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【最新モデル試乗】スーパークーペもBEVの時代。最新マセラティ・グラントゥーリズモがGT新時代を告げた!

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【最新モデル試乗】スーパークーペもBEVの時代。最新マセラティ・グラントゥーリズモがGT新時代を告げた!

新型はエンジン車とBEVを設定。本気の新型

 マセラティの新型グラントゥーリズモ(GT)は、旧型とは「似て非なる」モデルだ。スタイリングは、パッと見にはモデルチェンジ版とは思えないキープコンセプト。MC20やグレカーレと同様の最新マセラティフェイスに変えただけのように見える。サイズ的にも同様。全幅が少し広がり、ホイールベースがやや短縮されて、車高がわずかに低くなった程度である。

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 だが、この造形とサイズ感にこそ新型GTの凄さが潜んでいる。注目はエンジン(ICE)と100%バッテリー駆動(BEV)の2種類を用意したこと。基本的に同一のアルミボディ&シャシーを使っている点がミソだ。BEVのフォルゴーレは92.5kWhという巨大なバッテリーを積んだにもかかわらず、車高はエンジン搭載グレードと変わらない。旧型GTと比較して一段と低いというのだから驚くほかない。床下にバッテリーを積む関係で分厚くなってしまうBEVが多いというのに、マセラティはこれを見事にブレークスルーした。

 その裏にはLG製バッテリーに工夫があった。エンジン+トランスミッションというコンベンショナルなパワートレーンと同じような形状としたのだ。そのため、アルミ製シャシーという基本骨格をICEとBEVの両パワートレーンで共有できるようになった。加えて前後重量バランスも50対50を達成(エンジン車は52対48)した。マセラティの本気度がうかがえる。

 新型は3グレード構成。最高出力の低い順に並べると、ICEのモデナ(490ps)/トロフェオ(550ps)、そしてBEVのフォルゴーレ(750ps)となる。最高速度の順も出力どおりで、中でもフォルゴーレはBEVとしては異例の325km/hを標榜する。

マセラティのGTは絶品。中でもBEVのフォルゴーレの走りは新しい

 まずICEモデルに試乗。モデナとトロフェオは、MC20にも搭載されている新開発(フェラーリ設計生産ではなくマセラティ設計生産)のプレチャンバー付き3リッター・V6ツインターボ「ネットゥーノ」(MC20とはスペックが異なる)を積んでいる。MC20用のドライサンプ式ではなく、ウェットサンプ式だ。それに8速ATと4WDシステムを加えたパワートレーンは、完全フロントミッドに配置されている。

 乗ってみて、よりツアラーらしいのは当然ながらモデナだった。ボディのしっかり感がシャシーに優っていて、性能を誇示しない落ち着いたライドフィールに終始する。スポーツモードを選んでもエンジンサウンドは控えめにしか聞こえてこない。

 エアサスペンションがもたらす乗り心地は良好。街中でこそやや硬めに感じるが、速度が上がるに連れてしなやかさを増していく。カントリーロードや高速道路では、滑らかが際立った。峠道では旧型とはまるで異なるノーズの軽快な動きに驚かされたが、それよりもまったりとしたクルージング性にほれた。まさに大人のグレードである。

 トロフェオに乗ると、俄然、やる気になってしまうから不思議だ。クルマが明らかにひと回り小さく感じる。ドライバーとの一体感もいっそうタイトだ。フロントは明らかに引き締まっており、手応えよく機敏かつ自在に動く。スポーツおよびコルサの両ドライブモードでのエンジンサウンドは、モデナはもちろん、MC20よりも猛々しく耳に届く。

 期待のBEVに乗り換える。フォルゴーレは、電動パワートレーンの構成がクルマ好きの興味を惹きつけるはず。400ps近い出力を誇る電気モーターをフロントに1基、左右独立でリアに2基置いて4輪を駆動する。単純にモーター出力を足し算すれば、なんと1200psに達する。とはいえバッテリーの出力がシステム出力の上限を決めてしまう。92.5kWh(83kWh使用可能)のバッテリーを積んだフォルゴーレの場合、最高出力は750ps(ブースト時817ps)におさまった。3基のモーター出力を足して750psを超えない範囲で常時0~400psの間で各モーターはコントロールされるというわけだ。なお、最大航続距離は450km (WLTPモード)である。

 デフォルトのGTモードで走り出す。いきなり驚かされた。その動きがほとんどエンジン車と同じなのだ。一般的なBEVとは違い、床下に妙な重さを感じるということがない。モーターの力を活用しながらも軽快な動きを見せる。乗り心地は凄まじく快適で、電子音が煩わしくない程度に響き、気分よくクルージングできる。

 スポーツ、さらにはコルサとドライブモードを過激にすればすべての操作に対するクルマの反応がどんどん俊敏になっていく。前後の出力配分はつねに細かく制御されており、違和感を感じる場面はなかった。そしてコーナリングスピードは驚くほど速い。これぞ新世代スポーツカーの走りというものだろう。

 マックスレンジというエコモードも設定されている。バッテリーの残容量が16%以下になり、近くに充電器が見当たらないというときに推奨されるモードだ。完全フロントドライブとなり、最高速も130km/h以下に抑えられる。

 最新にして、最良のGT。マセラティの新たな時代がスタートした。

マセラティ・グラントゥーリズモ主要諸元

グレード=FOLGORE
全長×全幅×全高=4959×1957×1353mm
ホイールベース=2929mm
車重=2260kg
モーター型式=ラジカルモーター
モーター最高出力=3×400+(1200+)kW(CV)
モーター最大トルク=1350Nm
バッテリー電力=92.5(使用可能電力83)kWh
サスペンション=フロント:ダブルウィッシュボーン/リア:マルチリンク
ブレーキ=前後ベンチレーテッドディスク
タイヤサイズ=フロント:265/35ZR20/リア:295/30ZR21
駆動方式=AWD
乗車定員=4名
0→100km/h加速=2.7秒
最高速度=325km/h

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みんなのコメント

2件
  • ほぼ同一車種で内燃機関、BEVをユーザーに選択肢があるのは良い事だと思う。なかなか難しい技術かもしれないが、BEVの形で内燃機関だったら良いのに…と思う車種もあり(その逆も思っている人もいるかと)、過渡期が始まったばかりなので柔軟にメーカーも対応できる事を望みます。
  • >スーパークーペもBEVの時代。

    スーパークーペだからこそBEVの時代。の方が正しいのだろう
    実用車ではないメーカーはイメージが全て。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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