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ポルシェ新ハイパーカー、F1ドライブトレインの採用か 鍵握るクロアチア「リマック」社

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ポルシェ新ハイパーカー、F1ドライブトレインの採用か 鍵握るクロアチア「リマック」社

新ハイパーカー、F1プログラムのHVか

ポルシェはラインナップの頂点に位置するハイパーカーの開発計画を再度認め、モータースポーツ活動とロードカーの関連について少しだけ明らかにした。

【画像】ポルシェ99X フォーミュラEマシン 全12枚

既に中止したF1エンジンプログラムで開発されたハイブリッドドライブラインが新しいハイパーカーで採用される可能性がある。

ただアストン マーティン・ヴァルキリーのライバルとなるポルシェのハイパーカーはコンセプトレベルであり、2023年以前のデビューはない。

ポルシェ会長オリバー・ブルーメの今年のコメントに沿うように、ポルシェ・ヴァイザッハ技術センターの信頼できる情報筋は以下のように述べた。

「918スパイダーの後継となる新しいハイパーカーがピュアなEVとなるかハイブリッドドライブトレインとなるかはポルシェの取締役メンバーが決定します」

ブルーメが3月のジュネーブモーターショーで最初に示唆したポルシェ・ハイパーカーは、新しく発表された99XフォーミュラEレースカーを大幅に上回るような先進のピュアなエレクトリックドライブトレインを持つものとされていた。

ピュアなエレクトリックドライブトレインの計画は大幅に後退。全固体電池技術の進歩が予想より遅れていると内部調査が結論付けたためだ。

全個体電池はポルシェの未来のフラッグシップに「重量、効率、航続距離におけるEVの新たな基準」を提供することになっていた。

次の10年の後半まで新しいモデルを生産するために必要な全固体電池の生産量が確保できないため、全個体電池の技術は利用することができない。

次のハイパーカーのための代替計画

現在、ポルシェは次のハイパーカーのための代替計画を立てていると言われている。

新たな選択肢はポルシェモータースポーツが開発した先進的なプラグイン・ガソリンエレクトリック・ハイブリッドドライブトレインだ。

ポルシェがエンジンサプライヤーとしてF1に復帰するための開発であったが、F1復帰は中止された。

ハイブリッドドライブトレインが採用された場合、ポルシェのハイパーカーは同じF1ドライブトレインテクノロジーに支えられたメルセデスAMG Oneと正面から闘うことになる。

ルマンの新しいハイパーカーレギュレーションとIMSAのDPiレギュレーションの下で、ポルシェが最新のドライブラインパッケージを提供できる可能性もある。

今年の初め、ポルシェのモータースポーツ責任者であるフリッツ・エンツィンガーは、LMP1へ有能なエンジニアを40人をチームで派遣していたことを明かした。

チームの役割はLMP1の運営から6気筒エンジンおよびハイブリッドドライブシステムの開発プログラムにまで及んだ。期間は918スパイダーが生産を停止してから2年後の2017年までであった。

新しいポルシェエンジンは、ルマンで優勝したポルシェ919レースカーで使用されていたV4ユニットの代替として、当初2.0L程度の排気量を想定していた。その後、排気量はF1仕様の1.6Lに切り替えられたと、AUTOCARは確認した。

机上だけでなく、実機として続けること

ポルシェは最終的にはF1への参加を回避し、フォーミュラEに参加することを決めたが、6気筒エンジンの開発は今も続いている。

エンツィンガーによると、ロードユースに必要な耐久性をもつF1エンジンはスーパースポーツカーにとっても興味深いものだからだ。

ただし、排気熱から電気エネルギーを回収するために使用される複雑で高価なMGU-H(モータージェネレーターユニット・ヒート)は不要だ。

「LMP1は撤退したが、2017年末に、非常に効率的な6気筒エンジンの開発を、机上だけでなく、実機として続けるよう命じられました」とエンツィンガーは語った。

エンツィンガーは、ポルシェの新しい6気筒エンジンは「完成し、テストベンチで動作しています」とも。また「工場生産に関する分析に使用されています」と認めた。

新しいドライブラインのハイブリッドコンポーネントの仕様は秘密とされているが、高出力のエレクトリック・モーターを使用すると考えられる。

鍵を握るのはクロアチア「リマック」社

最近のフランクフルトモーターショーでのポルシェのハイパーカープランについて、ポルシェのEVプロジェクトの責任者であるステファン・ヴェックバッハは、次のように述べた。

「ポルシェの目標はどのクルマもセグメントで最もスポーティなクルマとなることです」

ヴェックバッハは、新しいポルシェのドライブラインのエレクトリック・モーター側に、ポルシェとリマックのパートナーシップによって開発された技術を採用する可能性も示唆した。

リマックはクロアチアを拠点とするEVスーパーカーメーカーで、高い評価を得ているConcept OneとC_Twoをラインナップしている。

ポルシェは2018年にリマックの10%の株式をはじめて購入した後、最近になって15.5%に引き上げ、緊密な協力関係を計画していることを示唆した。

「リマックとは将来的に協力していく可能性があり、出資を増やしました」と、ウェックバッハは言った。

リマックは、最新のC_Twoハイパーカーに最大1915psを誇る電気ドライブシステムを搭載し、電気モーターおよび電力電気技術のリーダーとしての地位をあっと言う間に確立した。

ポルシェと同様に、リマックはアストン マーティン、ジャガー、ルノーなどともエンジニアリングプログラムを設定している。

5月、ヒュンダイ、起亜、リマックの3社がEVを共同開発する契約で、ヒュンダイと起亜はリマックに8000万ユーロを投資した。

ピュアEVかハイブリッドか 今は不明

ポルシェが、リマックの技術を次のハイパーカーのピュアなエレクトリックパワートレインに利用するのか、ハイブリッドドライブトレインに利用するのか、今のところ不明だ。

ヴェックバッハは、個人的な選択はハイブリッドラインであるとほのめかしたが、「すべて電動であるかもしれないし、純粋にポルシェエンジンのみであるかもしれません」と言う。

ピュアエレクトリックの「ハロー(フラッグシップ)」モデルに対して懐疑的な議論がポルシェ内で広がっているなか、ポルシェのスポーツカー部門責任者であるフランク・ステフェン・ウォライザーは9月のフランクフルトモーターショーでAUTOCARに、気持ちを打ち明けた。

ウォライザーは過去1年間にエレクトリック・ハイパーカー・プロジェクトの導入について歓迎したかどうかを尋ねられ、以下のように答えた。

「エレクトリック・ハイパーカーについての多くの研究を見てきました。わたしにとっては、エレクトリック・ハイパーカーがナンバープレートを付けて公道になければ、証明とは言えないません」

「例え公認されていたとしても、エレクトリック・ハイパーカーがテストトラックにあるのであれば、本当に機能することを調査で示す必要がないのです」

そして、ウォライザーは、平静な様子で尋ねた 。「EVハイパーカーは本当に機能するのでしょうか?」

「わたしにとっては、ドラッグレーサーが適切なスポーツカーだと言っているようなものですね。確かに、0-100km/h加速においては完璧です。しかしスポーツカーをかたちづくるものは他にもたくさんあります」

「デイリーユースやニュルブルクリンクでのスポーツ走行、長期にわたる高性能などですね。 現状の技術のEVハイパーカーが通用するとは、まだ思えません」

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