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フォールディングバイクの完全体! 移動のクオリティを高める小さな英国製自転車「ブロンプトン」の魅力

掲載 更新 1
フォールディングバイクの完全体! 移動のクオリティを高める小さな英国製自転車「ブロンプトン」の魅力

●半世紀を経てもブレない不朽のマイクロモビリティ

 たった10秒でコンパクトに折りたためる唯一無二のフォルムと、確かな走行性能を兼ね備える英国製ミニベロの「BROMPTON(ブロンプトン)」。

【画像】「ブロンプトンってこう使うのか」各モデルや折りたたみ法を写真で見る(33枚)

 1975年製造の初号機以来、現在もイギリス国内でのハンドメイドにこだわり続け、年間におよそ4万台以上の車体を製造しています。

 なぜそれほどまでに世界中のサイクリストを魅了するのか? その理由やモデルごとの選び方のコツなどについて、20年にわたりブロンプトンに関わり続けてきた達人に話を聞きました。

「16インチホイールをはくブロンプトン最大のアイデンティティは、折りたたんだ時の圧倒的なコンパクトさにあると考えています」と話すのは、千葉県浦安のサイクルプロショップ「believe(ビリーブ)」の代表・山越信幸さん。

 約20年にわたりブロンプトンを日本のエンドユーザーに届けてきたマイスターに、その魅力や選び方について話をききました。

●折りたたみだけじゃないブロンプトンのイイところ

VAGUE:ブロンプトンと他のフォールディングバイクとの決定的な違いは?

山越さん:パーツを一つも外すことなく、慣れれば10秒程度で折りたたみが完了すること。高さ565mm、横幅585mm、奥行き270mmという小さな箱型に収まるだけでなく、トラブルを起こしやすいチェーンやギアが、前後輪に挟まれて露出しないことも特筆すべき点です。

VAGUE:“折りたたみ車はこうあってほしい”という、自転車乗りの願いをほぼ叶えていてスキがない。筆者も数年前からブロンプトンに乗っていますが、ミニベロとしては極めて高い走行性能に驚かされます。

山越さん:フルサイズのロードバイクと比べるわけにはいきませんが、長めのホイールベースに16インチという小さなホイールの組み合わせで、発進のひと漕ぎ目から素早く加速。市街地走行に向いた中低速域でのストレスが圧倒的に少ないんです。

VAGUE:道具として使い倒せる丈夫さも魅力ですよね。

山越さん:耐久性は旅先での安心感に直結するのでとても大切です。また、基本的な設計理念にブレがないのもポイント。最近1993年製造のブロンプトンをオーバーホールしましたが、簡単に手に入る現行パーツでリフレッシュすることができました。

●バリエーション多すぎ問題に即答!ーー各モデルの特徴は?

VAGUE:「ブロンプトンが欲しい!と思った時、最初に遭遇するハードルがモデル選びです。種類が多く、2022年に名称が一新されたのもあって、いまひとつわかりにくいです。

山越さん:現在日本で展開されているブロンプトンには、3つのシリーズがあります。もっともベーシックなのが、フレーム素材にスチールを採用したClassic Lineこと「Cライン」です。

VAGUE:よく見かけるベーシックなモデルですよね。1975年の初号機の哲学をいまも受け継ぐ普遍的な魅力があります。

山越さん:「Pライン(premium Line)」は「Cライン」の基本機構はそのままに、フレームの一部をチタニウム素材に置き換えた軽量モデル。そして、チタニウムやカーボンなどの新素材をふんだんに採用し、構造変更にまで踏み切り進化した「Tライン」があります。

●色で決めれば後悔しない

VAGUE:「Pライン」「Tライン」はプレミアムな位置づけなんですね。今回はいまもロンドンの工場でハンドメイドされる定番モデル「Cライン」の選び方を教えて下さい。

山越さん:2024年現在日本で発売されている「Cライン」には、6段変速の「Explore(エクスプローラー)」と、2段変速の「Urban(アーバン)」の2つのタイプがあります。そしてそれぞれのタイプにM字型の「Mid Bar」と、フラットな「Low Bar」の2種のハンドルの選択肢が用意されます。

VAGUE:「Cライン」だけでも合計4型あるんですね。初心者に合うモデルは?

山越さん:6段変速の「C Line Explore Midハンドル」が間違いないです。

VAGUE:即答ですね(笑)

山越さん:ギア比の設定が定番スポーツ車のクロスバイクと似ているんです。

VAGUE:走る場所も選びませんね。

山越さん:さらに、Mid Barは乗車姿勢が楽なため、周りの景色を眺めたり写真を撮ったりが快適なんです。Low Barはスポーツ車に慣れているライダーの肌感覚に合う、前傾姿勢のポジションをとりやすいです。

VAGUE:ブロンプトンはスモールホイールゆえハンドルがややフラつきますが、高い位置を握れるMid Barのほうが安心感があります。

山越さん:購入前に試乗が必須と力説しているのは、ハンドルタイプによって乗り味が大きく変わるというのも理由なんです。正解はオーナーにしか決めることができないですからね。

VAGUE:自分は乗り比べて、外装2段変速のC Line Urban Lowハンドルを選びました。その理由は、内装変速システムの抵抗がない分、ワイドなギア比を失ったのと引き換えに自然で滑らかに車輪が転がる気がしたから。

山越さん:もう一つ声を大にして言いたいのが、「フレームの色で決めれば幸せになれる」ということ。

VAGUE:またどうして?

山越さん:ブロンプトンはカスタムが容易なので、もしもハンドルや変速の設定が合わなくても交換で対応できます。ですが、色の塗り替え作業は可能ですがかなりの高コスト。ですから、自分が愛せるカラーを選んでおけば後悔することは少ないんです。

●ブロンプトンがあると人生はどう変わる?

山越さん:たとえばビリーブがある浦安から都心の銀座までの道のりは約12km。電車だと30分程度ですが、ブロンプトンでものんびり走って1時間程度で到着できます。

VAGUE:鉄道に自転車を持ち込む「輪行(りんこう)」も気軽にできちゃいますね。

山越さん:新幹線の網棚にも乗せられるサイズなので、航空機や鉄道と組み合わせ、目的地での行動範囲を広げるという旅スタイルも得意。ブロンプトンは趣味としてだけではなく、日々の足として人生をサポートしてくれる自転車なんです。

 歩くより速く、クルマよりのんびりと移動できる“どこでもドア”のようなブロンプトン。旅だけでなく、日常生活をも豊かにしてくれるクリーンでエシカルなモビリティなのです。

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みんなのコメント

1件
  • yoh********
    円安の影響で新車は異常に高騰してるので買うなら中古かな?
    今は国産にしとくのが無難です。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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