■同じラグジュアリーオフロードSUV? LXとGXの違いは?
2023年6月9日に鮮烈デビューを果たしたレクサス新型「GX」。今回で3代目となりますが、どのような立ち位置のモデルなのでしょうか。
また海外勢でのライバルは何になるのでしょうか。
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2021年に「ランドクルーザー(300系)GRスポーツ」を見た時も、なかなか驚かされましたが、新型GXは衝撃的とも言えるデザインとメカニズムを纏って登場しました。
レクサスと言えばプレミアムブランドで、これまで一般的なイメージとして「泥臭さ」とは無縁と言える存在でした。
ランドクルーザー300のラグジュアリー版と言える「LX」も高いオフロード性能を有しているものの、オフロード色はそこまで強くありません。
また2002年に登場した初代GX、そしてその後の歴代モデルもまた、都市生活者を狙ったデザインのものばかりです。
今の時代の空気感と言えばそれまでですが、新型GXは、見た目でなく中身までヘビーデューティに仕上げてきました。
では、そもそもGXとはどのようなモデルなのでしょうか。
GXは2002年に初代モデルのデビュー以来、トヨタ「ランドクルーザープラド(120系)」とシャシを共有、つまりラダーフレーム構造を採用してきました。
初代GXの兄弟車であるランドクルーザープラド(120系)には、ランドクルーザー(100系)という兄貴分もあります。
100系とプラドはボディサイズの差違だけでなく、100系は高級路線、プラドはライトユーザー路線という部分も担っていたのです。
もちろん共にランドクルーザーシリーズですから、ベーシックグレードは僻地でワークホースとして酷使されるという面も持っています。
一方、レクサスブランドにおいて、LXはその時代のランドクルーザーのトップモデル、つまり100系、200系、300系とシャシを共有していました。
そしてGXはプラドをベースにしていました。これまで両モデルとも、都市生活者向けのラグジュアリーなSUVという立ち位置でした。
そうした各歴代モデルにおける関係があった中で今回の新型となるLXとGXについて、レクサスはそれぞれのコンセプトを次のように説明しています。
新型LXは「いかなる場所においても快適で上質な時間を乗員に提供」としているのに対して、新型GXは「苛酷な悪路から街中の舗装路に至るまで、様々なシーンで心高まる体験を提供」となっています。
つまり、新型LXでは「オフロードも走れる」という若干引いた表現であるのに対して、新型GXでは「オフロードカーです」と宣言しているのです。
もちろん、そのことはデザインを見れば一目瞭然といえ、新型GXのエクステリアデザインはオフロードでの車両の四隅が把握しやすいスクエア形状、四方の視界を極力確保するための細いピラー、そして広いグラスエリアを採用。
前方の障害物を素早く察知できる、中央部を大きくえぐったボンネット形状を採用しています。
■新設定の「OVERTRAIL」仕様! ライバルはどんなモデル?
またレクサスは新たなアウトドアライフスタイルとして「OVERTRAIL PROJECT」の推進。これは、「クルマの楽しさ」と、「自然の魅力に触れる様々な体験」を提供するというものだとレクサスは言い、単純な「泥臭さ」とは違う世界観を打ち出すようです。
具体的には近所でのピクニックやキャンプなどの「カジュアルなアウトドア」から、山道・雪道・砂漠などの「オフロード」、アクセスしにくいエリアでの本格的な「オーバーランディング」まで、幅広いアウトドアライフスタイルでクルマの楽しさを体感出来る仕様が展開されていきます。
これまでコンセプトモデルとして新型「RX」や先代「GX」をベースにした仕様が公開されてきましたが、いよいよ新型GXにグレードとして「OVERTRAIL」仕様を設定しました。
この仕様では、オフロード性能を高める専用エクステリアやオールテレーンタイヤの装着。
さらにランドクルーザー300系に用いられたE-KDSSやブレーキ制御技術(マルチテレインセレクト・クロールコントロール)とマルチテレインモニターなどを採用しています。
これに加えて足回りやパワートレーンなど基本的なメカニズムは、ランドクルーザー300系ゆずりであり、そのDNAはもはやランクルと言っても過言ではないほどです。
電子デバイスの多くは新型LXと共用で、快適性や安全性の面では紛れもなくレクサス。
もちろんランドクルーザー300系、新型LX同様に「新GA-Fプラットフォーム」を採用しています。
しかも、3.5リッターV型6気筒ツインターボと2.4リッター直列4気筒ターボエンジンを組み合わせたハイブリッドシステムを持っているので、市場でライバルと予想されるモデルに対して大きなアドバンテージを持っています。
※ ※ ※
こうした特徴を持つ新型GXは、これまではLXと似たような特徴を持つ弟分という印象を払拭しました。
ちなみにランドローバーでは、日本市場でLXのライバルである「レンジローバー」を筆頭に、「レンジローバー・イヴォーグ」や「ディスカバリー」といったキャラクターの棲み分けがはっきりとしたラインナップになっています。
さらに、2019年にはそれまで異質な存在だった「ディフェンダー」をフルモデルチェンジし、身上はオフロードヴィークルですが、モノコックボディを採用したマルチパーパスカーという体に変えました。これによって、現代のランドローバーブランドにディフェンダーが自然とフィットするだけでなく、従来のプレミアムSUVとは違うものを求める客層の取り込みに成功したのです。
そうした背景もあり、新型GXのライバルはまさにディフェンダーと言えます。また同じくプレミアムオフロードという点では、メルセデス・ベンツ「Gクラス」も存在しますが、それとも違う個性もあるため、日本で発売されれば大注目間違いなしです。
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みんなのコメント
一向に盗まれないのが不思議でならない。