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さらばVW「ザ・ビートル」最後の1台が日本上陸 復活の可能性はある?

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さらばVW「ザ・ビートル」最後の1台が日本上陸 復活の可能性はある?

■最後の「ザ・ビートル」63台が日本に陸揚げされた

 フォルクスワーゲングループジャパン(VGJ)が正規輸入するフォルクスワーゲン(VW)「ザ・ビートル」の最終ロットを積載した船が日本に到着、2019年9月25日に日本における最後のザ・ビートルが陸揚げされました。

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 ザ・ビートルはすでに2019年7月11日に、メキシコにあるプエブラ工場での生産を終了しています。

 今回、日本における最後のザ・ビートルを乗せた船は、2019年8月27日にメキシコ・アカプルコを出港、最終ロットとして63台のザ・ビートルを積載し、29日間をかけて日本に到着しました。

 最後の陸揚げを記念したイベントでは、最後の1台となったストーンウォッシュブルーメタリックのザ・ビートルRラインマイスターを、「Thank You! The Beetle」と書かれた黄色のTシャツを着た大勢のVGJ社員が迎えました。

 イベントでは、VGJ社長のティル・シェア氏は次のように話します。
「フォルクスワーゲンのブランドアイコンであるザ・ビートルですが、残念ながらこの青い1台をもって最後となります。

 このクルマはひと目でビートルとわかるシルエットで、内外装のいたるところに初代ビートルの伝統がちりばめられています。日本で初代のビートルが正式に輸入されたのが1953年、ニュービートルは1999年、そしてザ・ビートルは2012年が陸揚げされ3世代合計で約22万台のビートルが日本のお客さまにとどけられました。

 日本では黄色いビートルを見つけると1日幸せになる、というような噂が生まれ、日本のお客さまに愛されたことがわかりました。長年にわたりビートルを愛し、文化を育ててくれた日本のユーザーに感謝いたします」

※ ※ ※

 ザ・ビートルは、「21世紀のビートル」というキャッチフレーズで、2011年11月に開催された第42回東京モーターショーにて初公開。日本では2012年6月1日に発売されました。

 以来、2013年10月には2リッター搭載のスポーツモデル「ザ・ビートル ターボ」、2016年9月にマイナーチェンジ、2016年11月には1.4TSIエンジン搭載の「ザ・ビートルRライン」などを発売し、魅力を追加してきました。

 2018年1月からは「See You! ザ・ビートル」キャンペーンも開始され、特別仕様車も3グレード発売されています。

 登場から8年が経過したモデルですが、クラシカルな容姿は日本において好評で、2018年は輸入車モデル別ランキングで18位、2017年は同じく18位、2016年は16位と人気を維持していました。累計輸入台数は4万4681台です。

■80年の歴史がありVWのブランドアイコンでもあるビートル、その復活はある?

 VWビートルの歴史は、第2次世界大戦が始まる前の「ドイツ国民車構想」までさかのぼります。

 大人2人と子ども2人を乗せる居住性を確保し、燃費は7リッター/100kmを達成、さらに価格は当時としても安価な1000ライヒスマルスク以下にする、というこの国民車構想をベースに、フェルディナンド・ポルシェ博士が設計しました。

 「タイプ1」と呼ばれるビートルが量産されたのは1945年。以来2003年7月30日、メキシコ工場で最後の1台がラインオフする58年間の間に、2152万9464台という世界累計生産台数を記録しています。

 日本には1953年の初上陸からドイツ本国での生産が終了した1978年までの四半世紀の間に、累計8万9810台が輸入されました。

 2代目ビートルとなる「ニュービートル」は、1998年にデビューしました。3つの半円で構成されたユニークな外観やポップなボディカラーなどの個性が広く受け入れられ、累計生産は100万台を超えました。

 日本では1999年から販売が始まり、累計輸入台数は8万3097台と、アメリカ、ドイツに次ぐ世界3位の販売台数を記録しました。

 3代目「ザ・ビートル」は2011年に登場、日本では2012年6月に発売されました。以来累計の輸入台数は4万4681台(2019年9月25日現在)、販売台数は4万2911台(2019年8月末現在)となっています。

 ザ・ビートルの生産終了の理由について、VGJ広報は次のように説明します。
 
「現在、VWのモデルはプラットフォームのモジュラー化を推進しています。ゴルフなど小型車に対応するMQB、電動モデル用のMEBなどがありますが、ザ・ビートルは古いプラットフォームを用いていました。後継モデルに関しては、本国も正式なアナウンスがないのが現状です」

 2019年の段階では、ビートルの復活は予定されていないようです。

 ですが、2018年からおこなわれたキャンペーンのネーミングは「See You! ザ・ビートル」、つまり「また会いましょう!」で、「さようなら」の言葉は使われていません。また今回のザ・ビートル最終モデル陸揚げイベントでも、「Thank You! The Beetle」という言葉のみでした。

 ビートル同様にVWのアイコン的存在だった「ワーゲンバス(フォルクスワーゲン・タイプ2)」は、『I.D.Buzz』という名前のEVコンセプトカーとして現代によみがえったので、ビートルももしかすると電動化されて復活する可能性はありそうです。

 MINIやフィアット500の人気を見てもわかるように、日本人は「NEOクラシック」と呼ばれるデザインを愛する傾向にあります。ザ・ビートルも愛されてきました。電動化など先進の技術で現代風にビートルが復活すれば、日本ではかなり人気が出るのではないでしょうか。

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