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ウン千万円でも日本はスーパーカーが激売れ!? ランボルギーニ 新型「ウラカンEVO」の狙いとは

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ウン千万円でも日本はスーパーカーが激売れ!? ランボルギーニ 新型「ウラカンEVO」の狙いとは

■多くのユーザーに向けた新型「ウラカンEVO」

 ランボルギーニ・ジャパンは2019年3月8日、ランボルギーニで最も売れているウラカンの進化モデル、新型「ウラカンEVO」を発表しました。価格は2984万3274円(税抜き)で、2019年春から順次デリバリー予定となっています。

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 ランボルギーニ新型ウラカンEVOとはいったいどういうモデルなのでしょうか。アウトモビリ・ランボルギーニでウラカンEVOの開発責任者であるヴィットリオ・ミラーノ氏は、「そもそもEVOとはエボリューションの略。ウラカンをさらに進化させたいという思いから名付けました。お客様に色々調査したところ、ウラカンのデザインは非常に好まれていたのです。そこで、外観は極力変えずにパフォーマンスだけを上げるよう、開発の狙いを定めました」と説明します。

 そして、ウラカンペルフォルマンテとの違いについてミラーノ氏は、「エンジンは同じですが、ペルフォルマンテはサーキットなどのスポーツ走行を好む、より限定的なユーザー向けに開発されたクルマです。一方EVOは様々な使用シーンを想定して開発されたクルマですので、サーキットだけでなく、より日常的に使うことができます。従って、幅広いターゲットユーザーを想定しているのです」とコメントしました。

■ウラカンEVOの特徴は4つ!

 では、ウラカンEVOの特徴をミラーノ氏に説明してもらいましょう。そのポイントは4つあるといいます。

 まずは、空力性能・デザインです。前述のとおりお客様からの評価が高かったデザインは継承しています。そのうえで、「空力を高めることにフォーカスしたのです。つまり、エクステリアデザインの細部にわたり、空気の流れを調整することによって空力性能を向上させました」といいます。

 ミラーノ氏によると、「前部ではフロントスプリッターを採用することによって空力を高め、同時に冷却も改良しました。またテール部分では、2つの効果を狙ったスポイラーを採用することにより、グランドフォースとエアロダイナミクスを改良しています」と述べます。

 また、アンダーボディも最適化されました。これによってダウンフォースの効果を大幅に向上させ、高速走行時のバランスも改良しています。これらの結果、ダウンフォースは7倍改善し、冷却性能も大幅にアップ。空力バランスも改善しているのです」とのことでした。

 次にエンジンですが、ウラカンペルフォルマンテと同じエンジンを採用しています。ミラーノ氏は、「これはランボルギーニがこれまで開発した最高のもので、エモーションなエンジンでなければならないことを考え採用しました。また、このエンジンはV型10気筒自然吸気ですので、迫力あるサウンドを生み出します。自然吸気のエンジンだからこそこれだけのエモーショナルなサウンドを生み出すことができるのです」と話します。

 さらにパフォーマンスを上げるために新しいテクノロジーも採用されました。例えばチタン製のインテークバルブです。これによって、エンジンの冷却性能が向上しています。また、スーパーエキゾーストシステムも搭載していますので、その結果、ペルフォルマンテと同じ最高出力640馬力、最大トルク600Nmとしながらも、「よりフラットな出力・トルク特性となっています」と述べました。

■最も力を入れたダイナミクス性能

 そして3つ目は車両のダイナミクスだとして、「これは今回の取り組みで最も重要な点です」とミラーノ氏はいいます。

 まずは現在のウラカンに採用している、四輪駆動やダイナミックステアリング、トラクションコントロール、マグネットライトサスペンション、ランボルギーニプレタフォルタマニアレ(ボディコントロールシステム)はそのまま継続採用(一部改良)されました。

 そこに加え、大きく3つの革新的なシステムが加えられました。ひとつは「アクティブトルクベクタリングです。これは、全てのホイールのトルクをマネジメントするもの。次に四輪操舵を採用しました。つまり後輪も操舵するのです。このようなセグメントでこの四輪操舵を提供しているのはこのモデルだけでしょう」とミラーノ氏。

 そして、LDVI(ランボルギーニ・ディナミカ・ヴェイコロ・インテグラータ)というシステムが採用されました。ダイナミックヴィークルマネージメントシステムと捉えられるものです。「クルマのあらゆるハンドリング・ダイナミックに関するシステムの全てを統合するコントロールユニットです。簡単にいうと、ダイナミック関連のシステムを全て管理する、オーケストラの指揮者のようなものです。それぞれの楽器が最高の結果を出せるように全体を統括するのがこのシステムといっていいでしょう」と説明します。

 その大きな特徴は、「今のシステムのほとんどはフィードバックロジックですから、何かが起こるとシステムがそれに対してリアクション、対応します。しかし、LDVIはフィードバックではなくフィードフォワードロジックを採用していることがポイントです」といいます。つまり「学習することによってドライバーにとって最適なものはどんなものなのかをその都度判断するというものなのです」とミラーノ氏。

 たとえば理想的なライン取りをサーキットで走ろうという場合、「今までのシステムではフィードバックロジックですから、若干タイムラグによってラインからの逸脱を発生させてしまうことがあります。一方、フィードフォワードロジックはそうではなく、事前に何が起こるかを予測しますので、ドライバーがどういうことを意図しているのかを予測し、最高のレスポンスを提供するのです」

 そのロジックは、「様々なインプット、信号を読み取り、ドライバーの意図を分析、処理するのです。例えばドライバーがステアリングをどれだけ速く切っているのか、またギアボックス、スロットル、選んでいるドライブモードといったドライバーの意図を察知。クルマ側のサスペンションのインプット、ヨー角、どういった挙動がどのように示されているのか、そういったものを読み取った上でコントロールユニットが分析、フィードフォワードロジックで予測をし、ドライバーが望んでいるようなレスポンスを提供します。つまりクルマがドライバーの意図を予測、四輪駆動、四輪操舵、トラクションコントロール、トルクベクタリングなどを駆使して最適な環境を提供するのです。その結果、ドライバーは常に乗って楽しく自信を持って運転できる、安心して安全に乗ってもらえるのです」と説明しました。

 ここで気になるのは、どこまでどのように予測ができるのかです。そこでミラーノ氏に、ドライバーがドリフト走行をしている状況と、スピンモードに陥っている状況をどのように区別するのかと質問をぶつけてみました。ミラーノ氏は、「ドリフトをしたい場合にはステアリングやアクセル操作が必要ですので、例えばカウンターをどうあてているのか、またその時にアクセル操作はどうなっているのかを検知して、その予測をもとに、ドリフトを楽しんでいると判断すれば、クルマ側がドリフトをサポートします。そうすると簡単にドリフトできます。一方、ドリフトしたくないということが分かれば、トラクションをフロント側により配分して、安全に運転できるようになります」と回答してくれました。

■好調な日本市場、2019年はさらに伸びると予測

 最後はユーザーエクスペリエンスです。ウラカンEVOではインテリアを一新。センターコンソール部分を大幅に変更し、フルタッチスクリーンが採用されました。ここでは、ビークルダイナミクスとして、リアルタイムに四輪駆動、トルクベクタリング、トラクションコントロールなどの各システムがどのように作動しているかがわかるようになっています。また、サーキット走行等に活用できるテレメトリーも表示可能です。また、ナビゲーションやラジオ等の操作もここで行います。

 最後にミラーノ氏は「アドペルソナムプログラムによって、300以上のカラーの組み合わせを含めたカスタマイゼーションを用意しています。その他にもステッチングやレザー、アルカンターラ、ホイールなど、様々なものをお客様が自由に選べますので、世界で1台のクルマを作ることも可能となっています」と結びました。

 アウトモビリ・ランボルギーニ日本及び韓国のカントリーマネージャーを務めるフランチェスコ・クレシ氏は、日本市場について、「ランボルギーニの中でトップ3に入る重要な市場です。昨年は591台を販売し、2017年から二ケタ成長と、大幅に伸びています。2010年はたった40台しか売っていなかったことを考えると、大きな成長を遂げたことになります」と高く評価しました。

 また新型SUVのウルスについてクレシ氏は、「日本でも大成功を収めており、お客様からも好評です。その結果、今までのランボルギーニの基盤ユーザーだけではなく、60から70%が新規ユーザーとなりました」と現状を語ります。

 ウラカンEVOについても、「これまでのウラカンに比べて大きく進化を遂げたクルマです。日本ではこのようなテクノロジーやイノベーションを好むお客様が多いので、積極的にランボルギーニがこういったクルマを日本市場に導入する点も、我々が日本市場で成功している理由にもつながっていると思います」とコメントしました。

 そういったことを踏まえ、「2019年はウルスにとって初のフルイヤーになりますので、ランボルギーニ・ジャパンとしては全体で700台の販売を目標としています」と意気込みを語りました。

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