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歴代モデルで振り返るOPELを象徴するライトウエイトスポーツカー「SPEEDSTER」の魅力

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歴代モデルで振り返るOPELを象徴するライトウエイトスポーツカー「SPEEDSTER」の魅力

エッジの効いた大胆な面構成のエクステリアデザインを纏う『SPEEDSTER』。そのボディーワークは、今見ても斬新だ。

SPEEDSTER スピードスター

GMが航空機向けHYDROTEC燃料電池システムの開発でリープヘル・エアロスペースと提携

2001-2005

実用車造りを続けてきたOPELの中にあって、異色の存在ともいえる『SPEEDSTER』は、英国が得意とするスポーツカー造りとドイツの質実剛健さの融合体だ。

ロータスとの共同開発による100周年記念モデル

 それまで2ドアクーペのスペシャルティーモデルや『GT』といったアフォーダブルなスポーティーカーを手がけたことはあったものの、基本的にはセダンやワゴン、ハッチバックといった、生活に根差した身近なモデルの展開を図ってきたオペル。その中にあって異色の存在といえるのが1999年のジュネーブショーで公開され、2001年に発売された『SPEEDSTER』である。

 この本格派の2シーターオープンスポーツは、オペルが自動車の生産を始めて100周年を迎えたことを記念して企画されたもの。イギリスのロータス・エンジアリング社との共同開発によって生み出され、生産もロータスの工場が請け負う。アルミパネルとエポキシ樹脂接着剤で形作られたバスタブモノコックにFRPボディーを被せるという成り立ちは、ロータス『ELISE』に倣ったもので前後ダブルウイッシュボーンのサスペンション形式も共通だ。車体は『SPEEDSTER』のほうが長く、広く、低く、重いが、それでも車重が1tを切る(870kg)ことを考えれば、十分にライトウエートスポーツカーといえるだろう。

 基本構成に『ELISE』との共通性が感じられるものの、技術志向を具体化したというエッジの効いたスタイリングはオペル独自のものであり、パーツの共有率も1割程度にとどまる。コックピットはスポーツカーらしいアルミ剥き出しの簡素なものとなっているが、オーディオやエアバッグ、イモビライザーなどが備わるのは、実用車造りを続けてきたオペルならではの仕立てといえるだろう。

英国のスポーツカーテイストとドイツの高品質の融合

 キャビン後方の車体中央部分に搭載されるのは『ASTRA』などで採用済みの2.2L〝ECOTEC〟直列4気筒で、5速MTのギアボックスを介して後輪を駆動。0-100km/hの加速は5.9秒という俊足を誇った。『SPEEDSTER』はライトウエートスポーツの軽快な走りっぷりが存分に味わうことができ、かつオペルの高品質な造りを獲得したモデルとして人気を博した。ドイツ本国ではカタログモデルとして用意されていたが、日本では80台限定の受注販売とされた。

 また、2002年のパリモーターショーでは、これをベースに空力性能に優れたボディーワークと軽量化を施したうえで、1.3Lディーゼルユニットを搭載した実験的モデル『ECO SPEEDSTER』を発表。250km/hの最高速やリッターあたり40kmという低燃費は、現代でも十分に通用するパフォーマンスである。『SPEEDSTER』はそのコンセプトやスタイリングを含め、オペルの歴史と自動車ファンの記憶に深く刻まれた1台であることは間違いない。

ロータス同様に『SPEEDSTER』はキャンバス地の脱着式ソフトトップを備えたオープンボディースタイルを採用。

アルミ押し出し材で成形されるモノコックはロータスとの共同開発によるもの。シャーシの単体重量は約60kgと非常に軽量だ。

前後オーバーハングを切り詰めて、長いホイールベース間にコックピットとパワートレーンを収めた『SPEEDSTER』。2.2L直4はキャビン直後に横置きされる。

『SPEEDSTER』はそれまでのOPEL車にはない、軽快かつ俊敏なハンドリングを披露して人気を博した。

デューデンホーヘンのテストコースを往く『ECO SPEEDSTER』。2003年には同コースで17の世界記録を樹立している。

『ECO SPEEDSTER』は空気抵抗の低減を狙ってロングテールとしたエアロボディーをまとう。車重は660kgと超軽量。

取材・文/桐畑恒治

160年の歴史を持つオペルのすべてがわかるブランドMOOK「&OPEL 未来を創るクルマ。」発売中

 1862年の誕生以来、不断の進化によっていつの時代も時代も最先端のポップカルチャーであり続けたOPEL。そのブランドDNAとその魅力を、チーフデザイナーへのインタビューや歴史的名車の検証などをもとに解き明かすムック本「&OPEL」が発売されました。

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 そして今、OPELが再び、日本に上陸するといわれています。今度、日本にやって来るOPELは、私たちがしばらく見ないうちに、すばらしくモダンで、ポップな佇まいに変身していました。ドイツ車としての信頼感と堅実さはそのままに、ガジェット感あふれるデザインやカラーリングからは、「どんな人生を愉しみたい?」と、クルマが語りかけてくるようです。そんな、ニュー・ジャーマン・カーで実現するライフスタイルのテーマは「リラックス」。

 本書では、暮らしをアップデートするモダンジャーマンなクルマづくりの魅力を、160年の歴史とともに余すところなく、紹介します。

160年の歴史を持つオペルのすべてがわかるブランド大図鑑

『&OPEL(アンドオペル) 未来を創るクルマ。』

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小学館刊

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■本書のコンテンツ紹介

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●人気モデル「CORSA」「MOKKA」「GRANDLAND」徹底解剖!

PART 2 Pop&Future! OPELの秘密

チーフデザイナー・Mark Adams インタビューファッションデザイナー・Marcel Ostertag インタビュー「ASTRA」「MANTA」「COMBO LIFE」最新モデルの魅力OPELと相性抜群のライフスタイル名品セレクションPART3  Just like an OPEL

注目のクリエイターが語るNEW OPELの魅力アンバサダーを務めるリバプールFC監督・ユルゲン・クロップ氏とOPELPART 4   ドイツから特報!元気なOPEL

「MOKKA」「CORSA-e」「GRANDLAND」現地試乗レポート詳報オペルCEO Uwe Hochgeschurtz氏インタビューPART 5   Republish of Historic car impression

革新的な挑戦を続けてきた自動車ブランドOPELの歴史

老舗自動車専門誌の編集者が語るOPELの魅力OPEL in Motorsports「CORSA」「ASTRA/KADETT」「VECTRA」「OMEGA」「SPEEDSTER」「GT」「MANTA」「CALIBRA」「ZAFIRA」PART6 「&OPEL」 Square

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みんなのコメント

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  • このクルマが現役当時、幼なじみの友人がヤナセからこれのシルバーを新車で下した。当然、試乗させてもらったがまさにライトウェイトスポーツ的な軽快な走りと、記事にもあるようにエッジが効いて特にリアビューにセンスが感じられた。いまではネオクラ変態グルマと称えられる珍車ですね!
  • ロータスヨーロッパS「オペルスピードスターの売れ残りで作られたワケではない。」
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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