2020年7月3日、いよいよ待ちに待ったF1グランプリがオーストリアで開幕する。新型コロナウイルスの影響で開幕が4カ月近く遅れ、まだ前半戦8戦しか開催が決定していないという暫定的で手探りの状況でのシーズンインとなる。それだけに例年以上に予想が難しい開幕戦ということになる。しかも、いきなり異例の同じサーキットでの連続開催、そして開幕10週で8グランプリを戦うという超過密スケジュール。ここを制した者がチャンピオンに大きく近づくことは間違いない。いったい、どのチームが開幕ダッシュを決めるのか。目の離せないレースとなりそうだ。(タイトル写真は昨年2019年オーストリアGP。レッドブルリンクは起伏の大きなサーキットであることがわかる)
オーストリア、ハンガリーでの開幕3連戦はレッドブル・ホンダに有利!?
2020年のF1開幕戦となるオーストリアGP(正式名称は同じサーキットで行われる第2戦と区別するためオステルライヒGP)は、7月3日11時(日本時間18時)からのフリー走行でいよいよスタートする。舞台はオーストリア・レッドブルリンク。ここで2週連続でバトルを繰り広げ、すぐに翌週にはハンガリーで第3戦を戦う。まずここが2020年のF1シーズンを占う時に大きなポイントとなる。
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というのも、チャンピオン候補と言われるレッドブルがオーストリアとハンガリーを得意としているからだ。レッドブルのマックス・フェルスタッペンは2018年、2019年とオーストリアGPを連勝中で、ハンガリーGPでも昨年2019年にポールポジションを獲得している。ここで序盤3戦を戦うというのは大きな意味がある。
今シーズンを予想するのは簡単ではないが、4カ月の中断期間中テストや開発もストップしていたため、バルセロナでのウインターテストの模様から、チャンピオン争いはメルセデスAMGとレッドブル・ホンダの間で繰り広げられると予想されている。フェラーリは3番手というのが、もっぱらの評価だ。
トップ3以外で面白い存在なのは、トロロッソ・ホンダからチーム名を変えたアルファタウリ・ホンダ。そして、そのライバルになりそうなのが、メルセデスAMGのパワーユニットを搭載するレーシングポイント・メルセデスだ。ともに今シーズン大幅にパフォーマンスアップしているようで、ウインターテストでもそのパフォーマンスの高さを見せつけている。
レッドブルリンクは全長は約4.3kmと短いが、山間部にあって起伏に富んでいるのが特徴。エンジン全開率66%、平均速度は230km/hと高く、ここではエンジンパワーが重要となる。コースはオーストリアの緑あふれるのどかな丘の中にあり、1コーナーから3コーナーまで急な上りが続き、その後はホームストレートまでダウンヒルとなる。また最終コーナーは逆バンク気味となっており、距離の短いコースだが1周をうまくまとめるのは難しい。
標高が高く酸素濃度が低いのもポイントで(しかも高低差が大きい)、エアロダイナミクス、冷却、過給効率が大きな課題となる。さらに、不安定になることが多い天候も気になるところだ。メルセデスAMGは2018年トラブルに見舞われて2台ともリタイア、昨年2019年は熱処理に失敗し2台とも大きく失速している。
こうして見ると、レッドブル・ホンダが俄然有利に見えるが、メルセデスAMGとて冷却の課題はよくわかってるはずだし、メルセデスAMGの新兵器DASが大きな効果を発揮する可能性もある。DASはコーナリングでトーをコントロールするもので、具体的にはコーナー入り口でタイヤをハの字にすることによりコーナリングスピードを上げ、ストレートで元に戻すことにより最高速を伸ばすというものだ。
もうひとつ気になるのがタイヤ。昨年はスタートで失敗したフェルスタッペンがタイヤ交換を遅らせてレース終盤に猛チャージをかけ、シャルル・ルクレール(フェラーリ)を逆転しトップでチェッカーを受けている。
F1にタイヤを供給するピレリのマリオ・イソーラF1責任者はオーストリアGPを次のように分析する。「開幕戦オーストリアGPのタイヤは昨年とまったく同じであるため、チームとドライバーが蓄積した経験が重要となるでしょう。タイヤから見れば、コーナーの大部分は右ターンですが、最もタイヤに厳しい2つのコーナーが左ターンというところがポイントです。過去、レッドブルサーキットは、特に暑い気候のときにブリスターの心配もありました。これまではワンストップレースでしたが」ちなみに今シーズンはスケジュールの混乱もあって、ドライバーによるタイヤ選択は実施されず、すべてのドライバーに同じタイヤが供給される。
今年のタイヤがどう機能するのか、気温が上昇した時にどんなパフォーマンスを見せるのか、に注目されるが、このほかにも、当面無観客で開催されることがレースにどんな影響を与えるのかなども気になるところ。2020年F1開幕戦オーストリアGPは、7月3日11時(日本時間18時)からのフリー走行1回目で開幕、予選は7月4日15時(日本時間22時)、決勝は7月5日15時10分(日本時間22時10分)に開始される。
■2020年F1グランプリ スケジュール(2020年6月2日発表)
第1戦 7月3日~5日 オステルライヒGP(オーストリアGP1) レッドブルリンク
第2戦 7月10日~12日 シュタイアマルクGP(オーストリアGP2) レッドブルリンク
第3戦 7月17日~19日 ハンガリーGP ハンガロリンク
第4戦 7月31日~8月2日 イギリスGP シルバーストン
第5戦 8月7日~9日 70周年記念GP(イギリスGP2) シルバーストン
第6戦 8月14日~16日 スペインGP バルセロナ
第7戦 8月28日~30日 ベルギーGP スパ・フランコルシャン
第8戦 9月4日~6日 イタリアGP モンツァ
F1チーム マシン ドライバー
メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ
マシン:メルセデスAMG・F1 W11
エンジン:メルセデスM11
代表:トト・ウォルフ
ドライバー:ルイス・ハミルトン
バルテリ・ボッタス
スクーデリア・フェラーリ・ミッション・ウィノウ
マシン:フェラーリSF1000
エンジン:フェラーリ065
代表:マティアーノ・ビノット
ドライバー:セバスチャン・ベッテル
シャルル・ルクレール
アストンマーティン・レッドブル・レーシング
マシン:レッドブルRB16
エンジン:ホンダRA620H
代表:クリチャン・ホーナー
ドライバー:マックス・フェルスタッペン
アレクサンダー・アルボン
マクラーレンF1チーム
マシン:マクラーレンMCL35
エンジン:ルノーE-TECH20
代表:ザック・ブラウン
ドライバー:カルロス・サインツ
ランド・ノリス
ルノーF1チーム
マシン:ルノーR.S.20
エンジン:ルノーE-TECH20
代表:シリル・アビテブール
ドライバー :ダニエル・リカル
エステバン・オコン
スクーデリア・アルファタウリ・ホンダ
マシン:アルファタウリAT01
エンジン:ホンダRA620H
代表:フランツ・トスト
ドライバー :ダニール・クビアト
ピエール・ガスリー
BWT・レーシングポイント・F1チーム
マシン:レーシングポイント
RP20エンジン:メルセデスM11
代表:オトマー・サフナウアー
ドライバー :セルジオ・ぺレス
ランス・ストロー
アルファロメオ・レーシング・オーレイン
マシン:アルファロメオC39
エンジン:フェラーリ065
代表:フレデリック・ヴァスール
ドライバー :キミ・ライコネン
アントニオ・ジョビナッツィ
ハースF1チーム
マシン:ハースVF-20
エンジン:フェラーリ065
代表:ギャンター・シュタイナー
ドライバー:ロマン・グロージャン
ケビン・マグヌッセン
ロキット・ウィリアムズ・レーシング
マシン:ウィリアムズ
FW43エンジン:メルセデスM11
代表:フランク・ウィリアムズ
ドライバー:ジョージ・ラッセル
ニコラス・ラティフィ
2019年F1第9戦 オーストリアGP決勝 結果(参考)
優勝 33 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ) 71周
2位16 C.ルクレール(フェラーリ)+2.724s
3位77 V.ボッタス(メルセデスAMG)+18.960s
4位5 S.ヴェッテル(フェラーリ)+19.610s
5位44 L.ハミルトン(メルセデスAMG)+22.805s
6位 4 L.ノリス(マクラーレン・ルノー)+1周
7位 10 P.ガスリー (レッドブル・ホンダ)+1周
8位 55 C.サインツ(マクラーレン・ルノー)+1周
9位 7 K.ライコネン(アルファロメオ)+1周
10位 99 A.ジョビナッツィ(アルファロメオ)+1周
[ アルバム : 2020年F1開幕戦オステルライヒGP(オーストリアGP1)プレビュー はオリジナルサイトでご覧ください ]
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もう2強の戦いと思われてる