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“ファッショニスタ”たちがパドックという名のランウェイを彩った。角田裕毅は大胆肌見せ|2024年のF1ファッションモーメント10選

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“ファッショニスタ”たちがパドックという名のランウェイを彩った。角田裕毅は大胆肌見せ|2024年のF1ファッションモーメント10選

 2024年のF1にはファッション界からの本格参入があり、さらに華やいだ。2025年からフェラーリへと移籍するルイス・ハミルトンがファッションアイコンとしてF1内外から注目を集めるようになって久しいが、これまで以上に多くのドライバーがパドックで大胆なスタイルを披露している。

 2024年が終わりに近づく中で、パドックを席巻したドライバーたちの“ファッションモーメント”を10つ集めてみた。必ずしもベスト10ではないのでご注意を……それではハミルトンの写真を10枚並べただけのリスト記事になってしまう可能性がある(もちろん、この記事でもハミルトンは何度か登場しているが)。

■パドックこそがF1ドライバーたちの”ランウェイ”……私服のセンスはいかほどか? 勝手にファッションチェックしてみた

 また、この記事に登場しないドライバーがいることも指摘しておきたい。マクラーレンのランド・ノリスやアルピーヌのピエール・ガスリー、フェラーリのシャルル・ルクレールとカルロス・サインツJr.は、チームキットを使いつつ、スポンサーから着用を義務付けられているアイテムをユニークに着こなしている。しかし、1年を振り返ってみると、このリストに挙げられたパドックコーデほど“度肝を抜く”モノではなかった。

アブダビでハミルトンが魅せた変身

 フェラーリ加入より一足早く、ハミルトンはシーズン最終戦アブダビGPで赤に染まった。スタイリストのエリック・マクニールの助力もあり、3日間それぞれで異なるアンサンブルを身にまとった。

 金曜日にハミルトンはWilly Chavarriaの2025年SSのラインアップからオフホワイトのセットアップを着用しヤス・マリーナ・サーキット入り。複雑な赤いステッチが特徴だった。

 土曜日にハミルトンは、Rick Owensの赤と白を基調としたリラックスしたスタイルを披露。アシンメトリーのロングボタンダウンシャツの下にはダメージ加工が施された白のベスト、色落ち加工が施されたバギーパンツを合わせた。アイウェアにはGucciのサングラスを着用した。

 そしてレース当日の日曜日にDIORの真っ赤なコーデで登場したハミルトン。2024年初めにはブランドアンバサダー就任が発表されており、アブダビでは赤のバンドカラーシャツにセットアップのパンツ、そしてお馴染みであるGucciのスクエアフレームのサングラスで決めた。

角田裕毅の自信に満ちたコーデ

 角田裕毅は常にパドックのファッションキングのひとりに数えられてきたが、2024年は真にスポットライトを浴びた。アブダビGPに登場した際には、Hugoのアシッドウォッシュタンクトップに、ルーズフィットのデニムジーンズをBottega Venetaのベルトで締めて登場。黒のチャンキーなスニーカーにシルバーのネックレス、そしてダークカラーのサングラスを合わせ、自信に満ち溢れた表情を浮かべた。

 ソーシャルメディア上のファンたちは、このルックを映画『ワイルド・スピード』シリーズの悪役になぞらえた(角田がジェイソン・ステイサムの熱烈なファンであることを考えると、特にピッタリだ)。また、黒いタンクトップを着用していたかつてのミハエル・シューマッハーになぞらえる人もいた。

 角田は2024年シーズン、ドクロと骨のダブルデニムや、Alpinestarsのモトクロスジャケット、自身がコラボを行なうVERDYのGirls Don’t Cryのカーディガンなどを着こなした。レーシングブルズで迎える2025年は、どんな装いを見せてくれるだろうか?

周冠宇のクールなシルエット

 周冠宇はザウバーでのF1キャリアを通じて、ファッションアイコンのひとりとなっている。中国・上海出身らしく、キレイめながらもリスクを恐れず大胆なスタイルを着こなす。世界的なスポットライトを浴びた直近2年間で、お気に入りのシルエットを貫いた。

 最後のランウェイ……否、パドックで周は、バギーパンツにマルーン色のボンバージャケットと白のボタンダウンシャツを合わせた。ダークカラーのサングラスに、ツートンのスニーカーがアクセントだ。

リカルドは既にF1後の生活を示唆?

 2023年のメットガラに登場した時のように、ダニエル・リカルドも長年ハイファッションに挑戦してきたひとりだが、リラックスしたルックを好んでいることは明らかだ。

 グラフィックTシャツの大ファンでもあるリカルドは、自身のアパレルラインEnchanteでいくつかTシャツをプロデュース。2024年のベルギーGPでは、NFLでクオーターバックとして活躍するジョシュ・アレンをモチーフにした陽気なシャツを選んだ。

 シーズン途中でF1グリッドを離れて以来、リカルドは表舞台から離れた生活を送っているが、友人のアレンを応援するためにバッファロー・ビルズの試合を観戦している姿が目撃された。

 F1参戦後の進路はまだ不透明だが、7月にリカルドが選んだコーデは、アメリカを舞台に活躍する未来を暗示しているのかもしれない。

オコンはモンツァで一歩踏み出す

 2025年からハースへ移籍するエステバン・オコンは通常、パドック入りをする際はチームのポロシャツにデニムという組み合わせを好んでいる。

 そのため、イタリアGPでオコンがオーバーサイズのジャケットとおそろいのアシッドウォッシュデニムを着用している姿を目撃したファンの驚きは想像に難くない。オコンはセットアップの下にパウダーブルーのTシャツを合わせ、ブルーのアクセントが入った白のスニーカーとサングラスを身に着けた。決め手は特大の笑顔だ。

ハミルトン、マイアミで存在感を見せつける

 知らぬ間にハミルトンの数歩先でパドックに入るというのは奇妙な体験だが、マイアミGPではそれが起こった。なぜ多くのカメラマンがパドック入口に殺到し、こちらに向けてカメラを構えているのか不可解に想いながら振り返ると、ハミルトンが入口に向かってクールに闊歩していた。

 見物人たちから聞こえる歓声は、ハミルトンが特に目を引くコーデに向けられたモノのようだった。ハミルトンはこの時、テーラードパンツとスパンコールで飾られたローカットタンクトップを着用し、Jacques Marie Mageのサングラスと黒のワークブーツ、そしてダイヤモンドのネックレスを合わせた。

フィンランド人ボッタスがオーストラリア文化を称える

 ザウバーから参戦した バルテリ・ボッタスのリスト入りは、オーストラリアGPでのファッションというよりも、シーズンを通しての全体的なコミットメントに関係している。

 オーストラリア出身としては、ボッタスの「ソーセージ・シズルのために来ました」Tシャツを高く評価したい。ソーセージ・シズルとは、パンにソーセージを挟んで食べるBQQのことで、それなら絶対に参加したいと思うのがオーストラリア人なのだ。

 フィンランド出身のボッタスで気に入っているのは、オーストラリアの文化を本当に理解していること。この黒いTシャツにショートパンツ、つばの平たいキャップ、ふくらはぎにかかる長めの靴下を着用していることからもよく分かる。

ラッセルはイモラでタイムスリップ

 メルセデスのジョージ・ラッセルは、“オールドマネー”スタイルの人気上昇に乗じて自身の服装を選んでいるようだ。

 メルセデスのチームメイトだったハミルトンがリラックスしたスタイルを好む一方で、ラッセルのコーデはキッチリとしたヨーロピアンスタイル。このリストで選んだヴィンテージのオーバーオールがビジョンボードにあったとは思えないが、見事に着こなしてみせた。

 ラッセルは、自身がイギリス人であることをファッションで表現し、このコーデがいつものスタイリングから少し外れていたにせよ、実際は形成された人物像にとても一致している。チームスポンサーであるTommy Hilfigerのカーディガン以外のラッセルを見ることができるのも嬉しいことだ。

ハミルトン、イギリスGPでDIORとのパートナーシップ開始をアピール

 ハミルトンは地元イギリスGPで、DIORのアンバサダー活動を華々しくスタート。シルバーストンのパドックではブランドのメンズウェア・アーティスティック・ディレクターを務めるキム・ジョーンズが手掛けた2025年SSコレクションを着用した。

 ハミルトンは白のタックトップをネイビーのテーラードパンツにタックインし、青の刺繍が施された花柄ジャケットを羽織った。ブラウンのワークブーツには同じく花柄があしらわれ、Jacques Marie Mageのアビエイタースタイルのサングラス、IWCの腕時計をアクセサリーとして身につけた。最高のパートナーである愛犬ロスコーも一緒だ。

一方フェルスタッペンは……

 マックス・フェルスタッペンは、チームキット以外には腕を通したことがないのではないかというくらいにはファッションでの自己表現が少ない。カタールGPで世界タイトル4連覇を決めた時も着ていたのはレッドブルのアパレルラインであるアルファタウリのTシャツだった。

 華がないと人は言うかもしれないが、何をどう着るかは個人の自由。結局のところ他人が口出しすることではない。フェルスタッペンは寝ても覚めてもモータースポーツ一辺倒なのだ。

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