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伸びるアンテナほぼ消滅 時代と共に変化するカーアンテナの存在理由とは

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伸びるアンテナほぼ消滅 時代と共に変化するカーアンテナの存在理由とは

■カーアンテナに求められるものとは?

 クルマに付いているアンテナは、時代と共に変化をしています。カーラジオが普及し始めた頃には、伸縮する手動式のアンテナが一般化し、その後電動式のポールアンテナなども登場するなど進化を遂げているのです。

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 さらに、窓ガラスに貼り付けるフィルムアンテナや空気抵抗を意識したシャークフィンアンテナなど、カーアンテナの形状は多様化。なかでも、シャークフィンは国産車・輸入車問わず主流になっています。

 イメージとして、ポールアンテナは、シャークフィンと比べて性能が高いように思えますが、なぜシャークフィンが主流となりつつあるのでしょうか。

 ラインナップの多くにシャークフィンを採用するマツダは次のように話します。

――シャークフィンを採用する理由を教えてください。

 一般にカーラジオのアンテナに求められる要件は「小型・広帯域」の2点です。その両立に向け、技術進化に応じてアンテナも形状・機能共に進化しています。

 現在のマツダ乗用車にはシャークフィンタイプの採用が多いのですが、これはさまざまな周波数帯の電波に対する安定した電波受信性能を確保したうえで、従来のアンテナにありがちな洗車・駐車時の取り外しや折り畳みといったユーザーの手間を簡略化・小型化によるデザイン性の向上などを目的としています。

――ポールアンテナをロードスターに採用している理由を教えてください。

 アンテナの役割に沿って考え、各車種に最適な仕様のアンテナを設定しています。ロードスターの場合は、幌/ハードトップを開閉するので、シャークフィンやプリントではなくショートアンテナを採用しました。 

――最近のポールアンテナは、短くなっていますが、感度の部分で問題はないのでしょうか。

 小型化と受信性能の確保を両立するように開発を行っていますので、一般的な使用においては現在の小型アンテナでも受信感度に問題はないものと考えています。(トンネルの中など電波そのものが届きにくい場所での使用は除きます)

■採用の決め手は、新しいモノではなく適切なモノ

 シャークフィンアンテナが主流となりつつあるなかで、現在でもポールアンテナを多く採用する自動車メーカーも存在。その一つのホンダは次のように説明しています。

――カーアンテナの形状を変更する理由を教えてください。

 弊社独自というものではございませんが、さまざまな形状で受信感度を確保できるようになってきたためです。

――ホンダ車がポールアンテナを多く採用している理由はなんでしょうか。

 弊社では、ポールアンテナではなく、マイクロアンテナと呼んでいます。 マイクロアンテナとシャークフィンアンテナのうちから、車種別に最適なものを適用しています。

――最近のポールアンテナは、短くなっていますが、感度の部分で問題はないのでしょうか。

 短い(小さな)形状のものは、内コイル状のアンテナや受信した電波を増幅する装置を内蔵することで受信感度を確保しています。

※ ※ ※

 車載ラジオの受信感度だけでなく、クルマ自体の見た目にも大きく関わってくるカーアンテナのデザイン。その設計を工夫する事で、空気抵抗を低減させるなどの燃費向上に貢献する可能性を秘めているのです。

 最近の自動車業界では、クルマのコネクテッド化が進んでいます。専用通信機(DCM通信機)を搭載してクルマが、さまざまな通信をするモデルも登場しています。

 その結果、近い将来に突起状のアンテナが存在しないクルマも登場するかもしれません。

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