毎月足しげく新車ディーラーを回り、「生」の新車情報を届けてくれる流通ジャーナリストの遠藤徹氏。
今回はまずトヨタ 新型C-HRの発売時期について。ほか、スズキ 次期型アルトワークスの数年後を目指した復活のプロジェクトが? …など、国内メーカーの「旬」の情報をまとめてお届けします!!
トヨタ新型C-HRは23年5月発売?? アリアがまさかの受注停止!? 国内メーカーの「今」取って出し
※本稿は2022年11月のものに適宜修正を加えています
文/遠藤徹、写真/ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2022年12月26日号
■トヨタ、新型C-HRは2023年5月にフルモデルチェンジ
トヨタの販売店筋によると、2023年5月にコンパクトSUVのC-HRをフルモデルチェンジする方向でスケジュール調整しているといいます。
次期型は新開発のプラットフォームを採用しながらボディ剛性の向上、クォリティアップ、そして走行性能や燃費性能などを進化させるための開発を進めています。パワーユニットは全車1.8Lハイブリッド&1.8Lガソリンエンジンを搭載します。なお、現行型に搭載の1.2Lターボは廃止されます。
C-HRは2023年5月にフルモデルチェンジする見込み。次期型はパワーユニットは1.8L NAと1.8Lハイブリッドを搭載するという情報あり。写真はトヨタヨーロッパが2022年12月5日に発表した「C-HRプロローグ」
■スズキ、次期型アルトワークスはどうなる?
アルトのスポーツバージョンであるアルトワークスの次期型に注目です。
従来モデルは、この11月に実施された騒音や排ガス規制の法規対応がクリアできないこともあって廃止になりました。しかし、このアルトワークスは数年後には復活させる方向で開発プロジェクトが動いているようです。
次期型はこれまでのようなエンジン車だけでなく、電気自動車での開発アプローチも選択肢のひとつになっているといわれます。EVのトルク特性が持つ力強い加速感が開発の追い風になっているようなのです。
■スズキがCVTと組み合わせるハイブリッドを開発中
スズキは2023年中盤に、EV走行などが可能な新しいストロングハイブリッドを搭載する小型車を発売する方向で開発を進めているようです。
これまでスズキはストロングハイブリッドにMTをベースにしたトランスミッションのAGSを組み合わせていました。
しかしこのシステムは、変速ショックによる違和感などで販売台数が伸びずに廃止した経緯があるため、新型ハイブリッドでは滑らかな走行が可能なCVTとの組み合わせに切り替える計画です。
ハイブリッドに組み合わされるエンジンは1.2~1.5Lとなりそうです。
■ダイハツ、マイナーチェンジしたタントがN-BOXを猛追!
2022年10月にビッグマイナーチェンジしたダイハツ タントが、軽自動車のトップセラーであるホンダN-BOXを販売台数で激しく追い上げています。
ダイハツによると、改良型の発売1カ月間での受注累計台数が約5万台に達したというのです。これは月販計画1万2500台の約4倍にあたります。タイプ別の受注構成比は、標準モデルが20%、カスタムが55%、新設定したファンクロスが25%です。
10月の販売台数では、N-BOXの1万6369台に対してタントは1万4981台と、その差はわずか1388台と急迫しています。このペースだと、今後数カ月以内にタントが軽自動車のトップに復帰する可能性があります。
ダイハツ タントは10月にビッグマイナーチェンジ、新仕様のファンクロスも追加。改良新型の売れゆきは絶好調で、軽トップを獲得しそうな勢いだ。2022年10月の軽自動車を含む新車販売台数ランキングは、ホンダN-BOXが2カ月連続の首位を守ったが、タントが僅差で2位まで迫っている
■マツダ CX-60は販売好調
マツダが9月15日に発売したCX-60が好調な販売推移を見せています。約2カ月半で8726台を受注しました。
月販目標台数は2000台で、これに対して最近はその5倍を受注しています。なお、納期は6カ月以上になってます。
■日産、サクラ、エクストレイル、アリアは10月末に受注を停止
日産は、軽EVのサクラと新型エクストレイルを販売好調で生産が追い付かないため、一時オーダーストップさせました。両モデルとも当初の生産&販売計画を大幅に上回る受注があったうえに、半導体不足などによる生産の滞りで、納期が1年以上と長期化しているためです。
サクラは10月末までの受注累計が3万3000台で、1年以上の納車待ちとなっています。発売以来の月間販売台数は3000~4000台で、EVではダントツのトップセラーモデルです。
エクストレイルは発売以来の推定受注累計が2万2000台を突破しました。受注の90%は4WD車で占められています。
新型EVのアリアは今年初め「B6」グレードを発売し、今秋までに航続距離の長いグレードの「B9」を加える予定でしたが、現在では両モデルともオーダーストップしています。
日産車ではサクラ、エクストレイル、アリアがオーダーストップしている。販売好調なうえに、半導体不足などで生産が追い付かない事情があるためだ
■納期長期化や受注停止があってもトヨタ車は独走
10月の登録車販売台数ランキングを見ると、トヨタの独走ぶりが顕著になっていることがわかります。トップ10では、1位ヤリス、2位シエンタ、3位カローラ、4位ライズ、5位ルーミーと、上位5車でトヨタ車が独占しています。
そして、6位がノートでようやく日産車がランクインして、7位ヴォクシー、8位ノア、9位アクアとまたトヨタ勢が続き、10位フリードとホンダがやっとトップ10の最後に姿を見せています。
つまりトップ10車のなかで8車がトヨタブランドという状況になっているのです。
なお、このトップ10車のなかのカローラはカローラクロスがオーダーストップしていて、ヴォクシー/ノアはハイブリッド車が1年以上の納車待ち、そのほかのトヨタ車もほとんどが半年以上の納車待ちとなっています。
さらに、トップ10以下では、12位アルファード、22位ランドクルーザー、24位RAV4、41位ハリアーなどもオーダーストップしています。
今後これらのクルマの納期が正常化すれば、トヨタ車のセールスはさらにアップし、独走状態がより顕著になるといえそうです。
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アホらしい。