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新型日産エクストレイルとRAV4などミドルSUV4車種を徹底比較

掲載 更新 11
新型日産エクストレイルとRAV4などミドルSUV4車種を徹底比較

新型車比較・ライバル車対決 [2022.11.29 UP]


新型日産エクストレイルとRAV4などミドルSUV4車種を徹底比較
●文:川島茂夫

新型日産エクストレイルでロングラン 最新プロパイロットの実用感を試す


エクストレイルの登場で激戦ぶりが加速するのは必至!

【NISSAN 新型エクストレイル & ライバル】ミドルSUV選び ベストバイ
価格に見合う実力車が
選べる、注目のカテゴリー
 ミドルSUVはタウンユースには大きめの車体ながらキャビン実用性やオン&オフロード性能のバランスとれたカテゴリーだ。それだけに実力車が揃っている。
 SUV本来の「レジャービークル」のコンセプトをもっとも体現しているのがRAV4だ。ミドルSUVの中でもオフロード志向が強く、特にガソリン車が充実している。また、ハイブリッド車はガソリン燃料モデルではWLTC総合燃費で唯一20km/ℓを超える省燃費性能も見所。ガソリン車の充実もあり、価格レンジも広く、今回比較する5モデルの中では最も予算に合わせた選択がしやすいことも長所。ミドルSUVをリードするモデルにふさわしい存在だ。
 ただ、エクストレイルもスペックを見る限り、悪路踏破性能はかなり期待できる。悪路踏破性の要点のひとつとなる後輪駆動出力はRAV4ハイブリッドのE-Fourの2.5倍。後輪を積極的に活用する駆動制御を採用しているので、性能と価格のコスパ面はもちろん、悪路性能においても好ライバルになりそうだ。
 一方、エクストレイルのセールスポイントの一つにもなっているプレミアムキャラでは、CX-60とアウトバックが有力なライバルになる。車格設定やボディサイズはエクストレイルの上位クラスとなるが、エクストレイルの上級グレードが正面からぶつかる格好だ。
 CX-60はFRプラットフォームに直6ディーゼルとマイルドハイブリッドを組み合わせたパワートレーン、アウトバックは実用域からトルクフルな1.8ℓターボを搭載することで、上級クラスらしい走行性能を発揮。エクストレイルのe-POWERとは異なるが、車格にふさわしい動力性能も与えられている。
 また、CX-60のマイルドハイブリッド・ディーゼル車はWLTC総合モードで21.0km/ℓを達成。安価な軽油を燃料とすることもあり、スペックからの推定になるがミドルSUV以上では最も燃料代が安いモデルになるだろう。経済性という面でもハイブリッド勢と戦うことができる。
 現行モデルでアウトドア志向を強化したアウトバックは突出した長所はないものの、オン&オフロードの走りやレジャー用途での使い勝手などバランスよく纏めている。外観や居心地を軸にプレミアムを求めるにはちょうどいい。アイサイトを軸とした安全運転支援機能が充実していることも心強い。

姉妹車アウトランダーが
ライバル筆頭モデル
 そしてエクストレイルの最大のライバルになるのが、アウトランダーだ。プラットフォームや基本車体では姉妹車の関係にあり、ごく大雑把な言い方ならエクストレイルのPHEVモデルになる。パワーユニットは前輪駆動周りの構成やハイブリッドの方式が異なるが、ツインモーター4WDを利した走りの質感向上は共通している。ちなみにハイブリッドモードのWLTC総合燃費はエクストレイルより約2km/ℓ劣る。
 走りのテイストはゆとりとしっとりとした落ち着きを旨とするエクストレイルに対して、アウトランダーは小気味よくスポーティな味わいが楽しめるタイプ。アウトランダーが走りの質感で劣っているわけではなく、運転感覚や乗り味の違いが差別点になるが、外部充電機構の有無だけでなく、走りの嗜好的な部分の違いや前述の燃費性能も加味して総合的に判断すべきだろう。なお、価格差はざっくり100万円。コスパならエクストレイルが有利だ。
 キャビンまわりの質感や荷室の使い勝手もミドルSUV選びにおいて重要だが、上級モデルにふさわしい走りが楽しめることも、このクラスを選ぶ理由だろう。比較した4モデルの走りの方向性は、それぞれに独自の味付けで差別化されているが、走りの実力は価格に見合ったものを持っている。ミドルSUVは選び甲斐のあるカテゴリーだろう。


NISSAN 新型エクストレイル

価格:319万8800~449万9000円
最新e-POWERを全グレードに搭載
e-4ORCE車が看板モデル
 先代に比べると大柄に見えるが、ボディサイズはほぼ同じ。先代はガソリン車も設定されていたが、新型はストロングハイブリッドのe-POWER車のみになる。駆動方式はFF車も選べるが、動力性能に優れるe-4ORCE車が主力だ。


キャビンまわりの質感が向上したことも新型の魅力。デジタルメーターや大型ワイドディスプレイなど最新車載ITも見所。2列5名乗り仕様のほか、一部グレードは3列7名乗り仕様も選べる。

TOYOTA RAV4

価格:293万8000~563万3000円
最新改良で機能装備を強化
PHEVを最上級グレードに設定
 ガソリン車があるためスタート価格は割安だが、ハイブリッド車同士で比較すると価格面でも性能面でもエクストレイルとはガチにぶつかる。10月の一部改良で機能装備を強化したほか、PHEVもグレード「Z」として採用。


●ガソリン車 高負荷域での加速性能に余裕はないが、実用走行ではパワースペック以上に余裕がある。上級モデルには悪路に優れた専用の4WDを採用するなど、手頃感のある価格設定もあって悪路志向のSUVとしてはコスパが高い。
●ハイブリッド車 燃費と実用動力性能を高水準で両立した走りだ。走りの車格感はカテゴリー相応の水準。悪路踏破性はガソリン車の上級モデルに及ばないがツーリング&レジャーでバランスがよく、全方位のウェルバランス型だ。最上級のPHVEはより外部充電機能が追加されたほか、動力性能もよりパワフルな仕様になっている。

MITSUBISHI アウトランダー

価格:462万1100~548万5700円
エクストレイルとは
姉妹関係にある強力ライバル
 エクストレイルとはシャシーや基本骨格を共有する姉妹車になるため、キャビン&荷室のサイズはほぼ同じ。ただ外部充電機能にも対応するPHEVということもあって価格は少し高めの設定になる。


急速充電にも対応した外部充電機能を備える。EVとハイブリッドの中間的な存在。オン&ラフロードでの走り、中でもミツビシの4輪統合制御技術のS-AWCを活かしたスポーティなハンドリングも見所になる。

MAZDA CX-60

価格:299万2000~626万4500円
走り自慢の最新マツダSUV
プレミアムキャラも売りの一つ
 多彩なパワートレーンとFRベースの駆動に加えて、魂動デザインがもたらすプレミアムキャラも売りの一つ。ベーシック仕様はお値ごろな価格設定だが、本革内装の上級グレードは価格がかなり高くなってしまう。


FRプラットフォームを活かした直6ディーゼルが出色の出来。エンジンフィールの心地よさと余力、燃費を高次元で達成。プレミアム感に絞ると中途半端な印象もあるが、長距離ツーリング適性はトップクラスだ。

SUBARU レガシィ アウトバック

価格:414万7000~429万円
オフロード性能にも優れる
スバルらしい上級SUV
 スバルSUVのフラッグシップモデルだが、価格はかなりお得な設定。アウトドア志向のX-BREAKとプレミアム志向のリミテッドの2つのグレードを選ぶことができる。レジャービークルを求める向きには見逃せない選択だ。


悠々サイズの車体を活かした寛ぎの室内にアウトドア趣味用途向けの実用面の工夫など、レジャーでの使い勝手や走りとプレミアムを上手く両立。レヴォーグと同じ1.8ℓターボは全域で車格相応の性能を発揮する。

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