ABBフォーミュラE選手権にも参戦する“NIO 333レーシング”の主要ステークホルダーでもある上海力盛(LSR)が、電動ツーリングカー規定『ETCR』への参戦計画も立案していることが明らかになった。その際、どのブランドで車両製作を実施するかはまだ確定していないものの、中国資本の上海汽車グループが所有するMGブランドでの参戦が有力視されている。
NIO 333フォーミュラEチームの筆頭株主でもある上海力盛は電動フォーミュラだけでなく、レース用ツーリングカー規定のTCRをベースとする電動ツーリングカーにも進出する野望を抱いているようだ。
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2019年夏に香港企業のブリリアンス・イン・エクセレンスの関連会社からフォーミュラEチームの運営を引き継いだ同社は、CTCC中国ツーリングカー選手権のみならず、TCRチャイナの運営母体としても知られており、TCRにも力を入れている。
そして、同社が新生電動ツーリングカーシリーズに参戦する場合、その車両はTCR規定に準拠して開発された『MG 6 X-Power TCR』となる可能性が高いとみられている。
この『MG 6 X-Power TCR』は2019年に地域ホモローゲーションを取得し、同年後半のTCRチャイナ・シリーズに参戦。また10月にはイタリアのバレルンガで初開催されたFIAモータースポーツ・ゲームスのツーリングカー・カップにもエントリーし、ブランドの母国出身者でもあるイギリス人のロリー・ブッチャーがドライブし、レース2で4位に食い込んでいる。
「我々のプロジェクトはまだまだ立案初期の段階にあり、ETCRで採用するブランドとモデルに関しては、この後にも追ってアナウンスする予定だ」を語るのは、上海力盛会長のシャオ・チン。
「私たちLSRは、モーターレーシングの未来を象徴するETCRのコンセプトに共鳴し、その推進とプロモートに全力を挙げて取り組みたいと思っている。幸いなことに、『MG 6 X-Power TCR』が良い成果を挙げていることを受け、ETCRの創設期からコミットするチャンスを逃したくないと思ったんだ」
TCR規定の提唱者で、ETCR/ピュアETCRを運営するWSCグループ代表のマルチェロ・ロッティも「LSRがETCRへのコミットメントを表明し、次世代の電動レーシングカー開発に参入することを喜ばしく思う」と歓迎のコメントを残した。
「彼らはすでに『MG 6 X-Power TCR』でそのパフォーマンスと開発力を証明しており、中国発の最新電動ツーリングカーがトラックデビューを飾る日が、今から待ちきれない気分だ」
「LSRはすでにETCRへの参加を表明しているその他の関連企業と密接に協力することになるが、さらなる発表はこの後すぐにも実施されるだろう」
この上海力盛のプロジェクトは、ETCRのリード・マニュファクチャラーであるクプラ・レーシングやヒュンダイ・モータースポーツのファクトリープログラム、ロメオ・フェラーリによる『アルファロメオ・ジュリアETCR』に続き、ETCR規定に基づく4番目の電動ツーリングカー車両となる。
またETCR規定に向けては、中国や北米を中心に事業展開するマグエレック・プロパルション社が、共通モーター、インバーター、ギヤボックスの設計・製造、供給を担うことも発表されている。
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