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日産が「最上級クーペ」披露してた!? 全長5m級&超豪華「ソファシート」 V8エンジン搭載の「TRI-X」がスゴかった

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日産が「最上級クーペ」披露してた!? 全長5m級&超豪華「ソファシート」  V8エンジン搭載の「TRI-X」がスゴかった

■バブルとともに消え去った日産最上級クーペの夢

 国内最大の自動車展示会「東京モーターショー」ではこれまで、さまざまな新型車やコンセプトカーが発表されました。次回の開催は2023年10月を予定していますが、新たに「ジャパンモビリティショー」として生まれ変わります。
 
 そんな東京モーターショーのなかでも、32年前となる1991年の第29回で日産が出展した「TRI-X(トライ エックス)」を紹介します。

【画像】ゼンブが豪華すぎ! 幻だった日産最上級クーペ「TRI-X」を画像で見る(18枚)

 1991年10月25日から11月8日まで幕張メッセ(千葉市美浜区)で第29回東京モーターショーが開催されました。

 1991年はソ連崩壊やバブル景気の終焉が見えはじめた年で、東京モーターショーでは史上はじめて来場者数が200万人を突破するとともに、水素やメタノールといった代替エネルギー車も多数登場。課題を克服しつつあった電気自動車も注目された回でした。

 日産では、5台のコンセプトカーと16台の参考出品車、さらに17台の市販車を展示。そのなかの1台に4人乗りラグジュアリークーペ、TRI-Xを公開しました。

 TRI-Xのコンセプトは、「環境や安全への対応と、クルマ本来の走る楽しさ、美しさ、快適さとの両立を追求して生まれたレスポンシブル・ラグジュアリークーペ」。

 ボディサイズは全長4995mm×全幅1900mm×全高1350mmで、ホイールベースは2800mmと堂々たるスタイリングです。

 エクステリアは日本独自の美的感覚を意識したデザインとし、フラッグシップモデルらしい長く流麗な2ドアボディを持ちます。

 フロントフェイスは低く丸みを帯びており、細いスリットが設けられたフロントグリルとヘッドライトは連続したものとなっています。

 サイドはフロントバンパー下部からリアバンパー下部までを結ぶキャラクターラインが設けられている以外には凹凸を持たず、外に向かって膨らみをもたせることで上質感を演出。

 トランクは後部に向かって突き出た形となり、スモークがかった真一文字のテールランプが目を引きます。

 室内は大人4人が長距離移動しても疲れないことを目指したといい、座面と背もたれが一体化した高級ソファのような本革シートを前後ともに装備。

 インテリアはベージュを基調色とし、後席まで連続する大型のセンターコンソールの大部分には木目パネルを装備することで、ラグジュアリークーペらしく室内を華やかに彩っています。

 インパネにはアナログ時計が装備されるほか、ナビゲーションシステムやテレビ機能などが一体化されたマルチインフォテインメントシステムが設けられています。

 パワートレインは最高級セダン「プレジデント」や「インフィニティQ45」などにも採用されたV型8気筒DOHC「VH型」エンジンですが、メタノール混合燃料に対応し、メタノール割合0~85%をカバーするなど、環境に配慮されている点も特徴です。

 そのほか、前輪から得た情報をもとに路面状況を推定し、後輪の制御を行うプレビューアクティブサスペンションや、3次元に文字やゲージが浮かぶ「遠方結像電子メーター」、日本舞踊の所作からインスピレーションを受けた「動き演出ワイパー」など、美しさと先進性を追求した意欲的な新技術を多数採用しています。

 華やかで流麗な最上級クーペとして披露されたTRI-Xでしたが、直接的な市販モデルは現在に至るまで登場していません。

 唯一、1993年10月に登場したスポーティクーペ「シルビア」(6代目・S14型)のエクステリアには、その優美なデザインテイストを継承したような共通性が感じられます。

※ ※ ※

 このTRI-Xのように市販化が叶わなかったものの、後に登場する市販車に一部の機能やデザインが活かされているケースも数多く存在するほか、最新技術の一部は現代と同じ発想でブラッシュアップされ続けています。

 59年ぶりに名称が変更されて新たに生まれ変わるジャパンモビリティショーでは、新時代のクルマへ大きな変化をもたらすコンセプトカーの登場に、ますます期待が膨らむばかりです。

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