ランボルギーニの新たな主軸、それは刺激的な存在
システム総合出力920cv。もし1015cvを誇るレヴエルトが先に登場していなかったら、「ウラカン後継車」、その名もテメラリオのスペックだとは誰も思わなかったに違いない。テメラリオのパフォーマンスは、0→100km/h加速2.7秒、最高速は340km/h以上。アヴェンタドール後継と説明されても納得するほどの数字である。
ランボルギーニがHuracanの後継車、Temerarioを電撃発表。新型はシステム出力920cvを誇る3モーターPHEVスーパースポーツ!
というわけで、テメラリオはもはや「ベビーランボ」ではない。何しろテメラリオとは、その昔マドリッドで活躍した闘牛の名前であると同時に、スペイン語で「桁外れに勇敢」という意味だ。ランボルギーニはそのことを「フォーリクラッセ=規格外」であると宣言した。
新色のブルーをまとったテメラリオの第一印象はというと、実はそんなハイスペックさをまるで感じさせない。むしろ従来にないほどラグジュアリーなムードのスーパースポーツだった。
最高出力は9000~9750rpmで発揮する。超高回転型エンジンだ。最高許容回転数はなんと1万rpmというから早くブン回してみたい。これらの開発にはモータースポーツ活動で得られた知見がフルに活用された。
これほどまでに潔く高回転型にできた理由のひとつに、電気モーターを加えたハイブリッド式が開発の前提とされたことが挙げられる。テメラリオはフロントに2基、エンジンとミッションの間に1基、計3基の電気モーターを備えている。フロント用アキシアルフラックスモーター2基によるeアクスルは、もちろんトルクベクタリングとしても働く。ちなみにレヴエルトとは違ってリア用もまたアキシアルフラックスモーターで、クランクシャフトと直結させた。
レヴエルトではリアモーターが8速DCTと一体となったeDCTを採用していた。ところがテメラリオではリアモーターはエンジンハウジングに組み込まれている。つまりDCTミッションそのものがレヴエルト用とは異なる。テメラリオ用は非常にコンパクトな機械式の新設計8速DCTなのだ。ちなみにレヴエルトではリバースをモーターの逆転で行ったが、テメラリオではリバースギアが備わる。
サウンドも楽しみのひとつ。ルーベン・モール率いる開発陣はフラットプレーンV8の特性をサウンドだけでなく振動でも体感できるようエンジンマウントやボディに工夫を施した。加えてサイレンサーボックスや排気バルブ、サウンド・シンポーザーなどを駆使し、ドライブモードごとに音響チューンを行っている。1万rpm付近でのサウンドとバイブレーションについてルーベンは「市販車では味わったことのないレベルに達している」と語る。実に楽しみだ。
トラック性能を重視する顧客向けに「アレジェリータ(軽量化)」パッケージも最初から用意する。各所にカーボン製エアロパーツを装着した姿が実に勇ましい。もちろん空力も向上している。
語るべきことは他にもたくさんあるが続きは乗ってからのお楽しみにしよう。価格はウラカン最終仕様からおよそ2割アップとなりそうで、日本での正式発表は11月29日の予定だ。
「ランボルギーニはドリームカーであり続ける」。チェアマン&CEOのステファン・ヴィンケルマンの言葉がすべてを物語っている。
2028年デビュー予定BEV、ランザドール情報
ランザドールは2028年にデビュー予定のBEV。2023年8月にコンセプトカーが発表された。首脳陣によれば、ほぼこのプロポーションで登場するという。ランザドールは2+2構成のGT。ヴィンケルマンCEOは、「次世代モデルを考えたとき、すでに存在する2種類のスーパーカーと1種類の大型SUVとはまるで違うカテゴリーにしなければいけないと思いました。そうすると必然的にGTとなります。しかもわれわれはいつもユーザーやファンを驚かせたい。そこでデザイナーやエンジニアが知恵を絞った結果が、このランザドールでした」と説明する。
メカニズムの詳細は未公表。開発部門を率いるルーベン・モールは、「フル電動パワートレーンの魅力は駆動力を4輪に自由に配分できることです。走りは従来と別次元。ドライバーはヒーローになったような気分でメガワット級の高性能GTを操ることができるのです」と教えてくれた。実に楽しみである。
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