9月28日(土)、2024年WRC世界ラリー選手権の第11戦『ラリー・チリ・ビオビオ』のデイ2はスペシャルステージ(SS)7から12の走行が行われ、TOYOTA GAZOO Racing WRTのカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)が新たに総合首位に立った。デイ2を終えた各陣営から、ドライバーたちの声が届いている。
■Mスポーツ・フォードWRT
●アドリアン・フルモー(#16 フォード・プーマ・ラリー1)/デイ2総合5番手
「セブ(セバスチャン・オジエの愛称)はブレーキング中に内側の岩にぶつかったのだと思う。彼にとって本当に残念なことだ。彼のラリーらしくないし、とても同情している。僕たちは持っているもので最善を尽くしているので、さらに何ができるか考えていくよ。出走順が2番目や3番目だと、後ろに比べてタイヤの摩耗はそれほど酷くないと思う」(SS8)
濃霧のアタック合戦。一閃魅せたロバンペラがトヨタ同士の僚友対決を逆転リード/WRCチリ デイ2
「ミックスコンディションだ。ステージの初めは乾燥しすぎていて、後半は荒れている。そして霧でなにも見えなくなる。状況の変化が激しすぎるので、なにがタイヤにとってベストなのか分からないよ」(SS11)
「霧と雨でクレイジーだ。今はどのタイヤを選択するのが最善なのか把握するのが難しい。ハードタイヤでのグリップはつねに変化する。簡単ではないが、大丈夫だ。昨日の1分ペナルティは残念だった。(ペナルティがなければ)今は良いポジションにいられるかもしれないが、これが現実だ」(SS12)
●グレゴワール・ミュンスター(#13 フォード・プーマ・ラリー1)/デイ2総合7番手
「予想していたよりもずっと湿っていたので、今回はソフトの方が良かったのはたしかだが、他の部分も見てみよう。下り坂ではスムーズに走るように努めたが、最後の5kmはとても荒れているので、下り坂でスピードが上がりすぎたまま進んでしまう可能性があった。スロットルの操作やインプットなどをさらにスムーズに行う必要があるよ」(SS7)
「サービスでいくつか変更を加えた。状況によってはそれに助けられることもあるが、別の状況ではあまり良くなくて楽しめない。低速コーナーではリヤを動かすのに苦戦していたが、今では動きすぎているんだ」(SS10)
「人生でこんな霧は見たことがない。リスクは負いたくなかった。霧を避けようとして溝にはまるなんて、馬鹿げているからね。少なくともここにいることができて良かったよ」(SS11)
●マルティン・セスク(#22 フォード・プーマ・ラリー1)/デイ2総合28番手
「落胆してはいないよ。大きな学習曲線があったんだ。もちろん昨日は本当にがっかりだった。機会があるたびに何かを証明したくなるものだ。ここは本当に滑りやすかった。とくに下り坂はね。タイヤをオーバーヒートさせないように気を付けたよ」(SS9)
「ここはだんだん暑くなってきた。順調だし、楽しかったよ。チリに来たときはヨーロッパより15度も低かったんだ。だから、こんなに暑くなるとは思わなかった。今は違うタイヤパッケージにしているが、それが大きな役割を果たしたのかもしれない。最後はちょっと大変だったね」(SS10)
「3kmから4kmくらいのエリアで、視界が20mから30mくらいしかなかったんだ。正直言ってかなり難しかった。もちろん、自信があればかなり速くドライブできるが、それは今日やることではなかった。必要ならもっと速く走ることもできたけれどね」(SS11)
※いずれもSS走行直後の公式インタビューより
■ヒョンデ・シェル・モービスWRT
●ティエリー・ヌービル(#11 ヒョンデi20 Nラリー1)/デイ2総合4番手
「今日は本当に満足している。表彰台までの差も縮めることができた。もっといいポジションに着くこともできたかもしれないが、最終ステージではあまり無理をしなかったよ」
「昨日はとても手ごわくてうまくいかなかった。でも、今日は4番手という明確な目標があって午前中にすぐに達成したので、午後はそれを守ることに重点を置いた」
「今ミスをする余裕はない。明日はより有利な出走順になるので、クリーンな道路の恩恵を確実に受けて、できるだけ多くのポイントを獲得する必要がある」
●オット・タナク(#8 ヒョンデi20 Nラリー1)/デイ2総合3番手
「グリップが低い状況でリヤを失ってマシンがスピンしたものの、午前中のループは良かった。ありがたいことに、すべて順調で問題なしだった。ただ、今日の僕たちのタイムは、トヨタ勢にあまり近づけていなかった」
「昨日は混乱していてそのことが表に出なかったが、今日は必要なスピードに達することができなかったことが分かった。最終ステージではまったく逆のコンディションになると予想していたので、本当に難しい判断だった」
「もはや僕たちがドライバーズ選手権を左右することはないかもしれないが、マニュファクチャラーの戦いは依然として接戦なので、明日は間違いなくできるだけ多くのポイントを獲得する必要がある」
●エサペッカ・ラッピ(#4 ヒョンデi20 Nラリー1)/デイ2総合8番手
「マシンが元通りになったので良かったが、ステージではそれほど楽しくなかった。グリップに苦労していたが、その理由は分からない。いろいろ試したが、うまくいかなかった」
「ペナルティ(2分早着で2分加算)は残念だ。ソフトタイヤを履いたばかりだったので、その後の僕のモチベーションは、明日のためにタイヤを駄目にしないことにあった。だからあの後はゆっくり走行したよ」
「また、両方のロングステージでは雲が垂れ込めていて視界がほとんどなかったから、リスクを冒したくなかった。明日に向けて自分たちを奮い立たせていくよ」
■TOYOTA GAZOO Racing WRT
●エルフィン・エバンス(#33 トヨタGRヤリス・ラリー1)/デイ2総合2番手
「今日の自分たちのパフォーマンスには、満足するべきだろう。午前中のループは、2本目のステージでタイヤをマネジメントしようとして少し慎重になり過ぎたかもしれないが、うまく走ることができた」
「しかし、午後は苦戦した。最初のステージはうまく走れたのだが、2本目ではひどい霧に見舞われ、道路の端すら見えないほどだった。非常に困難な状況で、多くのタイムを失ってしまった。また、そのステージではソフトタイヤを装着したが、性能を充分に発揮させることができなかった」
「一方、カッレ(・ロバンペラ)は路面がより濡れていた最後のステージでソフトタイヤを履き、そのアドバンテージを最大限に活かして素晴らしい走りを見せた。私たちにとってはダブルパンチのようなものだったが、全体的にはうまくいっているので、明日も同じように頑張りたいと思う」
●カッレ・ロバンペラ(#69 トヨタGRヤリス・ラリー1)/デイ2総合首位
「全体的には、自分たちにとってポジティブな一日だった。フィーリングは、昨日よりも確実に良くなっていた。予想通り、午前中はタイヤの摩耗が大きなファクターとなり、最後のステージではループの終わりまでペースを維持するのが大変だった」
「午後は天候が少し悪くなり、路面が濡れてさらにトリッキーになったので、そこで少し挽回することができた。ラリーカーでここまで霧が深いコンディションを走るのは初めてだったが、うまく対処できたと思う」
「かなり安全に走りながらも、いいペースを維持することができた。明日も長い一日が続くが、チームのためにワン・ツー体制を守ったうえで、最終日にもできるだけ多くのポイントを獲得することが重要だ」
●セバスチャン・オジエ(#17 トヨタGRヤリス・ラリー1)/デイリタイア
「昨日のタイムロスを取り戻すために、今日は朝からプッシュしなければならない状況だったが、出走順がトップに近かったことから厳しいコンディションでの走行になることは覚悟していた」
「タイヤに関しては攻めた選択をしたが、それはうまく機能していたと思う。残念ながらSS8のフィニッシュ近くで岩が自分の走行ライン上にあり、ブレーキングで荷重が完全にフロントにかかっている最悪の状況で岩に接触し、サスペンションを破損してしまった」
「チームの誰も望んでいなかったことで、2戦連続で素晴らしいスピードがあったにも関わらずそれを活かすことができなかった。悔しい気持ちでいっぱいだが、明日またラリーに復帰する。そして、チームメイトがチームのために良い結果を残してくれることを期待している」
●サミ・パヤリ(#5 トヨタGRヤリス・ラリー1)/デイ2総合6番手
「今日のステージはよりテクニカルで、ラリー1カーを運転するうえで学ぶべき新しい発見があった。コンディションも午前中の最後のステージからトリッキーになり、午後はさらに難しくなった」
「SS11では霧が出ることは予想していたが、あれほど酷いとは思っていなかったので驚いた。数メートル先しか見えず、愚かなミスを犯しやすい状況だったので、とにかくクレバーに走ろうと決めた」
「それでも、今日はいくつかのセクションで走りを楽しむことができた。午後の最初のステージはとても良く、最後のステージも路面が湿っていたにも関わらずうまく走ることができた。ここまでのところクルマは本当に運転しやすいので、明日も良いフィーリングを得られると思う」
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