この記事をまとめると
■最近は紙のカタログではなくWebページで新車情報を見る人が増えつつある
「○○ファン」なんて言葉じゃ生ぬるい! 一度ハマると抜け出せないクルマ界の「底なし沼」5選
■マニアのなかには紙のカタログのページ数やロケ地を記憶している人もいる
■一般の人ではサイズや価格くらいしか見ず、ボディカラーも覚えていないことも多い
クルママニアと一般人がカタログのどこを気にする?
クルマのカタログといえば、最近はWeb版が主流になりつつあるけれど、やはり紙のほうに魅力を感じているのは筆者だけではないはず。
憧れのクルマのカタログを入手しようものなら、隅から隅まで読み込んで、気づけば暗記するほど読み込んでいたり。その頃には紙のカタログはボロボロ……と、クルマ好きであれば、何かしらカタログ(それも紙のほう)にまつわるエピソードがあるのではないでしょうか。
最高出力、ホイールベース、トレッド、メーカーオプション、ディーラーオプション……などなど。カタログを隅から隅まで読めば読むほど、否が応でも数ある自動車にまつわる専門用語に触れることになります。そのクルマの世界感はもちろんのこと、数々の専門用語がギュッと凝縮された、いわばクルマを知る第一歩的な役割も担っているのです。
そんな1冊のカタログに対する受け止め方、そして解釈は「マニア」と「一般の人」で大きく異なります。
■マニアと一般の人が1冊のカタログについて把握しているポイントの違いとは?
マニアと一般の人ではクルマのカタログを見るポイントもまったく異なります(同じポイントももちろんありますが)。今回、その例を5つにしぼって挙げてみました。
●マニア編
○キャッチコピー
多くのクルマのカタログの表2(表紙をめくった最初のページ)には、そのクルマを端的に表現した文言が記されていることがしばしばあります。ちなみに筆者は、Z32型フェアレディZの「スポーツカーに乗ろうと思う」のひと言で、このクルマに魅了されてしまったひとりです。
○カタログ全体の構成を丸暗記
何度も何度も読み込んでいくうちに、何十ページもあるカタログの各レイアウトや構成を覚えてしまいます。そのうち、「エンジンの解説は○○ページ」などと言えるようになっていたら、もはやマニア確定です。
○ロケ地巡り
カタログのなかには日本国内で撮影されたカットもあります。まるで映画やドラマのロケ地巡りのように、カタログで使用された場所で、同じ構図で撮影を行うのです。マニアともなれば、カタログと同一仕様のクルマを手に入れ、再現してしまう猛者も。
○カタログの制作会社がわかる
クルマのカタログは、広告代理店やメーカーの関連会社など、その道に長けた企業や部署が手がけます。それは良い意味で「個性」となって表れます。当然、マニアもそこを見逃しません。「この年代のスカイラインのカタログはA社だな」など、某コーヒーCMもびっくりの「違いがわかる男(女)」の眼力はすさまじいものがあります。
○版ごとのわずかな相違点を把握
クルマが仕様変更を行うように、カタログも細かくアップデートされています。モデルサイクルの途中で追加グレードや新色が追加されればそのカットが増えますし、マイナーチェンジすればほとんどのページが差し替えられます。マニアともなれば、その差異を完璧に把握しています。
一般の人は値段やサイズなど数字面を気にする?
●一般の人編
○価格表
何といっても外せないのが「価格表」。カタログ本体に記載されているクルマと別紙になっているものとで分けられますが、これは誰もが把握している項目といえます。しかし、お金持ちによっては価格表には目もくれず「イチバン高いグレードで全部付きね」といったパワーワードを発します。
○ボディカラー
とくに新車を購入する場合、在庫車でもない限りはボディカラーを選ぶことになります。必然的に選んだボディカラー名を覚えるわけですが、そのうち正式名称を忘れ、「パールホワイト」といったざっくりな表現になることも少なくありません。
○オプション
カーナビやフロアマット、ETC、メーカー/ディーラーオプションなど、自分の愛車になるクルマのオプションだけに、グレードは真剣に選ぶことになります。オプションが豊富なモデルだと、目移りして大変です。
○燃費
原油価格高騰により、ガソリンの店頭価格も目まいがするほど。当然、これから手に入れようとしているクルマの燃費チェックは欠かせません。しかし「カタログ数値」と実燃費が異なることをきちんとセールス側が説明しないと、このご時世、えらいことになりかねません。
○ボディサイズ
自宅や月極の駐車場にきちんと収まるか。いま、所有しているクルマと比較して大きさはどれくらい変わるのか? ボディサイズは誰もがチェックする項目のひとつです。数センチ違うだけ使い勝手が変わることもあるだけに、とても大事なポイントです。
■マニアと一般の人ではカタログも扱われ方もまったく異なる
数あるライバル車のなかで、自分たちが手塩にかけて開発したクルマを選んで欲しい……。メーカーやモデル、属するカテゴリー、想定されるメインユーザーに対して、いかに魅力的な商品(クルマ)としてアピールできるか?
製作スタッフが何度も何度も議論と会議を繰り返し、もはや発狂寸前(?)になりながら、ようやく完成し、世に送り出したカタログ。そのおかげで、ディーラーの商談の場や、自宅で家族会議する際など、あらゆる場面で活躍します。
一方で、熱心なカタログコレクターのコレクションに加えられ、誰の目に触れられることもなく押し入れで静かに時が経つのを待つものも。閲覧用・保存用・予備と、本気組みのコレクターともなれば最低でも2冊、少なくとも3冊は同一仕様のカタログを保有するマニアも少なくありません。
■まとめ&余談:クルマのカタログはタダじゃない?
1冊のクルマのカタログが、その人のカーライフはもちろんのこと、ときにはその後の人生すらも変えてしまうほどの魅力と魔力を秘めています。クルマ本体ではなく、カタログの世界感に魅了され、コレクターになってしまう人がいるのも頷けます。
それほどの強い引力を持ったものが、ディーラーに行けばタダで手に入る(一部例外ありですが)……のはあくまでもユーザーレベルでの話。基本的にディーラーは、メーカーやインポーターから、販促品として「購入」しているのです。
高級車のカタログともなれば、作りはもちろんのこと、上質な紙が用いられることも少なくありません。当然、1冊あたりの単価も高くなります(ハードカバーの表紙だったり、手に取ってズシリと重いカタログはお金がかかっているとみて間違いありません)。単にカタログが欲しい人にホイホイ配っていたらキリがありません。自他ともに認めるカタログコレクターであれば、このあたりのことも踏まえておきたいものですね。
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