■先代のアイデア装備だった「わくわくゲート」
先代のホンダ ステップワゴン(2015年4月発売)で特徴的な装備だったのが「わくわくゲート」。大きな縦開きのテールゲートに、横開きのサブドアを設けて使い勝手を向上させた新提案のアイテムであった。サブドアは左横開き式で、荷物の出し入れのほかに、3列目の乗員の乗降にも使えるという点が売りだった。機構的には、テールゲートの中央からやや運転席側に、サブドアのヒンジがビルトインされ、リヤガラスはピラーと分割線によって左右が分断されていた。わくわくゲートは当初、タイプ別の設定だったが、最終的には全車標準装備となるものの、非装着車(通常の縦開き式テールゲートを装備)を一部グレードに設定する形になった。
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このわくわくゲートを新型にも継承するのか!? 使ってみれば非常に便利な機能だが、先代の販売が伸び悩む原因にもされてしまうなどどうやら雲行きは怪しかった。そこで新型を見ると、やはり廃止されていた。なぜ新型に受け継がれなかったのか、その本当の理由について開発責任者を務めるLPLシニアチーフエンジニアの蟻坂篤史氏に伺った。
■わくわくゲートをやめた理由
「いろいろな方から必ずそう聞かれるんですけれども、一番簡単に言うと、わくわくゲートのデザインに拒否反応があり、お客様が逃げたというか、購入していただけなかったという例がかなりあったんです。わくわくゲートのせいで買わない。このリヤのデザインは嫌だというお客様が非常に多かったのです。一方で、買っていただいたお客様には非常に好評だったんですよ。けれども、まずこれが嫌だから、購入にぜんぜん至らないんですよ。
ただ当初、新型の企画の時には(わくわくゲートの採用を)考えていました。先代のわくわくゲートって、人の乗り降りまで考えたものだったんですけれども、私が考えていたのは荷物だけ。実際のお客様の使われ方として、荷物の出し入れが多く、それであれば荷物に限定したわくわくゲートにすればもう少しシンプルにできる。というわけで進めようとしたのですが、やはりネックになったのがそのデザイン。ではどういうデザインだったら、受け入れられるのかということで、(サブドアの)分割線をどこに入れるとか、かなりスケッチを描いたんです。それで実際に調査をかけました。
そうしたら、結論はやはり(サブドアによって左右に分割される)縦線が入るのが嫌だという話に。それで諦めました。縦線が1本入るだけでお客様は抵抗感を示されるんですよ。営業サイドにも調査をかけてもらいました。その結果、やはりダメでした。買っていただくショッピングリストに載る前にダメだと言われてしまうものですから、どうにもならないんですよ。残念ながらわくわくゲートは諦めましたね。
また、こういった大きなアイテムは、全適(全車適用)にしない限りは、仕様としてオプションでは成立しないと。そうすると、すべてに“縦線”が入ってしまうことになり、同じことが起こる可能性があるということでやめました」
1本の分割線によって、顧客との関係が分断されてしまっては元も子もない。
〈文=ドライバーWeb編集部〉
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