現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > さらば、アルヴェル!! ディーラーマンが思わず唸った「アルファード/ヴェルファイアのここがすごかった」

ここから本文です

さらば、アルヴェル!! ディーラーマンが思わず唸った「アルファード/ヴェルファイアのここがすごかった」

掲載 164
さらば、アルヴェル!! ディーラーマンが思わず唸った「アルファード/ヴェルファイアのここがすごかった」

 現行アルファード・ヴェルファイアに、まさかのオーダーストップがかかった。新型登場を見越してのようだが、その登場は約1年も先の事。直近の販売ランキングでもトップ10にしっかり入る販売の要が、早々と世代交代の準備へ入るようだ。

 そこで3代目アルファード・ヴェルファイアの回顧録として、筆者が営業マンをしていて、思わず唸ってしまった「凄いところ」を紹介していこう。おそらく今後も語り継がれることとなる、アルヴェルの販売伝説をここに書き記す。

さらば、アルヴェル!! ディーラーマンが思わず唸った「アルファード/ヴェルファイアのここがすごかった」

文:佐々木 亘
画像:TOYOTA

■競合が存在しないクルマ

 商談を進めていく中で、ユーザーへ必ず確認するのが競合車の有無だ。クルマの商談では、競合車種や平行して検討しているクルマは、ほとんどの場合存在する。

 アルファード・ヴェルファイアであれば、エルグランドや、ラージサイズSUV、少し小さいがノア・ヴォクシーなどが挙がりそうなものだが、競合車が出てこない。ほとんどのケースが、アルヴェル一本に絞られた商談なのだ。

トヨタ アルファード

 チャネル別で販売している時でも、アルファードとヴェルファイア同士が競合になるというのも少なかった。ユーザーからすると、アルファードやヴェルファイアの代わりは無く、その存在は唯一無二のものなのだろう。

 ライバルがいないということは、その商談に注力出来て良さそうだが、競合車伺いは、商談相手の懐を探る重要な質問でもある。ちょっとイレギュラーで、常套句が使えないアルファードとヴェルファイア。営業マンに厳しい側面も見せるのが、少々ニクイ存在だ。

■レクサスを手放してもほしい

 トヨタユーザーの買い替えでは、選択肢がレクサスになることもある。そのため、同一販社内にレクサス店があるトヨタ販売店では、レクサスへの「紹介」があるのが常だ。

 しかし、その逆はかなり少ないもの。一度レクサスオーナーになってしまうと、トヨタ車へ買い替えをするというのは珍しい動きとなる。

 レクサスでセールスコンサルタントをやっていた筆者。レクサスオーナーが流れていくのは、ドイツ御三家などの輸入車だと思っていたが、3代目アルファードのマイナーチェンジで、その考えは大きく覆される。

 フェイスチェンジが行われ、エグゼクティブラウンジの仕様が拡大されると、レクサスオーナーが挙って注目したのだ。特にアルファードへの視線は熱かった。

 当時、販社系列にはトヨタ店とネッツ店しかなく、筆者の紹介先にアルファードという選択肢は無かった。「ヴェルファイアならお話を繋げますが」と、担当オーナーに話をしたが、「どうしてもアルファードがほしい」という声は変わらない。当時、LSやGS、RXなどのオーナーが、相当数アルファードへ流れている。

 トヨタからレクサスへという、誰もが信じて疑わなかった流れを、真逆にさせたアルファード。レクサスから見て、ここまで脅威に感じたトヨタ車を、筆者は他に思い浮かべることはできない。

■スペック=クルマの価値ではない

 燃費や室内の広さなど、数字で表すことができるクルマの性能は多い。燃費で言えば0.1km/Lの差が価値となり、広さや大きさなどは1cmの差で、クルマ選びが決まると言ってもいい。それだけ、カタログスペックは大切な数字だ。

 ほとんどの場合、ライバル車との数値の差は、営業マンの頭の中に入っている。優位な点、不利な点を理解しながら、自社製品をうまくアピールしていくものだった。

 数字は絶対的な尺度であり、そのクルマの価値である。そう思っていた営業マンたちの概念を大きく変えたのがアルファードとヴェルファイアの存在だ。

 例えばミニバンで重要視される乗降性で見てみよう。アルファード・ヴェルファイアはスライドドアの下端で450mmの高さがあるのに対し、ノア・ヴォクシーは380mmである。低床低重心を打ち出していた、ホンダ・オデッセイはさらに低く、2列目の乗降性は明らかにアルヴェルが劣る。

 また、床面が高いため、室内の高さを確保するために全高を上げざるを得ない。アルヴェルの全高は1,935mmと他車に比べて圧倒的に高いのだ。

トヨタ アルファード居室

 床面が高く、全高が大きくなることで、燃費・乗り心地・走行安定性などが犠牲になる。それでも、数字では表せない空間美や、あえて見下ろす形になるクルマの特性を、ユーザーは選んでいくのだ。

 アルファード・ヴェルファイアを見ていると、カタログに載っている数字に、本質的な価値がリンクしないことが、よくわかった。他車であれば重要になるスペックも、アルファード・ヴェルファイアにかかれば、無意味なモノと化す。

 それだけ、他に魅力が多いということなのだろう。

 セオリーや普通が存在しないのがアルファード・ヴェルファイアの取り扱いだ。特に現行型では、その凄さが顕著に現れている。

 次世代の登場へ向けて、早々と販売を終えたアルファード・ヴェルファイア。モデルチェンジでは、どのような驚きを届けてくれるのか、楽しみに待っていたい。

こんな記事も読まれています

空力開発ハンデは、ランキングではなく獲得ポイントに応じて設定すべき? メルセデスのラッセル「そうすれば、下位チームはもっと早く追いつく」
空力開発ハンデは、ランキングではなく獲得ポイントに応じて設定すべき? メルセデスのラッセル「そうすれば、下位チームはもっと早く追いつく」
motorsport.com 日本版
川崎重工、潜水艦修理巡り海自隊員を接待、下請け会社との架空取引の裏金を流用[新聞ウォッチ]
川崎重工、潜水艦修理巡り海自隊員を接待、下請け会社との架空取引の裏金を流用[新聞ウォッチ]
レスポンス
全長4m以下! 約170万円のトヨタ「小さいSUV」が人気沸騰!? 販売再開した「ライズ」一体どんな人が購入してる?
全長4m以下! 約170万円のトヨタ「小さいSUV」が人気沸騰!? 販売再開した「ライズ」一体どんな人が購入してる?
くるまのニュース
スズキの軽SUV「ハスラー」に“斬新クーペ仕様”あった! 悪路も走る「スポーツ軽自動車」に反響あり! 新ジャンル「ハスラークーペ」がカッコいい
スズキの軽SUV「ハスラー」に“斬新クーペ仕様”あった! 悪路も走る「スポーツ軽自動車」に反響あり! 新ジャンル「ハスラークーペ」がカッコいい
くるまのニュース
モトクロッサーKX譲りのスタイリングがカッコいい! カワサキが「KLX110R L」の新型モデルを発売
モトクロッサーKX譲りのスタイリングがカッコいい! カワサキが「KLX110R L」の新型モデルを発売
バイクのニュース
人生一度はカーレースをやってみたい……だったらマツダ車しかない! ハードルは低いのに本格的な「マツ耐」に潜入取材した
人生一度はカーレースをやってみたい……だったらマツダ車しかない! ハードルは低いのに本格的な「マツ耐」に潜入取材した
WEB CARTOP
第37回「用品大賞2024」、マルカサービスのホイールブランド「MTW」シリーズがグランプリ受賞
第37回「用品大賞2024」、マルカサービスのホイールブランド「MTW」シリーズがグランプリ受賞
日刊自動車新聞
最強のゴルフ「フォルクスワーゲン ゴルフ R」正式発表!333馬力のフェイスリフト 特別仕様車「ブラックエディション」も出る!
最強のゴルフ「フォルクスワーゲン ゴルフ R」正式発表!333馬力のフェイスリフト 特別仕様車「ブラックエディション」も出る!
AutoBild Japan
都心~川越直結「和光富士見バイパス」早く全通させて!埼玉県が国へ”直訴” 川越街道の「地獄渋滞」もうウンザリ!? 予算確保に”協力要望”
都心~川越直結「和光富士見バイパス」早く全通させて!埼玉県が国へ”直訴” 川越街道の「地獄渋滞」もうウンザリ!? 予算確保に”協力要望”
くるまのニュース
VW『パサート』新型発表…ステーションワゴン専用モデル、9月から受注
VW『パサート』新型発表…ステーションワゴン専用モデル、9月から受注
レスポンス
全長4.1mのコンパクトボディ フォルクスワーゲンのベストセラーSUV 新型「Tクロス」日本登場! どう変わった?
全長4.1mのコンパクトボディ フォルクスワーゲンのベストセラーSUV 新型「Tクロス」日本登場! どう変わった?
VAGUE
ランクル250もオプションで用意される丸型ヘッドライトが大人気! いまジワリ「丸目クルマ」がきてる!!
ランクル250もオプションで用意される丸型ヘッドライトが大人気! いまジワリ「丸目クルマ」がきてる!!
WEB CARTOP
トヨタから新型「ミニランクル」登場か!? 名前は「ランドクルーザーFJ」か? 250系に続く新モデルはレトロデザイン? いつ発売?
トヨタから新型「ミニランクル」登場か!? 名前は「ランドクルーザーFJ」か? 250系に続く新モデルはレトロデザイン? いつ発売?
くるまのニュース
スズキの8耐ファクトリーチーム「チームスズキ CN チャレンジ」 チームディレクターに直撃インタビュー(前編)
スズキの8耐ファクトリーチーム「チームスズキ CN チャレンジ」 チームディレクターに直撃インタビュー(前編)
バイクのニュース
車内電源DIY術! スマホ充電から100V機器まで完全ガイド~Weeklyメンテナンス~
車内電源DIY術! スマホ充電から100V機器まで完全ガイド~Weeklyメンテナンス~
レスポンス
日産 GT-R【1分で読めるスーパーカー解説/2024年最新版】
日産 GT-R【1分で読めるスーパーカー解説/2024年最新版】
Webモーターマガジン
【クルマの通知表】近ごろ街の主役級、堂々たるフォーマルミニバン、トヨタ・アルファードの際立つ存在感
【クルマの通知表】近ごろ街の主役級、堂々たるフォーマルミニバン、トヨタ・アルファードの際立つ存在感
カー・アンド・ドライバー
マツダが超パワフルな「爆速ターボ」搭載の「新型ホットハッチ」実車公開! スポーティな「2.5リッターターボ」装備した「すごいコンパクトカー」の正体とは
マツダが超パワフルな「爆速ターボ」搭載の「新型ホットハッチ」実車公開! スポーティな「2.5リッターターボ」装備した「すごいコンパクトカー」の正体とは
くるまのニュース

みんなのコメント

164件
  • アルヴェル
    トヨタ歴代のクルマの中でこれほど下品なものを知らない
    こんな下品なクルマとそれを愛好する下品なオーナー達はまとめてそのままこの世から消えて欲しい
  • ん?結局何が言いたのだ?
    全高が高いこと以外、具体的な根拠が全く論じられていない気がする。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

540.0872.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

19.02199.0万円

中古車を検索
アルファードの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

540.0872.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

19.02199.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村