新型ランクル300の日本発売から約2ヵ月後の10月14日にワールドプレミアとなった新型レクサスLX600。すでに11月25日から先行予約が開始され、日本での正式発表は2022年1月12日の予定となっている。
気になるのは、新型ランクル300の納期は、トヨタからの公式発表では「納期は2年以上」とアナウンスされ、ディーラーでの情報は4年とも5年ともいわれているが、新型レクサスLXの納期も、同じように2年以上になってしまうのかということ。
【車名当てクイズ】この名車、迷車、珍車、ご存じですか? 第41回
そこで、今回、筆者自身がレクサスLX購入を考えていることもあって、実際に見積もりを取って、どんな状況になっているのか徹底レポート!
文/柳川洋
写真/トヨタ
[gallink]
■11月25日から先行予約が始まった新型LX
新型レクサスLX。価格は標準グレードが1250万円、OFFROADが1290万円、EXECUTIVEが1800万円
1995年にレクサス初のSUVとして登場以来、信頼性、耐久性、悪路踏破性を頑なに守りつつ、レクサスらしい上質さを持ち合わせるというユニークな立ち位置にいるレクサスLXが14年ぶりにフルモデルチェンジした。新型NXに次ぐ、第二世代のレクサス第二弾となる。
新型レクサスLX600は、2021年10月14日にワールドプレミアが行われ、11月25日から全国のレクサスディーラーにて先行予約の受け付けが始まっている。正式発表は2022年1月12日といわれている。
新型ランドクルーザー300同様にラダーフレーム構造は維持するものの、プラットフォームは刷新され、低重心化と約200kgの軽量化を果たし、パワーユニットも5.7L、V8自然吸気エンジンから3.5L、V6ツインターボエンジンに変更、トランスミッションも10速ATとなり電動パワーステアリングも装着された。こう聞いただけでも相当乗り心地が向上しているであろうことが想像できる。
新型レクサスLX600は、兄弟車である新型ランドクルーザー300とは大きく差別化が図られており、7割の部品がLX専用となっていて共通部品は3割とのこと。ざっくり500万円ほど高いプライスタグを正当化するだけの理由には事欠かなそうだ。
「さまざまなお客様のさまざまなニーズに寄り添う」というレクサスの新しい哲学に基づいた新型LXには、今回から3つのグレードが用意される。以前から購入したいと思っていたので、それぞれのグレードの見積書をもらってきた。
■最上級グレードEXECUTIVEはレクサス現行ラインナップで最高価格更新
ソニックチタニウムのボディカラー。写真からも塊感のあるデザインで質感の高さが伝わってくる
まずは最上級グレードの「EXECUTIVE」の見積もりをご覧いただこう。車両本体価格は堂々の1800万円。現行レクサス車のなかで最高値だ。
これにレクサスボディコート(13万2000円)、ドライブレコーダー(9万5700円)、フロアマットタイプA(9万7900円)の付属品計32万5600円、税金・保険料諸費用込みの価格は1899万7510円となった。
レクサスLX600“EXECUTIVE”の見積書
日本では「EXECUTIVE」とされるVIPグレードは、LX初の独立4シーターとなる。助手席の後ろにオットマンを備え、最大48度までリクライニングするリアシートと、後席センターコンソールによる快適装備のコントロール、専用チューニングのサラウンドシステムまで用意される、オフロードでもショーファードリブンが楽しめるクルマだ。「どんな道でも楽に・上質に」という新型LXのコンセプトをまさに実現した象徴的なグレードとなっている。
ディーラーマンいわく、「このシートはNASAと共同開発されたもの」とのこと。また室内では天井から包み込まれる空調が装備され、ミストが噴射されて冷涼感が得られたりもするとのことだった。
これだけ大きなクルマに独立4シートだととても広々と感じられることは間違いない
お値段はLS500hの最上級グレード、EXECUTIVE Advanced Drive AWDの1792万円をわずかに上回り、レンジローバーのエントリーグレード(1637万円)より高い。
いただいた見積もりのローンの想定では、1800万円を実質年率4.1%の60回ローン、最終回の支払いを900万円に設定にして計算すると、初回支払額が20万3652円で毎月の支払いが19万9000円、総支払額は2079万7852円となる。5年落ち時点で、900万円でクルマが売れるという想定はレクサスLXならではかも。
5年後に半額の残価を設定しても毎月のローン支払いだけで20万円、5.7L、V8エンジンから3.5L、V6ツインターボにダウンサイジングしても燃費もそれなりでガソリン代もバカにならず、車両保険も高額になることが予想されるので、相当のメンテナンスコストがかかるといえるだろう。
エグゼクティブ専用リアシート。シートはNASAと共同開発したものだそうだ
■前後デフロックと専用デザインを備えるグレード、OFFROAD
LXのスポーティグレード、OFFROAD。価格は1290万円
新型ランドクルーザー300のGR SPORTと同様に、新型LXにもスポーティなOFFROADというグレードが設定される。悪路走破性を高めるための前後デフロックとオフロード色を強めたデザインを備える。
スピンドルグリル、フォグランプグリル、18インチ2インチダウンされたアルミホイール、ドアミラー、ルーフレール、ドアハンドル、ウインドモールなどがブラックアウトされており、リアバンパーも形状が異なっていた。
OFFROADの見積りは以下の通り。車両本体価格は1290万円。レクサスボディコート、ドライブレコーダー、フロアマットの付属品合計が35万9700円、税金・保険料その他費用込みの価格は1380万6410円。
ローンの想定は、1300万円を実質年率4.1%の60回ローン、最終回の支払いを645万円に設定。初回支払額は14万9914円で毎月の支払いが14万1100円、総支払額は1501万5714円となる。
このスポーティなグレードはややランドクルーザーと被るキャラクターということもあって、やや営業的には難しいグレードであるというニュアンスの話を聞いた。
レクサスLX600“OFFROAD”の見積書
■一番の売れ筋、標準グレードでも諸費用込みの価格は約1340万円
ボディカラーはテレーンカーキマイカメタリック
最後は一番の売れ筋、標準グレードだ。ほとんどの事前注文はこの標準グレード中心で、残りの1割ちょっとがEXECUTIVEだそうだ。5人乗り、7人乗りが選択可能で同価格だが、3列目シートが跳ね上げ式でなく、格納式になったのでほとんどの人が7人乗りを選択しているとのこと。
標準グレードの7人乗り、ヘーゼルの内装色が一番人気となっているという
LX600標準グレードの車両本体価格1250万円に、こちらもレクサスボディコート(13万2000円)、ドライブレコーダー(9万5700円)、フロアマットタイプA(13万2000円)の付属品計35万9700円、税金・保険・諸費用を加えると1339万6610円が諸費用込みの価格となった。
この見積り書には出ていないが、リアシートエンターテインメントシステムが28万7100円、22インチアルミホイールが38万5000円、マークレビンソンリファレンスサラウンドサウンドシステムは27万3900円のメーカーオプションとなっている。
ローン元金1300万円の実質年率4.1%の60回ローン、最終回の支払いを車両本体価格の半分の625万円に設定すると、初回支払額は15万289円で毎月の支払いが14万8200円、総支払額は1499万5889円となる。
レクサスLX600標準グレードの見積書
■ディーラーで組めるローンの限界は?
レクサスLX OFFROAD
これだけの高額車なので、現金一括払いではなくローンで買うのが一般的なのかもしれない。そこで、営業マンに「一番アグレッシブなローン」はどんな条件なのか、すなわちほんのわずかの頭金でできるだけ長期間組めるローンはどのようなものか聞いてみた。
「とりあえずこれで作ってみましょう」と言って計算してくれたのが、男の96回払い、8年ローン。実質年率4.1%。標準グレードの諸費用込み価格約1340万円に対し、頭金約40万円を入れて1300万円を96回払いのローンにすると、初回支払額は16万5278円、残り95回の支払額は15万9000円、支払い総額は1527万278円となった。頭金は最小で10万円程度でも可能だそうだ。
ちなみに、ローンを検討するときは、ディーラーだけでなく地方銀行などでの自動車ローンの金利も調べてみるべきだ。関東南部の某地銀では、マイカーローンプレミアムという商品があり、その銀行に口座を持っていない人であっても最長10年、借入金額も最大3000万円までの借入が可能(もちろん審査があるが)。
さらには今乗っているクルマのローンに残債が200万円あって新車価格約1340万円のレクサスLXに乗り換える場合、全部まとめて1540万円のローンを組むことも可能。それでいて金利は0.85%(環境配慮車の新車の場合)から1.7%だ(ただし変動金利)。ディーラーのローン金利4.1%と比較すると極めて低いローン金利となっている。
先ほどの「一番アグレッシブなローン」のケースで言うと、ローンの実質年率が仮に4.1%から3.1%に1%下がるだけで、初回支払額などその他条件を一緒にすると毎月の支払額は約15万3000円と6000円ほど下がる。1回の支払いで6000円安いのが95回続く、ということは支払い総額で考えると57万円安いということだ。
たかが1%でこんなに違いが出てくることを考えると、ディーラーローンだけではなくさまざまな選択肢を検討した方がいい。変動金利では金利上昇のリスクはあるとはいえ、ローン期間中(このケースだと8年間)に適用される毎月の金利の平均値が、現在のローンの固定金利(このケースだとディーラーローン金利4.1%)を下回ると考えるのであれば変動金利を選択するのが賢明だろう。
■気になる納期は? 今注文しても納車は1年後!?
新型ランドクルーザー300では今注文しても4、5年待ちとも言われているが、レクサス新型LXはどうなのか、ディーラーマンに聞いてみた。
2月から3月までの初回生産枠で作られるクルマに関しては、2021年11月25日からの予約開始以降入っているオーダーですべて売り切れだそうだ。
次回の生産枠で作られる車へのオーダーは1月12日に締め切る模様。だがそれなりの数の先行予約が現時点で既に入ってきているようで、取材したお店では10台の予約が入っており、納車は1年程度かかると予想していた。
ちなみに今回お願いした見積書は2022年6月登録前提で作られていた。現時点では納車まで時間がかかるため、価格変動リスクが取れず、下取り査定価格を出せないということだった。
■転売、海外輸出に関する誓約書の提出はランクル300と同じ
新型ランドクルーザー300の販売において、海外への輸出、転売を防ぐために誓約書にサインすることが必須だったが、レクサスLXはどうなのだろうか?
「ご名義につきましては、個人様でも法人様でも販売は可能です。ただ法人様の場合は登記簿謄本を頂戴しております。また転売目的をしない覚書は個人様、法人様関係なくご署名はいただきます」とのことだ。
こうした対策をしていたのにもかかわらず、かかわらず、走行0.3万kmのZX ディーゼルが1398万円で大手中古車情報サイトに掲載されたり(ちなみにZXディーゼルの正規新車価格は760万円)、オートオークションの最大手である「USS」のオークションにGRスポーツが出品され、あっという間に1607万5000円で落札されるという“事件”もあったから、完全防備というわけにはいかないのではないだろうか。
■レクサスLXは海外、特に中東でどうして大人気なのか?
ランクル300よりもさらに上のレクサスLXはステータスシンボルの頂点なのだろうか?
直近デビューした新型ランドクルーザー300でも、初期ロットに対するオーダーはプレミアム価格で海外に転売する業者からのものが多かったのでは、と話題になった。
先代レクサスLXは海外での人気が高いため、盗難リスクが高いので有名だが、新型レクサスLXも同様に国内から海外に転売されていくケースが多くなるだろう。
5年後のローンの価格設定が新車価格の50%というリセールバリューの高さは、海外の需要に支えられている部分もあるので痛し痒しだが……。
今回のレクサスLXのワールドプレミアもUAEで行われるほど、海外、特に中東ではレクサスLXの人気が非常に高い。そこでUAEに住んでいる筆者の友人に、「なぜレクサスLXはそんなに中東で人気なのか」とメールで問い合わせてみた。返ってきた答えはこうだ。
「ひと言で言うと、レクサスLXに乗ることはステータスシンボル。もうそれに尽きます。一応ちゃんと説明すると、日本と違って基本的に公共交通機関がないのでクルマで長距離を走ることが多く、10万、20万km乗っても耐久性が高くてリセールバリューもしっかり残るクルマが中東では人気なのです。
まさにレクサスLXはそうしたクルマです。ドイツやイギリス、アメリカのSUVと比べると、ランドクルーザーは、割高に見えるかもしれないけれど、結果的には損しないクルマと思われています。
また、日産のパトロール(日本未導入、かつてのサファリ)とランドクルーザーを比べるとランドクルーザーのほうが故障が少ないと言われていて、インフィニティQX80(日本未導入の大型SUV)とレクサスLXを比べるとレザーシートをはじめとする内装の質感や乗り心地は、レクサスのほうが高いから、ランドクルーザーとLXがやはり人気がありますね。
我々の親の世代は若い頃にランドクルーザーを運転していた経験を持つ人たちが多くて愛着があるので、歳を取って、より高級感のあるレクサスLXに乗るのは割と自然なことではないでしょうか」。
レクサスLXは、14年ぶりのフルモデルチェンジということで、待ちわびていたファンも多いだろう。おそらく新型ランドクルーザーと同じように、納車が2年以上となり、中古車市場でもプレミアム価格となるのは確実。欲しい人は早めにレクサスディーラーへ急ぐことをお薦めする。
[gallink]
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
「子供が熱を出したので障害者用スペースに停めたら、老夫婦に怒鳴られました。私が100%悪いですか?」質問に回答殺到!?「当たり前」「子供がいたら許されるの?」の声も…実際どちらが悪いのか
“650馬力”の爆速「コンパクトカー」がスゴイ! 全長4.2mボディに「W12ツインターボ」搭載! ド派手“ワイドボディ”がカッコいい史上最強の「ゴルフ」とは?
セカオワが「愛車売ります!」CDジャケットにも使用した印象的なクルマ
8年ぶり全面刷新! 日産新型「小さな高級車」登場! 全長4.3mに「クラス超え上質内装」とめちゃ“スゴいシート”採用! ちょうどイイサイズの「新型キックス」日本には来る?
「日高横断道路」は、なぜ幻の道となったのか? およそ半世紀越しの計画を凍結した理由。 【いま気になる道路計画】
「中古車を買いに来たら『支払総額表示』で売ってくれませんでした、詐欺ですよね?」 「別途費用が必要」と言われることも…! 苦情絶えないトラブル、どんな内容?
トヨタ新型「ミニアルファード」登場は? 「手頃なアルファードが欲しい」期待する声も!? 過去に"1代で"姿消した「ミドル高級ミニバン」があった!? 今後、復活はあるのか
「子供が熱を出したので障害者用スペースに停めたら、老夫婦に怒鳴られました。私が100%悪いですか?」質問に回答殺到!?「当たり前」「子供がいたら許されるの?」の声も…実際どちらが悪いのか
もう待ちきれない! [新型GT-R]はなんと全個体電池+次世代モーターで1360馬力! 世界が驚く史上最強のBEVスポーツカーへ
「財布を忘れて帰ろうとしたら、免許不携帯で捕まりました。今取りに帰るんですよ。私が悪いんですか?」質問に回答殺到!?「事実でしょ」「非常識」の声も…「うっかり」でも許されない理由とは
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント
ランクル300にしても日本で使う場所ある?
狭い道路のでかい障害物、おまけにうんてんしとるやつが下手。