この記事をまとめると
■トヨタ・ライズ&ダイハツ・ロッキーは2019年11月に登場したコンパクトSUV
HVの燃費はいいがFFのみ! 逆にターボは4WDだけに! バカ売れ必至の悩ましすぎるロッキー&ライズの選び方
■2021年11月のマイナーチェンジで新開発のハイブリッドシステム「e-SMART」を搭載
■これによるコンパクトSUVの勢力図の変化について解説する
新開発のハイブリッドシステム「e-SMART」を搭載!
2019年11月に発売されたトヨタ・ライズ、ダイハツ・ロッキーは、待望のコンパクトSUVということで、翌月の2019年12月の全国産乗用車販売台数でいきなりカローラの9186台に次ぐ2位(9117台)を記録。そして2020年1~2月にはなんと10000台前後を売り上げ、同1位に輝いた超人気モデルだ。ちなみに同期間のダイハツ・ロッキーはノアやエスクァイアに次ぐ21位、24位と健闘している。
そんな一躍大人気モデルとなったライズとロッキーが、デビューからちょうど2年目の2021年11月、マイナーチェンジとともに、新開発の1.2リッターハイブリッドシステムのe-SMART(イースマート)を搭載。e-SMARTとはシリーズ式ハイブリッドで、たとえば日産のe-POWERに近いシステムだ。つまり、エンジンは発電専用。その電力を使い、100%モーターで走行する仕組みである。
モーターの最高出力は106馬力、17.3kg-mだ。また、日産のワンペダルのようなスマートペダル(S-PDL)も採用。完全停止はしないが、アクセル操作だけで車速のコントロールが可能で、加減速を繰り返す街中や、強いエンジンブレーキが必要な下り坂などで威力を発揮する。ドライバーのアクセルからブレーキペダルへの踏み替え頻度が減り、ドライバーの負担が軽減されるのはもちろんだ。
当然、燃費性能も向上。これまで3気筒1リッターガソリン(ターボ)エンジンだけだったライズ、ロッキーのWLTC燃費は20.7km/L(2WD)。それが一気に28.0km/Lになったのだから、e-SMART恐るべし、というところだろう。
また、ガソリン車の2WDは従来の1リッターターボエンジンからクラストップレベルの熱効率を実現した新開発1.2リッターエンジンに変更している(4WDは1リッターターボエンジンのまま)。
価格はライズを例に挙げれば、事実上のベースグレードとなるGが185.7万円(2WD)。ハイブリッドのe-SMARTモデルの同Gグレードが216.3万円だから、ハイブリッド価格はざっくり30万6000円ということになる(先進運転支援機能のスマートアシスト標準装備)。
SUVブームのさなかに100万円台からの価格で登場
e-SMARTモデルの内外装はガソリン車とほぼ同じ。メーターまわり、シート、シフターなどに違いはない。言い方を変えれば、e-SMARTモデルに乗っていても、外からは、プリウスやアクアと違い、ハイブリッドに乗っています感はアピールできないというわけだ。装備表の表記が、ハイブリッド車とガソリン車がいっしょになっているところでも、デザイン、装備にほぼ差がないということがわかるというものだ。
そんなライズが一躍大人気車種に躍り出た理由は明快だ。空前のSUVブームのさなかに、100万円台からの買いやすい価格で登場したからだ。前身と言えるラッシュ&ビーゴ時代にそれほど盛り上がらなかったのは、ある意味、早すぎたからだろう。さらに、国産車のなかで、ライバル車が少ないことも理由に挙げられる。1リッター級のコンパクトSUV、クロスオーバーモデルとしては、スズキ・クロスビーぐらいしか見当たらないのである。
よって、2WDのみのライズ、ロッキーのe-SMARTモデルの真のライバルは、身内というかパワーユニット違いの1.2リッターガソリンモデルの2WD、あるいは上級の1.5リッターエンジンとなり、ハイブリッドも揃うヤリスクロスになるだろう。ヤリスクロスの価格はガソリン車で189.6万円から。ハイブリッドで228.4万円(いずれも2WD)だから、なんとガソリン車同士だと同等。ハイブリッド同士になると12万1000円高になるものの、HYBRID XグレードのWLTCモードは30.8km/Lだから、価格差は車格を含めて妥当ということになる。
とはいえ、5ナンバーサイズで乗れるロッキー、ライズのコンパクトさに魅力を感じている人にとっては(ヤリスは5ナンバーだが、ヤリスクロスは全幅1765mmの3ナンバー)、同一車種以外のライバルは依然、クロスビーだけになる。勢力図としては、ライズ、ロッキー軍団の人気が、e-SMARTモデルの追加によって、ますます人気が高まるということは必至。もっとも、ライズ、ロッキーにハイブリッドモデルがあることで、車幅を問わない、電動車マストなユーザーにとっては、価格的に大きな差がない(内容的に見て)ヤリスクロスのハイブリッドモデルとの競合が一気に激化するかも知れない。
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みんなのコメント
e-SMARTも、発電用なら、1.0で充分だと思います。
あくまでも予想でしょ。実際にバカ売れしたら書いてよ。