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フェルスタッペンが6番手から今季15勝目。角田裕毅は入賞&ファステスト【決勝レポート/F1第19戦】

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フェルスタッペンが6番手から今季15勝目。角田裕毅は入賞&ファステスト【決勝レポート/F1第19戦】

 現地時間10月22日、2023年F1第19戦アメリカGPの決勝レースが行われ、6番手から追い上げたマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が今季15勝目を飾った。2位にルイス・ハミルトン(メルセデス)、3位にランド・ノリス(マクラーレン)が続いた。アルファタウリの角田裕毅は10位、さらに日本人ドライバーとしては3人目となるファステストラップをマークし、今季4度目の入賞を果たした。

 サーキット・オブ・ジ・アメリカズを舞台に開催されたアメリカGP。タイヤコンパウンドはC2タイヤがハード(白)、C3タイヤがミディアム(黄)、C4タイヤがソフト(赤)と、前戦から1段階柔らかめとなる。スタートタイヤは、18台がミディアムをチョイス。ピットスタートのニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)、ランス・ストロール(アストンマーティン)の2台がハードを選択した。

【追記/ポイントランキング(正式)】2023年F1第19戦アメリカGP終了時点

 天候は青空が広がる晴れ。気温度30度、路面温度41度、湿度42パーセントというコンディションのなか、現地時間22日14時(日本時間23日4時)より56周の決勝レースはスタートを迎えた。

 抜群の蹴り出しを見せた2番グリッドスタートのノリスがルクレールからターン1のホールショットを奪う。ポールのルクレールは2番手に後退し、3番手にカルロス・サインツ(フェラーリ)が浮上する。4番手ルイス・ハミルトン(メルセデス)、5番手フェルスタッペン、そして6番手には10番手スタートのオスカー・ピアストリ(マクラーレン)が浮上した。

 トップに浮上したノリスはDRSが使えない序盤に猛プッシュ。2周目にはルクレールよりも0.7秒速いペースを見せ、DRS使用可能となった3周目終わりの時点でルクレールに対し2.4秒のギャップを確保し、ルクレールを寄せつけない。

 4周目、ターン12進入でハミルトンがサインツを攻略し3番手に浮上する。さらに5周目のターン12でフェルスタッペンがサインツをかわし4番手に浮上する。

 ハミルトンとフェルスタッペンの2台は2番手ルクレールを0.4秒上回るペースだったこともあり、6周目にハミルトンはルクレールのテールにつくと、バックストレートでハミルトンが2番手に浮上する。一方、スタートでピアストリと接触があったエステバン・オコン(アルピーヌ)は6周目終わりにピットに戻りリタイアとなった。

 8周目には4番手フェルスタッペンがルクレールに対しDRSを使用できる状況となるが、ストレートスピードの速いフェラーリをなかなかかわすには至らない。両者の戦いは11周目まで続いたが、バックストレートエンドでフェルスタッペンが3番手に浮上する。

 この時点でフェルスタッペンは、首位のノリスとは7.5秒、2番手ハミルトンとは4.4秒というギャップだった。そんななか、10周目にピアストリがスローダウン。スタートでのオコンとの接触の影響がここで姿を現しピアストリもリタイアとなった。2台がリタイアとなったことで11番手スタートの角田は9番手に浮上している。

 一時は3秒まで広がったノリスとハミルトンのギャップだったが、14周目にはその差は1.9秒まで縮まり、第1スティント終盤にハミルトンが接近する。ただノリスもペースをコントロールし、ハミルトンをDRS圏内には近づけない。

 そんななか、上位勢で真っ先にタイヤ交換したのは3番手フェルスタッペンだった。16周目終わりに2セット目のミディアムを投入。その動きをみてか17周目終わりにトップのノリスがピットインし、こちらはハードに交換する。

 19周目にはフェルスタッペンが1分40秒989のファステストを更新し、ノリスとのギャップを3.7秒にまで縮める。一方ステイするハミルトンには「このタイヤであと5周(計22~23周)いける?」とチームから無線が飛ぶ。ただ、この時点でフェルスタッペンからは2.7秒遅いペースとなっていた。

 ハミルトンは20周目終わりにピットイン。ハードに交換するが右フロントの交換に手間取ったこともあり、フェルスタッペンの6秒後方でコース復帰となる。

 23周目終わりにルクレールがピットインしハードタイヤに交換。これでコース上全車が最初のタイヤ交換を終え、その時点でトップはノリス、2番手フェルスタッペン、3番手ハミルトン、4番手サインツ、5番手ペレス、6番手ルクレールというオーダーに。

 ノリス、ハミルトン、ルクレール、ラッセルら、2セット目にハードを投入した車両には1ストップ作戦の可能性も残されているなか、26周目にはフェルスタッペンがノリスのDRS圏内に突入する。

 2ストップが確実なフェルスタッペンはミディアムタイヤでプッシュし、ノリスに対し揺さぶりをかけると、28周目のターン12でインに飛び込みラップリーダーにおどり出る。

 トップに浮上したフェルスタッペンだったが、ノリスがDRS圏内に留まったこともあり、ノリスをなかなか引き離すことができないままレースは後半へ。2番手ノリスはフェルスタッペンに食らいつきながら、フェルスタッペンのトラックリミット違反を無線で指摘する。

 ただ、31周目にはフェルスタッペンがペースを上げ、ノリスとのギャップを広げにかかった。ただ、34周目に3.8秒差までギャップを広げたフェルスタッペンは無線でブレーキへの文句を口にする。

 34周目終わりに2番手ノリスが2セット目のハードタイヤに交換すると、翌35周目終わりにはフェルスタッペンがハードタイヤに交換。両者同じタイヤを履くなか、2台のギャップは36周目時点で1.7秒。

 ただ、フェルスタッペンはステイするルクレールの攻略に手間取り、その間にノリスがこの時点でのファステストを更新。39周目にはノリスもルクレールをかわし、これでフェルスタッペンとノリスの直接対決の構図に。2台はほぼ同じペースで周回も、42周目には両者のペース差は0.3秒まで広がり、ギャップも2.2秒まで広がった。

 43周目、ターン12でハミルトンがルクレールを攻略し3番手に浮上する。ハードタイヤで20周を走行するルクレールはハミルトンから2秒遅れというペースとなり、なす術がなかった。

 上位勢で終盤唯一ミディアムタイヤを履いたハミルトンは2番手ノリス、そしてトップのフェルスタッペンとの間合いを詰める。一方、ピットスタートから追い上げたフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)が45周目のターン12で角田をオーバーテイク。これで角田は10番手に後退。

 さらに、角田は47周目に同じくターン12でストロールにかわされ11番手ポイント圏外に後退する。ただ、角田はサスペンショントラブルに見舞われペースダウンしたアロンソをかわし10番手、ポイント圏内の座を取り戻す。

 49周目のターン1でハミルトンがノリスをかわし2番手に浮上。残り8周でトップのフェルスタッペンとは5.3秒差となるなか、ハミルトンはさらにプッシュ。ブレーキを労るフェルスタッペンとの間合いを詰めにかかるが、それでもフェルスタッペンのペースは悪くない。

 56周目を終え、2023年F1王者フェルスタッペンが6番手スタートから今季15勝目を飾った。ハミルトンは2.225秒までギャップを縮めるも2位。そして3位にノリスが続いた。4位サインツ、5位ペレス、6位ポールスタートのルクレール、7位ラッセル、8位ガスリー、9位ストロール、10位角田までがポイント獲得。

 さらに角田は後続とのギャップに余裕があったこともあり、終盤ソフトタイヤに履き替え、ファイナルラップに1分38秒139のファステストを記録。計2点で今季4度目の入賞を果たした。

 なお、日本人ドライバーによるF1ファステストラップ記録は1989年第16戦オーストラリアGPの中嶋悟(ロータス)、2012年第3戦中国GPでの小林可夢偉(ザウバー)以来3人目となる。

 次戦となる2023年F1第20戦メキシコシティGPは、10月27~29日にメキシコのエルマノス・ロドリゲス・サーキットで開催される。

【追記】決勝後、ルイス・ハミルトン(メルセデス)とシャルル・ルクレール(フェラーリ)のマシンに、フロアおよびプランクに関する技術レギュレーション違反が見つかり、両車は失格になった。そのため、リザルトは大幅に変更になり、10位フィニッシュの角田は8位に繰り上がった。

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