの買い得度を保ちながら、フルモデルチェンジによって安全面を中心に各種の機能を充実させてきた。

■ホンダ初代N-BOX(2011年)

 *価格:134万円(G・Lパッケージ) *現在の価値に換算すると:約150万円

 1990年代に初代ワゴンRが発売され、その後にダイハツ・ムーヴを始めとして、背の高い軽自動車が続々と登場した。2003年には全高が1700mmを超える初代タントが発売されて注目を集め、2代目以降はスライドドアを装着するミニバン風のスタイルに変わってさらに人気を一層高めた。スズキ・パレット/スペーシアも加わり、全高が1700mmを超えてスライドドアを装着するスーパーハイトワゴンが人気のカテゴリーになった。

 そして2010年代に入ると、初代N-BOXが発売され、2代目以降は安定的に日本国内の販売1位になった。軽自動車全体の販売比率も約40%に達する。

 以上のようにスバル360以降の軽自動車は、さまざまな変遷を遂げながら成長を重ねて、遂に国内販売1位を用意する最多販売カテゴリーになった。その理由は、軽自動車が日本のユーザーの生活を常に見据えて開発されていることだ。その一方で普通車は、肥大化と高価格化に突っ走り、軽自動車とは逆に支持を低下させてしまった。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

ジャガーEタイプ S1(2) スタイリングにもメカニズムにも魅了! 人生へ大きな影響を与えた1台
ジャガーEタイプ S1(2) スタイリングにもメカニズムにも魅了! 人生へ大きな影響を与えた1台
AUTOCAR JAPAN
もの凄く「絵になる」クルマ ジャガーEタイプ S1(1) そのすべてへ夢中になった15歳
もの凄く「絵になる」クルマ ジャガーEタイプ S1(1) そのすべてへ夢中になった15歳
AUTOCAR JAPAN
日本の「ペダル踏み間違い防止技術」世界のスタンダードに! 事故抑制のため国際論議を主導
日本の「ペダル踏み間違い防止技術」世界のスタンダードに! 事故抑制のため国際論議を主導
乗りものニュース
90年前の“博物館級”のオートバイがオークションに登場 “2輪界のロールス・ロイス” 1936年製ブラフ・シューペリアがカッコ良すぎる
90年前の“博物館級”のオートバイがオークションに登場 “2輪界のロールス・ロイス” 1936年製ブラフ・シューペリアがカッコ良すぎる
VAGUE
HRC渡辺社長、フェルスタッペンの4連覇を祝福「ホンダ/HRCとしてサポートし続けてこられたことを誇りに思う」
HRC渡辺社長、フェルスタッペンの4連覇を祝福「ホンダ/HRCとしてサポートし続けてこられたことを誇りに思う」
motorsport.com 日本版
斬新「日本の“フェラーリ”」に大反響! 「約700馬力のV8スゴイ」「日本なのに左ハンしかないんかい」「めちゃ高ッ」の声! 同じクルマが存在しない「J50」がスゴイ!
斬新「日本の“フェラーリ”」に大反響! 「約700馬力のV8スゴイ」「日本なのに左ハンしかないんかい」「めちゃ高ッ」の声! 同じクルマが存在しない「J50」がスゴイ!
くるまのニュース
本拠地の欧州で「メルセデス・ベンツのタクシー仕様」シェア急降下! なぜ? 「“ベンツのタクシー”に乗れたらラッキー」な時代が到来するのか
本拠地の欧州で「メルセデス・ベンツのタクシー仕様」シェア急降下! なぜ? 「“ベンツのタクシー”に乗れたらラッキー」な時代が到来するのか
VAGUE
「銀の皿」に「レジ横のガム&タバコ販売」に1000円以下のメニューと「ザ昭和」がたまらない! トラック野郎を癒し続ける「采女食堂」はぜひ立ち寄るべし【懐かしのドライブイン探訪その5】
「銀の皿」に「レジ横のガム&タバコ販売」に1000円以下のメニューと「ザ昭和」がたまらない! トラック野郎を癒し続ける「采女食堂」はぜひ立ち寄るべし【懐かしのドライブイン探訪その5】
WEB CARTOP
ラッセルが今季3度目のPP獲得。ガスリーと角田裕毅がQ3で健闘見せる【予選レポート/F1第22戦】
ラッセルが今季3度目のPP獲得。ガスリーと角田裕毅がQ3で健闘見せる【予選レポート/F1第22戦】
AUTOSPORT web
F1ラスベガスGPで追い上げ2位のハミルトン「予選がしっかりできれいれば、楽勝だったろうに」
F1ラスベガスGPで追い上げ2位のハミルトン「予選がしっかりできれいれば、楽勝だったろうに」
motorsport.com 日本版
中央道「長大トンネル」の手前にスマートIC開設へ 中山道の観光名所もすぐ近く!
中央道「長大トンネル」の手前にスマートIC開設へ 中山道の観光名所もすぐ近く!
乗りものニュース
ペレス、チームメイトのフェルスタッペンとは対照的に10位が精一杯「レッドブルは最高のチーム。来年は良いマシンが作れるはず」|ラスベガスGP
ペレス、チームメイトのフェルスタッペンとは対照的に10位が精一杯「レッドブルは最高のチーム。来年は良いマシンが作れるはず」|ラスベガスGP
motorsport.com 日本版
「ん、ここ工事してなくない?」 高速道路の車線規制“ムダに長い”場合がある理由とは?
「ん、ここ工事してなくない?」 高速道路の車線規制“ムダに長い”場合がある理由とは?
乗りものニュース
日本専用の新型「“MR”スポーツカー」初公開! 旧車デザイン×「ネットゥーノ」エンジン採用! 600馬力超えの「チェロSE」登場
日本専用の新型「“MR”スポーツカー」初公開! 旧車デザイン×「ネットゥーノ」エンジン採用! 600馬力超えの「チェロSE」登場
くるまのニュース
ピエール・ガスリー、予選3番手から無念マシントラブル脱落に「顔面平手打ちされたみたい」残り2戦にポテンシャルは確信|F1ラスベガスGP
ピエール・ガスリー、予選3番手から無念マシントラブル脱落に「顔面平手打ちされたみたい」残り2戦にポテンシャルは確信|F1ラスベガスGP
motorsport.com 日本版
モーターマガジンMovie 週間視聴回数BEST5 プラス1(2024年11月17日~11月23日)
モーターマガジンMovie 週間視聴回数BEST5 プラス1(2024年11月17日~11月23日)
Webモーターマガジン
F1マシンを脇に歌舞伎……来春鈴鹿のグリッドでも! 日本GPアンバサダーに就任した市川團十郎「息子と歌舞伎の扮装で踊る計画を」
F1マシンを脇に歌舞伎……来春鈴鹿のグリッドでも! 日本GPアンバサダーに就任した市川團十郎「息子と歌舞伎の扮装で踊る計画を」
motorsport.com 日本版
運営ブチギレ!? 一般車が「検問突破」何があった? 国際イベントでありえない"蛮行"発生! ラリージャパン3日目の出来事とは
運営ブチギレ!? 一般車が「検問突破」何があった? 国際イベントでありえない"蛮行"発生! ラリージャパン3日目の出来事とは
くるまのニュース

みんなのコメント

39件
  • kab********
    通勤用の車を軽に変えましたが、快適です。
    今の軽は良く走るし静かだし乗りやすくストレスもない。
    もう軽で十分ですね。
  • sakura_111
    初代アルト4人乗れるけど
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

-万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

78.0256.0万円

中古車を検索
スバル360の車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

-万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

78.0256.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村